1006 お金は大事だよ~ 下
カクカクシカジカバインでボインなことがあったんですよぉ~。ですよっ!
「…………」
これで二度目の説明なのに、体中から生気を失うミシエリル様。なんだか哀れになってきたわね。
貴族、それも公爵ともなれば難しい問題なんて日常茶飯事。それを解決してこそ家を存続できる──なんだけど、これまでにない問題に心が折れそうな感じだ。
「……ど、どうしたらいいの……?」
「王宮に渡す。外国に出す。病気になる。その三つが現実的な答えですね」
ジーヌ家はコルディーに逆らいませんってね。
ただ、王宮側としてもそれを素直に受け入れらるとは限らない。従わせるために力で公爵に膝を折らせたとか知れたら不穏の種にしかならないもの。力で捩じ伏せるにしてもジーヌ家に落ち度がないと逆効果でしかないわ。
「そして、誰も傷つけない提案がカルディム家への輿入れなわけですよ」
ロリっ娘が十八なら第一王子の婚約者へとつけられた。けど、さすがに七歳では無理だ。仮に押し込んでも今のお妃候補者をどうするって話になる。波風立てないように収めるのはわたしでも考えつかないわ。
「他家に、同じ公爵家ではいけないの?」
「どう説明します? 説明を聞いて受け入れてくださる公爵家はいますか? 王宮と渡り合える家なのですか? ジーヌ家ですら今の状態なのに?」
公爵だからと言って王宮とやり合える力を持つ者は少ないわ。上位にいるジーヌ家がこれよ? いたとしても話を聞いたら秒で断るでしょうよ。
「…………」
「タリール様を思って育てたいと懇願すれば十五までジーヌ家で育てることは可能でしょう。ですけど、十五になれば学園に通わなければいけません。王都に行かねばならないのです。そこで、誰がタリール様を守るので? わたしは学園に行ったことがないので確証はありませんけど、いますよね? 学園にも。生徒を監視するために」
王城にいて、王宮にいて、学園にいないなんてあり得ない。必ずいる。監視者が、ね。
「目に浮かびます。タリール様が監視をする者を魅了しているのが。一人、また一人と魅了されて行くのが、ね……」
まあ、入る前にあちらは動いているでしょうけどね。これは仮の話よ。
「これは提案です。受けるも受けぬもジーヌ家次第。わたしは強制はしておりません。これはジーヌ家の問題ですからね」
あまりのことに混乱しているのでしょうね。冷静なら一番よい方法だと思うでしょうに。
「……それしかないねね……」
「そう言って欲しいのならそう言って差し上げますよ。なんならわたしに強要されたことにしても構いません。わたしが一手に引き受けましょう」
将来の爆乳が手に入るのならわたしはどんな敵でも対峙致しましょう。勝利は我に、だ。




