1004 駆け引き 下
「……少し、考えさせてくれ……」
「ええ。少しと言わずじっくり考えてくださいませ。わたしは急ぎも慌てたりもしませんので。公爵様が納得できるかが重要でございますから」
「脅しのように言わんでくれ」
「そう聞こえたのなら申し訳ございません。ただ、聖女に成り得る者がジーヌ家から生まれた。その意味と事実をお忘れなく」
天能や天性などは血ではない。そう言われているけど、血筋や歴史を大切にする貴族がそれをないものと見れないし、名誉とするでしょう。そこまで有害なものではなければ、ね。
マルビオ伯爵家のマリアラ様もそうだ。先見の天能なんて世間に言えたものじゃない。バレたら狙われるし、なにをやっても先見のお陰と陰口を叩かれやっかみを受ける。隠すしかなくなるのよ。
けど、ロリっ娘は、マリアラ様の比ではない。王国を揺るがすほどの災害だ。隠しようもない。王宮は確実に消すでしょうよ。聖女を生ませたジーヌ家も。不安材料をなくすために……。
公爵様もそのことは理解しているでしょう。王城にもっと近いところにいるのだから。
「公爵様が許していただけるのなら、わたしがタリール様をお預かり致しますよ。その力も制御できるように致しましょう」
天能も制御できるのだ、天性だって制御できるはずだわ。わたしの天能、付与魔法も制御できているのだからね。
「チェレミー嬢は恐れはないのか?」
「恐れているのは公爵様のほうではありませんか? 自分の理解を超えた者を相手にしているのですから」
すべてはおっぱいのため、とか見抜ける人がいたら仲良くなれそうな気がするわ。どこかにいないかしら、このおっぱい愛を理解してくれる人……。
「……そう、だな。もう愛らしさの欠片もないバケモノに見えるよ……」
いや、それは失礼でしょ! ちょっとはオブラートに包んでくださいよ!
「残念です。もっと魅力的な体だったら愛らしさが増したと思うのですけど」
やはりバインでボインな体だったら魅了させてあげられたのに。こんな幼児体型ではエロ釣りもできないわ。
「いや、チェレミー嬢はそれでいい。見た目までバケモノになられたらこちらはもはや手の打ちようがない」
バケモノって、わたし、育ったら悪い方向になっちゃうわけ? かなりいい線を行くと思うのだけれど。
「ハァー。タリールのことはお願いする。チェレミー嬢なら上手く片付けてくれそうだからな。婚約のことはなるべく早く答えを出す。わたしの胃が持ちそうにないからな……」
先に髪のほうが持たなさそうだけどね。
「では、わたしは休暇を続け、いえ、お妃候補者とジーヌ公爵領を楽しませていただきますわ」
そろそろおっぱい──お妃候補者たちがやって来る。皆に水着を着させないと。グフュフュ。




