1015 湖へリターン 上
がんばったけど、途中で意識が途切れてしまい、目覚めたらベッドの中だった。
……クッ。一生の不覚。あんな機会を潰すなんて……!
悔しくはあるけど、あの感触は全身に記憶されている。ラグラナのおっぱい。侍女たちのおっぱい。異世界転生オッパーイ!
「おはようございます」
ラグラナがわたしの視界に入って来た。近いって!
「おはよう。途中で眠ってしまったのね」
「はい。満足そうな、まるでそのまま天に召されるかのような顔でした」
ま、まあ、あの状況なら天に召されても不思議ではないわね。
「胸って枕に適しているものなのね。わたしも枕になりたいわ」
じゃない。そうじゃない。わたしが枕になってどうする? わたしが欲しいのはおっぱい枕よ。あの柔らかなおっぱいを頭にして眠りたいのよ。きっといい夢が見れるはずだわ。
「眠れないときはわたしが枕になりますから、変なことはしないでくださいね」
え? ラグラナがおっぱい枕になってくれんの!? チョー嬉しいんですけど! 言質はいただきましたからね!
「そのときはお願いするわ」
おっぱいってどの方向から頭を乗せたらいいのかしら? 昨日のように。抱っこされながらおっぱいに顔を埋める? 片方に頬を乗せたほうがいい? いろんな選択肢がありすぎて決められないわ!
「お嬢様。もう少し横になっておりますか? まだ起きるには早いですけど」
「起きるわ。少しウォーキングして体を起こすとしましょうか」
夜着からウォーギング用の服に着替え、外に出ると濃霧で満ちていた。
「凄いわね。こんな濃霧、初めてだわ」
「中止なさいますか?」
「大丈夫よ。道は覚えているから」
濃霧と言っても石畳は見える。グリムワールで風を吹かせたら問題なく歩けるわ。
「チェレミー嬢!」
ルティンラル騎士団の方が二人、駆けて来た。屋敷にも配置してたのね。ご苦労様です。
「おはようございます。ウォーキングするだけなので大丈夫ですよ」
と言っても聞いてくれるわけなし。仕方がないわね。
「チェレミー様、おはようございます」
お願いしますと口にしようとしたら騎士伯令嬢のハルハリーナ様が訓練服に剣を差して現れた。
「おはようございます、ハルハリーナ様。鍛練ですか?」
「ええ。毎日やっているので日課です」
そうなんだ。お泊まり会では我慢していたのね。悪いことしたわね。
「チェレミー様は、毎日歩いているのですね」
「はい。わたしは健康のために歩いております。血行がよくなるので」
「そ、そうですか。よくなるとよいですね」
なぜか苦笑いをされてしまった。わたし、変なこと言ったか?




