表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

戦闘力0の俺がこの世界で生き残るためには 〜年上のお姉さん達とのイチャラブおねしょたスローライフ〜

作者: ユーリ

「残念だけど、君の中から魔力は感じられないわ」


 4歳の時、魔力検査をしてくれたお姉さんからそう告げられた。

 魔力が発動するのは一般的に4歳までとされており、それ以降、その者に魔力が宿る事はない。

 10人に1人、100人に10人、1000人に100人の割合で、僕と同じように魔力が発動しない者がいるそうだ。




「残念だが、神から与えられたスキルはないようだ」


 7歳の時、スキルの鑑定をしてくれる司祭様からそう告げられた。

 この世界では誰しもが7歳を迎えると、神殿に向かい、司祭様よりスキル天恵の儀式をして頂く。

 天上の神様からスキルを頂けるのは100人に1人とされていて、スキルの希少価値が高ければ割合は少なくなる。




「ごめんね……。何も与えてあげられなくてごめんね……」


 12歳の時、母は突然の病に倒れた。

 生まれた時から病弱であった僕を、女手一つでここまで育ててくれた母様には、感謝しかない。

 そんな母様が亡くなる時も、僕にはどうする事もできなかった。



 病弱で、魔力もなく、スキルもない……。

 魔獣や魔物が蔓延るこの世界では、それはとても致命的で……とても残酷なものである。

 僕はこの世界で生きるために、1つの決断を下す。


「行くのか、レオン」


「はい、村長。今までお世話になりました」


 僕は住み慣れた村から離れ、王都に行く事となった。

 ここでの生活はとても穏やかで、僕にとっては愛おしい思い出ばかりだったけど、生きるためには働き、お金を稼いで、ご飯を食べなければならない。

 幸いにも母様の伝手を頼って、王都での働き口を得る事ができた。


「いつでも帰ってきなさい。家もお墓もそのまま残して置くからな」


「ありがとうございます」

 

 村では若い人がどんどん減っている。

 このままではそう遠くない未来、村での生活が立ちいかなくなってしまう。

 そのためにも僕はお金を稼いで、いつの日か、この人たちに恩返しがしたい。

 だからこそ、まずは自分の事をどうにかするのが先だと思う。

 僕は見送りに来てくれた村の人たちに手を振り、生まれ育った村を後にした。






 それから2ヶ月近くたった日、僕はようやく王都の入り口に立っている。

 道中も体調を崩す事なく過ごせたのは、運が良かったと言えるだろう。


「うわぁ!」


 大きな建物に、街を歩く多くの人達。

 僕は初めての王都の街並みに驚愕した。


「え、えぇっと、まずは紙を広げてっと……」


 手紙に同封された一枚の紙を広げると、あれよあれよという間に一羽の鳥の形に折り込まれていく。

 この紙には、手紙を送ってくれた人の魔法が付与されており、僕を目的の場所へと連れて行ってくれるそうだ。

 僕は人にぶつからないように、とことことその後をついて行く。


「ここかな?」


 紙の鳥は、商店街の角地あるお店の二階の窓から、部屋の中に入って行った。

 玄関に付けられた呼び出しのベルを鳴らすと、2階から女性の声が聞こえて来る。


「ごめんなさい、窓から鍵を落とすから、2階まで上がって来てもらえるかしら……」


「は、はい!」


 窓からすらりと白い手が伸びると、指先で摘んでいた鍵をストンと落とした。

 僕は地面に落ちた鍵を拾い上げ、お店の玄関扉を開ける。


「お邪魔します……」


 お店の中にはいると、入り口や中央の棚には色々な雑貨が置かれていた。

 窓がある右側には、椅子やテーブルが設置されていて、10人以上は座れるのではないだろうか。

 カウンターの上には、日持ちのする缶に入った食べ物や茶葉の袋が並び。

 カウンターの奥には、瓶詰めされたお薬や魔法道具などが確認できる。

 僕は部屋の左側にある階段から、家主の待ち受ける2階へと登る。


「こっちよ」


 2階に上がると、4つある部屋の1つから、先ほどの女性の声がした。

 ノックすると部屋の中に案内されたので、緊張した面持ちでノブを回す。


「し、失礼します」


 部屋の中に入ると、ベッドの上に腰かけた妙齢のお姉さんが、優しく僕に微笑みかけてくれた。

 窓から差す陽の光が、彼女の黄金色の髪をキラキラと輝かせる。


「ようこそ、レオンくん、貴方が来るのを待っていたわ」


「はじめまして、リーナさん、今日からお世話になります」


 落ち着いた印象のリーナさんは、10年以上前に母様と一緒に冒険した仲間の1人である。

 その時に稼いだお金で、今は冒険者を引退して、ここ王都でお店を開店したと聞きました。


「アデリッサさんの事は残念だけど、こうやってレオンくんに会えて嬉しいわ」


「僕もです、ずっとリーナさんと会ってみたいと思っていました」


 母の死後に、リーナさんから手紙が送られてきたのをきっかけで、僕たちは手紙をやりとるすることとなった。

 手紙をやり取りするうちに、僕の事情を知ったリーナさんが、王都に来るように誘ってくれたのが、今回のきっかけである。


「それと、ごめんなさいね、本当は下で出迎えるつもりだったのだけど、今日は足の調子がちょっとね……」


 リーナさんは足首をさする。

 話を聞くとリーナさんが冒険者を引退したのは、この怪我がきっかけだったそうだ。


「今日はお店がお休みなので、ここでの仕事は明日からになるけど大丈夫かな?」


「はい! 今日からでもいけます!!」


 元気よく返事をすると、リーナさんはクスッと笑った。


「あらあら、頼りにさせて貰うわね」


 リーナさんの反応をみて、前のめりになり過ぎた事が恥ずかしくなった僕は、顔を赤くした。


「それじゃあレオンくんの部屋だけど、私の隣の部屋になるけど大丈夫かな?」


「大丈夫です、部屋までお世話になって、申し訳ないです……」


 出稼ぎに出ようとしても、僕には元手になるお金があまりない。

 その点、ここは住み込みだし、食事だって出る。

 これ以上の待遇はないと、リーナさんのお誘いに僕は即決した。


「いいのよ、ところで、そのフードは取ってくれないのかしら」


「あっ!」


 ここしばらく、移動のためにずっとフードを被っていたせいか、被りっぱなしだった事にも気がつかなかった。

 僕は慌てて、外套についていたフードを、ストンと後ろに落とす。


「まぁ! 綺麗な髪の色……」


 リーナさんはうっとりとした表情で、僕の髪を優しく撫でる。


「それにレオンくんの瞳の色、宝石みたいでとても素敵よ」


 愛おしそうに僕の目尻に触れるリーナさんと目が合う。

 僕は恥ずかしさから少し俯いた。


「あ……ありがとうございます」


「……私ったら、色々と触っちゃってごめんなさいね」


 顔を赤くした僕につられたのか、リーナさんも照れた表情を見せる。


「き、気にしないでください……僕のでよかったら、何時でも触ってくれていいですから」


「ふふ、ありがとう」


 お互いに顔を見合わせクスリと笑う。


「あぁ、それと食事とお風呂の説明しておくね」


「はい!」


 その後、僕はリーナさんから必要な説明を受けた後、荷物を置きに部屋へと入った。

 部屋の中にはベッドやクローゼット、本棚やテーブル、椅子などが既に揃っていて、家具を新たに揃える必要はないみたい。

 僕は食事まで一休みしようとベッドに倒れこむ。

 しかし、思ったより旅の疲れがあったのか、僕はそのまま眠りこけてしまった。




 その日は懐かしい夢を見た。

 小さい子供の頃の夢で、母様の手の中で抱きかかえられていた頃の懐かしい記憶。

 きっとこの夢は、夢の中だけのもので、朝になれば忘れてしまう、そういう儚いものであった。


「んっ」


 心地の良い暖かな夢の中で、母様とは違う匂いに鼻がくすぐられる。

 その差異が、僕の意識を夢の外へと引っ張り上げていく。


「ん……んん……」


 自分より少し高い体温に包まれ、しっとりとした肌が僕の肌に吸い付く。

 夢の中とは違う、より生々しい感覚に、僕の意識は急速に覚醒していった。


「ん?」


 意識が立ち上がっていくのと同時に、先ほどまでぼやけていた視界の焦点が定まっていく。

 すると僕の目に、黒のレースやフリル、リボンがついた布地が飛び込んできた。


「えっ?」


 目がさめると、下着を纏っただけの扇情的な身体付きの半裸の女性が、僕を抱きかかえて眠っていた。

 夢の中で見た母様でもない、昨日出会ったリーナさんでもない、紫に近い青みがかった髪の大人の女性。

 理解が追いつかない僕の叫び声が王都に響く。


「エッ? えぇぇぇえええええ!」


 こうして僕の王都での新しい生活が始まった。






登場人物紹介


レオン

 主人公、12歳(14歳にしようか思案中)、父親には会ったことがない。

 銀髪赤目の虚弱体質、スキルなし、魔力なし。

 週7日のうち、2日が休み、3日がリーナの手伝い、残り2日はリーナの紹介で別のお仕事。

 貴族のお屋敷でお嬢様の下働き、教会でシスターのお手伝い、冒険者ギルドの受付のお姉さんの補助など。


リーナ

 金髪の美人なお姉さん、何でも屋の店主。

 レオンの母の冒険者仲間、レオン母よりは年下で、レオンより一回り以上の年齢差で思案中(20代後半〜30歳前半の間)。

 冒険者時代の職業は、アーチャー兼マジックキャスター。

 お店では業務の全般を担っている。


ウルスラ

 紫に近い青みがかった髪の、扇情的な体つきの大人の女性。

 リーナと同い年か、それよりちょい上で思案中(20代後半〜30代前半の間)。

 冒険者でマジックキャスター、部屋を貸してもらう代わりに、リーナの店でお手伝いをしている。

 お店の仕事では、魔法道具の製作、魔法薬の生成といった裏方の仕事から、店番も担当。



※本作は基本的に冒険しません。

 レオンがお金を稼いで生活を豊かにし、年上のお姉さん達と日々イチャコラするだけのお話です。

 お読みいただきありがとうございます。

 単純におねショタ、おばショタ書きたいだけです、それ以外はありません。

 ほかに登場するのお姉さん達は、シスター、受付嬢、ご令嬢あたりです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ