1007 忠誠心 上
「……あなたに預けるしかないのね……」
「はい。わたしは身内を見捨てることは致しませんし、民を見捨てることも致しません。害する者には一歩も引きません。その備えは王都を出た日から進めております。今も進めております。だからタリール様のことも問題だとは思っておりません。いい手が回って来たくらいの感覚ですわ」
ジーヌ家からしたら大問題でも、わたしからしたら粗末な事象。いや、将来の爆乳を手に入れられるのだから僥倖かしら? ラッキーってくらいのことよ。
「ご安心ください。カルディム家にはわたし以外にも嫁がせれる者はおります。ジーヌ家とカルディム家。幸多い関係を結べるよう努力致しましょう」
これだから男どもには励んで欲しいのよね。ナジェスに愛人を作らせるようロリっ娘を教育しないと。貴族は愛情より利を優先するべきなのよ。わたしはおっぱいを優先するけどね! イエス、おっぱい!
「……あなたが言うと、不思議と安心してくるわね……」
「王宮からしたらわたしに預けることは利でもあるのですよ。わたしならコルディーを裏切らないと理解していただいているので」
コルディーへの忠誠心は見せてきた。あれで疑われるのなら王宮は誰も信じていないとか公言しているようなもの。そんなこと、わたしには絶対に言わないし、見せもしないでしょう。
「わたしはコルディーの貴族。コルディーを害なす者は誰であろうと許しませんわ」
それが妖狐だとしても。裏切れば容赦なく屠るわ。
「……やはり、王宮が静かになった理由はあなたなのね……」
「わたしにはわかりませんわ。王宮での重要な記憶は自ら消しましたから」
「き、記憶を失くした?」
「記憶にないので本当に失くしたかはわかりません。ですけど、わたしならやったのだと思います。王宮に楔を打つために。ただ、記憶を失くす前のわたしがなにを打ったかまでわからないのが困ったものです」
たぶん、王宮がわたしの敵になったら記憶が甦るのではないかしら? そのくらい今のわたしでも考えつくのだからね。
「……な、なにをやっているの、あなたは……?」
「すべてはカルディム家を守るためですわ」
貴族として、それ以外なにがあるというのかしら? って目でミシエリル様を見る。おっぱいを手に入れるために家を利用している、って思惑は微塵も見せませんよ。
「だからミシエリル様はジーヌ家を守るために動けばよろしいのです。タリール様がカルディム家に嫁いで来たのなら、それはわたしの思惑となりますので」
親類となれば守るものの一つとなるのだからね。




