第三話 本当
不定期ながらはやめに出させてもらいます!
意外と鮮明に覚えているもので寝て起きても忘れることは当然できなかった
とても怖かった
神益があんなに力を持っていたなんて
いつか自分もあんなふうになるのではないか
不安だけが積もっていく中、ちょっとした嬉しさもあった
「守ってくれた…」
肩にできた傷をさすりながらぬくもりを確かめながらそうつぶやいた
能力《契約》
指定の人間が突如とてつもない力を得たとき、保証人及び契約者としてむすぶことができる。だが契約者が死ぬと契約したものも消滅するため危険度は低い
単体では意味をなさないものの最強の個体を短時間で作ることができるので昔はとても重宝された能力。
その後《契約者狩り》が起こり多くの契約者が死亡した
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翌朝
「どうだ?決心はついたか?」
「いいえ…もう少し時間をいただけないでしょうか?」
「ゆっくり考えな」
「じっ…神益…」
「うん?」
「今日…ちょっと買い物行かない?…あの出来事でちょっと服がボロボロでさ…」
「かまわ…ないけど」
申し訳なかった
あの時何をしでかしたか記憶が全くないからその分怖かった
謝るチャンスも欲しかったし断るわけにもいかなかった
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ついたのは大型ショッピングモールだった
おしゃれな店も最近増えてきて買い出しにはもってこいのところだ
「あそこにいこ!」
最近の女の子の服はどこかかっこいい
そしてどこかいじらしい
試着して見せた姿に感想を聞かされるがこの手は意外と慣れている
感想というのは一通りじゃだめだ
それこそ陳腐な言い回しじゃいけない
ある程度特徴をつかんで言うのがコツである
有意義な時間だった
なぜか心が弾んでこれからくる運命のことなど想像もできない
「どうしたの?なんか悲しそうだよ?」
「あの時のことを覚えていないんだ…きっとなにかしたんだってことはわかっているのに」
「ううん…私は守ってもらっただけだよ」
「でも…」
実際にあいつらに喧嘩吹っ掛けたのは自分だし…
そういおうと思った
でも奏の目がそれを言わせなかった
静かにたたずむそんな時間過ぎてほしくはないがいつかは終わる
時を止めることができたのならなにをするだろう
「よしっ今度は神益の服だよ!」
「えッ…」
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あげいん 冬馬サイド
「あの…ライズさん…なんで彼の能力がわかったんですか?それになぜ能力が発現するのかを予測できているのも不自然だ」
聞いちゃいけないのかもしれない。でもこれから俺らを導き、従わせる存在だ。
聞かなきゃいけない
「私の能力だ」
簡素に、慣れているように、ごまかすようにそう言った
「…」
「悪いな…じきにわかる」
カラン♪
「さっそく帰ってきたみたいだ」
話をそらすように神益を向かい入れた
「…」
この男何か大きなものを隠している
じきにわかるとは…一体…
「奏、決意は決まったのか?」
奏は神益を見てうなずいた
「はい」
「では意思を聞かせてもらおうか」
ライズは何かを察しているかのような目で問いかけた
奏は少し躊躇って言った
「入りません」
神益もうなずいてた
ライズは目をつむり「やっぱりなと言い」うなずいた
俺だけがわからなかった
奏はまぶしい笑顔でこう言った
「契約者ならみなさんの新たな攻撃される原因にもなりかねませんしw」
「そうだなw」
「それでいいんですか?ライズさん」
「ああ…彼女が選んだ道なのだから」
そういってから奏を睨むように言った
「そのかわり命の保証はできないがな」
次回、襲撃される神益を救えるのは奏だけ。
奏の能力《契約》の真髄とは
そして神益の能力《堕天》のパワーとは……