戦闘力0の俺がこの世界で生き残るためには 〜年上のお姉さん達とのイチャラブおねしょたスローライフ〜
「残念だけど、君の中から魔力は感じられないわ」
4歳の時、魔力検査をしてくれたお姉さんからそう告げられた。
魔力が発動するのは一般的に4歳までとされており、それ以降、その者に魔力が宿る事はない。
10人に1人、100人に10人、1000人に100人の割合で、僕と同じように魔力が発動しない者がいるそうだ。
「残念だが、神から与えられたスキルはないようだ」
7歳の時、スキルの鑑定をしてくれる司祭様からそう告げられた。
この世界では誰しもが7歳を迎えると、神殿に向かい、司祭様よりスキル天恵の儀式をして頂く。
天上の神様からスキルを頂けるのは100人に1人とされていて、スキルの希少価値が高ければ割合は少なくなる。
「ごめんね……。何も与えてあげられなくてごめんね……」
12歳の時、母は突然の病に倒れた。
生まれた時から病弱であった僕を、女手一つでここまで育ててくれた母様には、感謝しかない。
そんな母様が亡くなる時も、僕にはどうする事もできなかった。
病弱で、魔力もなく、スキルもない……。
魔獣や魔物が蔓延るこの世界では、それはとても致命的で……とても残酷なものである。
僕はこの世界で生きるために、1つの決断を下す。
「行くのか、レオン」
「はい、村長。今までお世話になりました」
僕は住み慣れた村から離れ、王都に行く事となった。
ここでの生活はとても穏やかで、僕にとっては愛おしい思い出ばかりだったけど、生きるためには働き、お金を稼いで、ご飯を食べなければならない。
幸いにも母様の伝手を頼って、王都での働き口を得る事ができた。
「いつでも帰ってきなさい。家もお墓もそのまま残して置くからな」
「ありがとうございます」
村では若い人がどんどん減っている。
このままではそう遠くない未来、村での生活が立ちいかなくなってしまう。
そのためにも僕はお金を稼いで、いつの日か、この人たちに恩返しがしたい。
だからこそ、まずは自分の事をどうにかするのが先だと思う。
僕は見送りに来てくれた村の人たちに手を振り、生まれ育った村を後にした。
それから2ヶ月近くたった日、僕はようやく王都の入り口に立っている。
道中も体調を崩す事なく過ごせたのは、運が良かったと言えるだろう。
「うわぁ!」
大きな建物に、街を歩く多くの人達。
僕は初めての王都の街並みに驚愕した。
「え、えぇっと、まずは紙を広げてっと……」
手紙に同封された一枚の紙を広げると、あれよあれよという間に一羽の鳥の形に折り込まれていく。
この紙には、手紙を送ってくれた人の魔法が付与されており、僕を目的の場所へと連れて行ってくれるそうだ。
僕は人にぶつからないように、とことことその後をついて行く。
「ここかな?」
紙の鳥は、商店街の角地あるお店の二階の窓から、部屋の中に入って行った。
玄関に付けられた呼び出しのベルを鳴らすと、2階から女性の声が聞こえて来る。
「ごめんなさい、窓から鍵を落とすから、2階まで上がって来てもらえるかしら……」
「は、はい!」
窓からすらりと白い手が伸びると、指先で摘んでいた鍵をストンと落とした。
僕は地面に落ちた鍵を拾い上げ、お店の玄関扉を開ける。
「お邪魔します……」
お店の中にはいると、入り口や中央の棚には色々な雑貨が置かれていた。
窓がある右側には、椅子やテーブルが設置されていて、10人以上は座れるのではないだろうか。
カウンターの上には、日持ちのする缶に入った食べ物や茶葉の袋が並び。
カウンターの奥には、瓶詰めされたお薬や魔法道具などが確認できる。
僕は部屋の左側にある階段から、家主の待ち受ける2階へと登る。
「こっちよ」
2階に上がると、4つある部屋の1つから、先ほどの女性の声がした。
ノックすると部屋の中に案内されたので、緊張した面持ちでノブを回す。
「し、失礼します」
部屋の中に入ると、ベッドの上に腰かけた妙齢のお姉さんが、優しく僕に微笑みかけてくれた。
窓から差す陽の光が、彼女の黄金色の髪をキラキラと輝かせる。
「ようこそ、レオンくん、貴方が来るのを待っていたわ」
「はじめまして、リーナさん、今日からお世話になります」
落ち着いた印象のリーナさんは、10年以上前に母様と一緒に冒険した仲間の1人である。
その時に稼いだお金で、今は冒険者を引退して、ここ王都でお店を開店したと聞きました。
「アデリッサさんの事は残念だけど、こうやってレオンくんに会えて嬉しいわ」
「僕もです、ずっとリーナさんと会ってみたいと思っていました」
母の死後に、リーナさんから手紙が送られてきたのをきっかけで、僕たちは手紙をやりとるすることとなった。
手紙をやり取りするうちに、僕の事情を知ったリーナさんが、王都に来るように誘ってくれたのが、今回のきっかけである。
「それと、ごめんなさいね、本当は下で出迎えるつもりだったのだけど、今日は足の調子がちょっとね……」
リーナさんは足首をさする。
話を聞くとリーナさんが冒険者を引退したのは、この怪我がきっかけだったそうだ。
「今日はお店がお休みなので、ここでの仕事は明日からになるけど大丈夫かな?」
「はい! 今日からでもいけます!!」
元気よく返事をすると、リーナさんはクスッと笑った。
「あらあら、頼りにさせて貰うわね」
リーナさんの反応をみて、前のめりになり過ぎた事が恥ずかしくなった僕は、顔を赤くした。
「それじゃあレオンくんの部屋だけど、私の隣の部屋になるけど大丈夫かな?」
「大丈夫です、部屋までお世話になって、申し訳ないです……」
出稼ぎに出ようとしても、僕には元手になるお金があまりない。
その点、ここは住み込みだし、食事だって出る。
これ以上の待遇はないと、リーナさんのお誘いに僕は即決した。
「いいのよ、ところで、そのフードは取ってくれないのかしら」
「あっ!」
ここしばらく、移動のためにずっとフードを被っていたせいか、被りっぱなしだった事にも気がつかなかった。
僕は慌てて、外套についていたフードを、ストンと後ろに落とす。
「まぁ! 綺麗な髪の色……」
リーナさんはうっとりとした表情で、僕の髪を優しく撫でる。
「それにレオンくんの瞳の色、宝石みたいでとても素敵よ」
愛おしそうに僕の目尻に触れるリーナさんと目が合う。
僕は恥ずかしさから少し俯いた。
「あ……ありがとうございます」
「……私ったら、色々と触っちゃってごめんなさいね」
顔を赤くした僕につられたのか、リーナさんも照れた表情を見せる。
「き、気にしないでください……僕のでよかったら、何時でも触ってくれていいですから」
「ふふ、ありがとう」
お互いに顔を見合わせクスリと笑う。
「あぁ、それと食事とお風呂の説明しておくね」
「はい!」
その後、僕はリーナさんから必要な説明を受けた後、荷物を置きに部屋へと入った。
部屋の中にはベッドやクローゼット、本棚やテーブル、椅子などが既に揃っていて、家具を新たに揃える必要はないみたい。
僕は食事まで一休みしようとベッドに倒れこむ。
しかし、思ったより旅の疲れがあったのか、僕はそのまま眠りこけてしまった。
その日は懐かしい夢を見た。
小さい子供の頃の夢で、母様の手の中で抱きかかえられていた頃の懐かしい記憶。
きっとこの夢は、夢の中だけのもので、朝になれば忘れてしまう、そういう儚いものであった。
「んっ」
心地の良い暖かな夢の中で、母様とは違う匂いに鼻がくすぐられる。
その差異が、僕の意識を夢の外へと引っ張り上げていく。
「ん……んん……」
自分より少し高い体温に包まれ、しっとりとした肌が僕の肌に吸い付く。
夢の中とは違う、より生々しい感覚に、僕の意識は急速に覚醒していった。
「ん?」
意識が立ち上がっていくのと同時に、先ほどまでぼやけていた視界の焦点が定まっていく。
すると僕の目に、黒のレースやフリル、リボンがついた布地が飛び込んできた。
「えっ?」
目がさめると、下着を纏っただけの扇情的な身体付きの半裸の女性が、僕を抱きかかえて眠っていた。
夢の中で見た母様でもない、昨日出会ったリーナさんでもない、紫に近い青みがかった髪の大人の女性。
理解が追いつかない僕の叫び声が王都に響く。
「エッ? えぇぇぇえええええ!」
こうして僕の王都での新しい生活が始まった。
登場人物紹介
レオン
主人公、12歳(14歳にしようか思案中)、父親には会ったことがない。
銀髪赤目の虚弱体質、スキルなし、魔力なし。
週7日のうち、2日が休み、3日がリーナの手伝い、残り2日はリーナの紹介で別のお仕事。
貴族のお屋敷でお嬢様の下働き、教会でシスターのお手伝い、冒険者ギルドの受付のお姉さんの補助など。
リーナ
金髪の美人なお姉さん、何でも屋の店主。
レオンの母の冒険者仲間、レオン母よりは年下で、レオンより一回り以上の年齢差で思案中(20代後半〜30歳前半の間)。
冒険者時代の職業は、アーチャー兼マジックキャスター。
お店では業務の全般を担っている。
ウルスラ
紫に近い青みがかった髪の、扇情的な体つきの大人の女性。
リーナと同い年か、それよりちょい上で思案中(20代後半〜30代前半の間)。
冒険者でマジックキャスター、部屋を貸してもらう代わりに、リーナの店でお手伝いをしている。
お店の仕事では、魔法道具の製作、魔法薬の生成といった裏方の仕事から、店番も担当。
※本作は基本的に冒険しません。
レオンがお金を稼いで生活を豊かにし、年上のお姉さん達と日々イチャコラするだけのお話です。
お読みいただきありがとうございます。
単純におねショタ、おばショタ書きたいだけです、それ以外はありません。
ほかに登場するのお姉さん達は、シスター、受付嬢、ご令嬢あたりです。