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46:竜騎士団視察~中編~

 「やぁ」

 

 フェルディナント王子はニコニコとセレスティアに向かって、軽く手を振っていた。


 「本日は、ご指名により案内をすることになりました。セレスティア・ローエングリンです。」


 セレスティアは王子の気さくな態度に応えず、型どおりの敬礼をした。ちなみにご指名とわざわざ言ったのは、セレスティアなりの意趣返しである。


 「僕と君の仲なのに、相変わらずつれないんだね。」

 

 だが、フェルディナント王子はニコニコとして効果は全くなかった。

  

 「どんな仲なのかは存じませんが、あらぬ誤解を招きかねない発言は軍の風紀の乱れに繋がりますので、ご自重いただきたく思います。」

 

 セレスティアのきっぱりと否定しながらも少々きつい物言いに、横から抗議があった。


 「初めての女竜騎士だが知らないが調子に乗りおって!殿下に対してなんだその態度は?!」


 ふと喚いている輩の顔を見ると、どこかで見たような顔だった。赤色の制服を身にまとっているので護衛の近衛騎士であった。


 「殿下直々にお声を掛けていただいているのだぞ!もう少し、「あーもういいから、そういうの。」」


 近衛騎士の男がセレスティアに食ってかかったところを、フェルディナント王子は遮った。


 「し、しかし!」


 「彼女の言う事はもっともだよ。セレスティア嬢ごめんね。以後気を付けるよ。」


 そういうとフェルディナント王子はニッコリとした顔をセレスティアに向けていたが、喚いていた近衛騎士の男はフェルディナント王子に見えないところで、セレスティアに射るような眼差しを向けていた。(あーそういう感情をむき出しにされると不味いなぁ。ましてここは竜騎士団の中なんですけどね。)セレスティアはカイエルには、大人しくしているように、とは注意はしてはいたが、悪意に敏感な彼のことだから、もうきっと気付いているのだろうなと、当たりはつけていた。セレスティアは面倒ではあったが、少し時間を空ければ、怒っている近衛騎士の怒りも静まるかもしれないと思い、各種施設の案内では竜厩舎は最後にしようと決めた。


 「では、ご案内しますので、こちらへ」


 フェルディナント王子と数名の護衛は、魔法鍛錬所・剣闘鍛錬所・会議室など各施設へ案内をして回った。その間はフェルディナント王子も特にセレスティアにちょっかいをかけることもなかった。




 


 「そして最後は、竜厩舎となります。このあと竜騎士同士の模擬戦をご覧いただきますので。」


 「うん、ここを一番の楽しみにしていたよ。就任式では飛竜のパレードは壮観だったからね。」


 「ありがとうございます。飛竜たちは普段は大人しいのですが、人の悪意ある感情には敏感ですので、気を付けてください。」


 「飛竜というのは、そんなこともわかるのかい?凄いなぁ。」


 フェルディナント王子は素直に感嘆していたが、後ろに並んでいたどこかで見覚えある近衛騎士の男はいかにも、そんな訳ないだろ、という表情をしていた。




 そして入るなり竜の厩舎は既に異様な雰囲気であった。飛竜たちは唸っていた。だが、それは、畏怖しているような、そんな唸り声であった。


 「な、なんだ?この感じは・・・?」


 『ギュルルルルル』『グゥウウウウ』


 「セレスティア嬢?ここはいつもこんな感じなのかい?」


 フェルディナント王子も飛竜たちの様子がおかしい事に気付いたようであった。


 「い、いえ何というか、確かに少し様子がおかしいですね?」


 セレスティアも飛竜達の様子がおかしい事に気付いた。ソワソワと落ちつかない様子だったのだ。


 「殿下、申し訳ありませんが、何かあってからでは遅いので、今回はこちらの見学は中止にさせていただきます。」 

 

 セレスティアは今は飛竜たちを刺激しないほうがいいだろうと判断し、竜厩舎の見学は見合わせた。だが、そこへ待ったがかかった。


 「なんだと!一介の竜騎士風情が何を勝手なことを!」


 また先ほどの、セレスティアに突っかかってきた近衛騎士が怒鳴った。セレスティアはまたこいつか、と思ったが説明した。


 「いつもの常態であれば、私も躊躇なく見学していただきますが、明らかに飛竜たちの様子がおかしいからです。何かあった時に私も安全の保証は致しかねるので。」


 「はっ!ま、所詮新人で女だからな!竜騎士等と言ってもたまたま運がよかっただけだろう!使えない女だな!」


 近衛騎士の男は寄りにもよって、カイエルの目の前でセレスティアを罵倒してしまった。セレスティアはカイエルお願いだから出てこないで!と思うと同時にしかりつける声が聞こえた。


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