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オルビステラリム神話第一節
この世界は『神の種子』によって成形されている。
この世界は『神』と『天使』によって育まれている。
神より授かった第一の種子は天使の手により、虚空の闇に植えられた。
そしてそれは天と地を生み出した。
次に第二の種子を天と地に植えると、天には太陽と雲、地には海と山々が芽生えた。
次に第三の種子を、その次には第四の種子を。
彼らは繰り返すように、次々と幾数もの種子を植えていく。
その度に新しい理が生まれていく。
作り終えた世界。
それはあまりにも豊かで実りある美しい世界だった。
最後に神は自らの手で第三百の種子を植えられた。
大切に大切に、守られながらその種子は育てられた。
こうして我々は生まれた。
この世界は神の為にでも、天使の為に作られたのではない。
この世界は我々――『人間』の為に善良なる神によって作られた世界なのだ。
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『オルビステラルム神話第一節』
翻訳:民俗学者 フローリティ・サルタリス