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45:竜騎士団視察~前編~

  私達は『番』の生体に合わせて化身する。それは時に陸を駆ける馬であったり、海で泳ぐ魚であったりと、都度生体は変わるけれど、中にある魂の輝きは何ら変わることはないから、私達はその色を間違えることはないのだ。そして私達は『番』の言うことに逆らうことは困難であった。それが、道理から外れていたとしてもだ。だが、道理に外れたその時は、私達は抗わなければいけない。


 そう・・・例え『番』を殺すことになったとしても。




 そうして、また再び『番』として巡り合うのだ。

 








 

 「え?フェルディナント王子が??」


 「あぁ、竜騎士の訓練を見学、まぁ視察だね。特に新人竜騎士達を見たいらしい。」 


 「そうですか・・・面倒ですね。」


 「せ、セレスティア・ローエングリン!」


 「申し訳ありません。つい本音が。」


 今、団長室には、団長のユージィンと副官のライモンド、そしてセレスティアの三人だったため、ついセレスティアは本音が出てしまったのだが、ライモンドに窘められた。だが注意を受けたのも関わらず、表情は変わることなくシレっとしていた。


 「そうだね、こちらとしても厳重体制をしかないといけないからね。正直なところ王子個人の興味本位で見にこられるのは僕も不本意ではあるけど、まぁこれも給与の内だからね、仕方ない。」


 「だ、団長!」


 ユージィンまでもが、歯に衣着せぬ物言いにライモンドは窘めたが、セレスティアは吹き出しそうになるのを堪えていた。


 「で、あとで、全体には通達するけれど、セレスティアには、個別にお願いしたいことがあって来てもらったんだ。というか、嫌だと思うけれど、王子直々のご指名なものでね。」


 瞬時にセレスティアは不本意な内容であろうと理解した。 


 「君に案内役をお願いしたいとのことだ。」


 「・・・・・」



 セレスティアは嫌すぎて、無言になってしまった。


 「セレスティア・ローエングリン返事は?」


 ライモンドが言うと、セレスティアは大きく溜息をした。


 「案内役、謹んでお受けいたします。」

 

 嫌々ではあるが、上司命令とあらば、引き受けるしかないと思い、セレスティアは返事した。


 「よし、ならば行っていいぞ。」


 ライモンドが退出を促すと、


 「はい、それでは失礼いたします。」


 セレスティアは敬礼をし、団長室を後にした。 

 

 

   

 「はぁ~ユージィン団長、セレスティア・ローエングリンは、何というか・・・」


 「ん?何か問題でも?」


 ユージィンとしては、特に思い当たることもなかったので、ライモンドが訝しむ理由がよくわからなかった。


 「大ありでしょ!王子直々の申し出なのに、あからさまに嫌そうだったじゃないですか?!」


ライモンドは、セレスティアの気のない返事に憤っていた。


 「だって嫌だからでしょ?」


 ユージィンはセレスティアの気持ちは知っていたので、さも当然といった様子だった。


 「王族ですよ!!何度も言いますが、王子直々なんですから!」


 「だから?」


 「あ~嫌って、違うでしょ!普通は名誉なことなんですよ!王族と絡むことなんで、普通はそうそうないんですよ!」 


 「それはライモンドだからでしょ?」

 

 「一般はそうなんです!」


 「う~ん、それはどうだろうね~。そういう機会を有りがたいと思う人もいれば、僕やセレスティアにように、疎ましく思う輩もいるからねぇ。一概には言えないよ。」


 「そ、それはそうかも知れませんが。」


 ユージィンまでが否定的であると、ライモンドも流石に自分の考えを突き通す訳にはいかなかった。


 「だろ?まぁ彼女は別事情もあるから余計に嫌なんだよ。」


 「え?どういう意味ですか?」

 

 ライモンドはセレスティアがフェルディナント王子から、婚約を希望されていることは知らなかったのである。ユージィンは番の話はせずに、それ以外をライモンドに伝えた。



 

 「・・・なるほど、そういう経緯があったんですね。」


 「まぁ、向こうは少しでもセレスティアとお近づきになりたいのだろうけど。仕事場でやられるのは堪ったもんじゃないよね。」 

 

 「はぁ、確かにそうですね。」


 ライモンドは、ユージィンとセレスティアの言い分に納得もしつつも、普通は王族に見初められるなど、至極光栄だと思うのだが、誰しも手放しで喜ぶものではないのだなと、痛感したのであった。


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