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77:第二の封印解除

 「という訳で、その魔女さんに作ってもらったのがこのブレスレットなの。」


 セレスティアは、カイエルに見えるように腕に付けている、宝飾が少しだけ施されている銀色のブレスレットを見せた。このブレスレットを身に付けていると、死んだように見せかけることができるのだ。


 「顔色は思い切りお化粧したけどね。血色悪い方が寄りそれらしく見えると思って。」


 セレスティアは、いたずらが成功したかのように、無邪気な笑顔だった。カイエルは、不覚にもセレスティアの笑顔に絆されそうになるも、

 

 「な、なんだよ!それじゃ皆で俺を騙したのか?!」


 「馬鹿者!それで済んで良かったのじゃ!」


 アンティエルは、カイエルはわかっていないと、溜息をついた。


 「え?」


 ラーファイルもカイエルに食ってかかった。


 「そうだよ!彼女なんて言ったと思う?『竜の祖でしたら、ギリギリのラインで私を瀕死にすることくらい簡単にできますよね?痛いのはこの際我慢しますので、物理攻撃でも魔法攻撃でもどちらでも構わないのでお願いします。』って言ってたんだよ!そりゃできるけど、僕そんな理由で人を傷つけたくないから、却下したけどさ!」


 「セレスティア・・・そこまで・・・」


 「あ、当たり前でしょ。貴方は私の相棒なのよ?飛竜のいない竜騎士なんてありえないでしょ?」


 セレスティアはカイエルの顔を見続けることができず、照れながらカイエルの目線を外した。だが、カイエルは構わず、ベッドで上半身を起こしているセレスティアにまた抱き着いた。


 「カ、カイエル!」


 また抱きしめられると思っていなかったセレスィアは、驚いて抵抗した。


 「だ、だから、恥ずかしいから離してってば!」


  2回目の抵抗もやはり意味はなく、カイエルはまたもや一切力を緩めなかった。


 「いやだ。」


 「な、なんで・・・」


 カイエルは嬉しかったのだ。自分の為にここまで言ってくれるセレスティアが、そこまでしてくれるセレスティアのことが、堪らないほど愛おしく思えたのだ。


 「セレスィア、俺はもう離れない。絶対にお前の傍にいる。絶対にお前を守るから。」


 カイエルは決心したのだ。何があっても傍にいると、絶対にセレスティアを守り抜くと。


 「ごめんな。俺もう自分を言い訳にはしない。俺の全身全霊を持って、セレスティアを守る!」


 「カイエル・・・・」


 セレスティアはカイエルの真剣な物言いに、抱きしめられた体制をそのままに受け入れた。すると、カイエルの身体が突如青白く光った。


 「カイエル?!」


 カイエルの中で、今まで生きてきた記憶が怒涛の如く、押し寄せていた。

 

 「始まったか・・・」


 「なるほど・・・」

 

 アンティエルとユージィンはカイエルに何が起こったのかわかっているようであった。カイエルはセレスィアを抱きしめたまま、顔を伏せていたが、やがてその光は納まった。


 「カイエル!だ、大丈夫?」


 カイエルは静かにセレスティアの身体をを離したが、代わりにセレスィアの手を握っていた。


 

 「・・・第二の封印が解けたわね。」


 イシュタルの言葉にセレスティアはハッとなり、カイエルに聞いた


 「ど、どう?」


 目を瞑っていたカイエルはゆっくりと瞼を開き、


 「うん・・・思い出した。セレスティア・・・どうして封印されてしまったのかも。」


 「うん・・・」


 「大切なモノを失ってしまったことも。」


 「うん。」


 セレスティアは、きっとエレノアのことを言っているのだろうとわかった。


 「だけど、それはまた別の形に生まれ変わっていることも。」


 「あ、えーと、う、うん。」


 それは自分のことだなとわかってはいるものの、気恥ずかしさが勝ってしまい、少し返事に躊躇してしまった。そんな反応にカイエルは、


 「・・・セレスティア、知ってるんだな?」


 「うん、最近だけどね。えーと私の前世ってこと知りました・・・」


 セレスティアは顔を真っ赤にし目を合わせてられなくなり、明後日の方向を見ていた。

 

 「あぁ。」


 だけどカイエルは、いつにも増して、熱のこもった目でセレスィアを見つめていた。


 「ちょ、ちょっと、顔に穴が開くからそんなに見ないで。」


 「いや、なんていうか二重に喜びがあるっていうか。」


 「カイエル・・・だけど、私はエレノアさんと同じ魂を持っているのかもしれないけれど、彼女ではないのよ。」


 「うん、知ってる。セレスティアはセレスティアだから。」


 「そ、それならいいけど・・・」


 それでも、カイエルは頬を赤らめて、セレスティアの顔を見るのを止めなかった。





 「姉貴達、悪かったな。」


 カイエルは、姉たち三人に頭を下げた。カイエルは記憶が戻り、当時の自分の行動が褒められたものではなかったことを、今になって客観的に見ることができたのだ。今なら自分があの時、『闇』に引っ張られていたことも自覚していた。


 「いいのよ。貴方がわかってくれたのなら、それでいい。それに500年の罰を受けていたからね。わかってると思うけど、封印はあと一つ。だけど、貴方の記憶が戻ったのなら、封印解除の条件は、わかっているわね?」


 「あぁ、わかってるよ。そっちもそんなに時間はかけるつもりはねぇよ。もう遠慮しないからな。」


 カイエルはイシュタルに向かってニヤリと笑った。


 「んふふ、それならまぁいいわ。」


 「くふふふ、セレスティアこれから大変だね。」


 ラーファイルは含みを持たせセレスティアに向かって言ったもののセレスティアにはいまいち伝わっていなかった。


 「??」 


 彼女は恋愛に置いては、経験が皆無であったからである。


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