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令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん
第18章

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1011 領主代理マルセス 上

 準備は済ませてある。ビキニも完璧だ。妃候補者のサイズは頭に入っている。魔力も回復して、ガラスの珠の魔力も満タン。使える魔力はコノメノウ様三人分よ!


「チェレミー嬢!」


 玄関まで来ると、ラインフォード様が慌てて駆け寄って来た。どうなさいました?


「すまないが、今日は待機しててくれ。令嬢たちの護衛を捌かなければならんのだ」


 話を聞くと、一人三十人は連れて来たとのこと。八人だと二百四十人? いや、侍女も連れて来たのなら余裕で三百人は越えているってことだ。そりゃ、来るのに時間がかかったわけだわ。


「わかりました。今日は諦めましょう」


 そりゃ、そんなにいたら捌くのが大変だわ。屋敷のキャパもオーバーしていることでしょうよ。


「屋敷内はわたしがなんとか致しましょう」


「それはありがたいが、大丈夫なのか?」


「問題ありません。また大規模魔法を使います」


 前回の大規模浄化魔法の改善点はクリアしてある。あれは他者の思考をフィルターにかけなかったのが悪かったのだ。


「この状況を任されたのは誰かしら?」


「領主代理のマルセス様です」


 あーあの方ね。影が薄くてあまり記憶にはないけど、公爵領の領主代理が無能なわけがない。裏方として優秀な方なんでしょうよ。


「お会いしたいわ。案内して」


「畏まりました」


 すぐにマルセス様のところに案内してもらった。


 大役を受けて張り切っている、ってこともなく、今にも泣きそうな顔だった。


 まあ、わからないではない。大役でもなんでもない。丸投げされたようなもの。目の前のことも捌けていないようだわ。


「わたしのせいでご迷惑をおかけしております。お手伝いさせていただけますか?」


「そ、それはありがたいが、どうにかできるのか?」


「問題ありません」


 グリムワールを出し、拡声器モードにする。


「各家の代表者、もしくは決定権をお持ちの方、ジーヌ家の旗の下までお集まりください。繰り返します。各家の代表者、もしくは決定権をお持ちの方はジーヌ家の旗の下までお越しくださいませ」


 そう呼びかけた。


「マルセス様。ジーヌ家で動かせる者を集めてください。対策部を組織します」


 ミシエリル様も相当焦っていたのね。一報をくれる余裕もなかったのでしょう。


「あ、ああ。十人くらいでよいだろうか?」


「構いません。八家に振り分けられたらよいので」


 八家の者が集まる前にマルセス様のほうが早く、錬金の壺で立て札を作った。


「これを左右に四つずつ地面に刺してください。一人一家の担当になってもらいます」


「チェレミー嬢。来たぞ」


 八家の代表者らしき者が複数人でやって来た。

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