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ラーメン屋

作者: 入間秋生

近所のラーメン屋がつぶれた

厳密にいえばその場所は、今もラーメン屋なのだが店が変わったのだ。


その場所は二年契約なのか、二年程度で店が変わる。

その店の前もラーメン屋で、その前もラーメン屋だった。

その前は知らないがきっとラーメン屋だったのだろう。


つぶれてしまったラーメン屋。

私はその店が好きだった。


地味な看板。

内装は以前の店とほとんど同じ。

奥にTVが置いてあり、たまにビールを片手にTVの前に居座るおっさんがいたりして、

さびれたラーメン屋感が充満している。

TVがついていない時には、ラジオが流れている。

AMだ。


最近多いおしゃれなラーメンや、こだわりのラーメン、といった雰囲気はひとかけらもない。


店主は早期退職で、夢だったラーメン屋をオープンしました、と言う感じのおじさん。

前職は事務や経理などの、内勤だったのではないだろうか。

接客が下手だ。


さらにまずいことに、ビールもお冷も同じ小さなグラスで

しかもそのコップには水滴が残っていたりする。


残念な店だ。

そう。味以外は。


透明度の高いスープは、鶏と豚の合わせ出汁で丁度よい塩加減。

麺は私好みの縮れ細麺。

トッピングはシンプルに、白髪ねぎとメンマ、そしてチャーシュー。

メンマとチャーシューは、薄味のスープの味を壊さない上品な味付け。


おいしい。

ラーメン好きであちこち食べに行っている私だが、都内の有名店にも引けを取らない味だと思っている。

まぁ単純に私好みなだけかもしれないが。


しかし。

本当に味以外は残念な店なのだ。

トッピングも美しくない・・・


食べながらいつも

内装、トッピング、コンセプトなんかを一度私にやらせてくれないか!?

と思っていた。


好きな店には繁盛してほしいのだ。

繁盛してくれなければ、つぶれてしまうじゃないか。

私の好きな店は、結構よくつぶれるんだ。(味覚音痴で見る目がないのかもしれない)


そしてやはりつぶれた。

久しぶりにあのラーメンが食べたくて仕方がない。



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