3、実際に作ってみよう!
前回に続き、キャラメイクです。今回は対話形式でキャラメイクの実際的な手順を見てみたいと思います。
対話形式というのは、雑誌や新聞にあるインタビュー記事とほとんど同じものです。まず頭に発言者の名前が記され、括弧なしで発言内容を記していきます。キャラクターのセリフには括弧をつけて区別する場合が多いです。セリフとセリフの間の地の文に、時折り説明や図面を挟みつつ、セッションの内容を読み物として書き起こしたものを「リプレイ」と呼びます。
Dちゃん:ねぇ、そんなことどうでもいいから早くキャラ作ろうよ~! さっきから待ってるんだから!!
KP(キーパー):おやおや、せっかちさん。今日は『クトゥルフTRPG』のキャラを作ってもらうよ。どのくらいこのゲームについて知ってる?
Dちゃん:魔法で他人の精神を破壊して、操って、ウマウマするゲーム♪
KP:ずいぶん偏ってる知識だなぁ(苦笑)。まぁ、いいでしょう。そういうゲームでもありますが、ホラーやパニック映画を思い浮かべていただければまず間違いないですよ。では、さっそく……
Dちゃん:はいはい! 私、いたいけな幼女を洗脳してラブラブしたいので魔法ちょうだい! あとね~、せっかくだから超美人でスタイル抜群で、お金持ちでぇ……
KP:ストップ! このゲームはね、ランダムで年齢や資産、第一印象まで決まっちゃうからね。体の大きさや丈夫さもね。だから、思い通りになるとは限らないんだよ。それと、魔法はゲームの中で手に入れてね。
Dちゃん:そうなのぉ?
KP:そうですよ。他のゲームだってなんだって、不自由な部分というものはありますから。全部は思い通りにはなりませんが、できるだけ希望には沿いますから。
Dちゃん:ふ~ん。じゃあ、それでもいいや。ダイス、ダイス出して! いっぱい振るから~!
こんな具合で、PCはできあがっていきます。実際にサイコロを手に取ってコロコロしていくのはとても楽しいです。インターネット上の無料アプリケーションを用いて乱数を出すときも、ダイスの転がる音が出るアプリがあるので私は積極的にそちらを使います。音を聞くだけで楽しくなるんですよね。
さて、ここでダイスの数や種類の書き表し方を少々解説しておきます。TRPGにおけるやり取りでは、PCが啖呵を切ったり、決め台詞を言ったりというものに大きく時間を割いています。即興演劇のような楽しさを追い求めているわけですね。打って変わって、ルールに沿って「挑戦した物事の成功/失敗」を決めるときにはサッと済ませてしまいます。ですので、符丁のような短いやり取りをするのですね。初めて聞いた時にはまったく意味が分からないはずです。
例)KP:筋力の値を決めるために3D6してね。
はい、ここです、ここ! 3D6ってなんでしょうね?
これは「六面体を三個振ってください」という意味なんです! 最初の数字がダイスの数、Dに続く数字が乱数の母体となるダイスの種類です。3D6ということは、三から十八までの中でランダムに値が出るわけですね。ちなみに読み方は「さんでぃーろく」です。
数字を入れ替えて2D6にすれば「六面体を二個」、3D8にすれば「八面体を三個」ということですね。符丁なので英日入り乱れており、1D6の言い方は「わんでぃーろく」だったりします。いちでぃーろくってほら、言いにくいじゃないですか……。
Dちゃん:ねぇGMぅ、筋力決まったよ~。
KP:クトゥルフなので気軽に「キーパー」と呼んでください。もちろんGMでもいいんですけどね。
Dちゃん:じゃあKP、筋力14だって。これってどうなの? 良い? それとも悪い?
KP:良いですよ! 6が二つも出てるじゃないですか。3D6の期待値は十ですからね。良かったですね!
Dちゃん:筋力ってつまり、筋肉でしょう? ムキムキじゃ~ん。やだぁ~~。
KP:細くっても力持ちっていますよ、大丈夫、気にしない気にしない!
Dちゃん:体力10、精神力13、敏捷性……1と2と4!? 低い! 低いよね!? だって7だよ~~?
KP:(ゲームに支障が出る程度じゃないからなぁ。POWなら振り直しも認めたんだけど)まぁまぁ、良い出目も悪い出目もあるもんですよ。大丈夫、ちょっと動作と足が遅いだけです。
Dちゃん:むぅ~。じゃあ、外見は……10かぁ。体格も知性も低めだね~。あ、この、教育ってやつは?
KP:(それぞれ12と11、と)EDU、エデュケーションというのは、学業に専念した年数を表します。それが17ということは、日本人なので6を足して23歳ってことですね。
Dちゃん:就職できてれば社会人一年生かな~。それで、年収・財産は……三千万円!?
KP:おお、17。ほぼ最大値! 良い出目ですね、これで決まるのは年末と、今すぐ動かせる財産なんです。普段は財産の十分の一程度をお財布に入れていてもらうんですけど。
Dちゃん:財産、一億五千万円って書いてあるんだけど。
KP:じゃあ、いざとなったらその額を銀行から下ろして使っていいですよ。いやぁ、豪気なお小遣いですね!
Dちゃん:ええええ~~!? 正気なの……(困惑)?
KP:あはは、まだ正気を試される段階じゃないですよ。……と、いうわけでDちゃんのキャラクターは23歳の大金持ちで、しかもSTRとSIZの合計値が25以上なのでダメージボーナスがあります。あなたのPCにぶん殴られると普通の人より痛いです。
Dちゃん:ひょええ~。これじゃ、か弱い女の子じゃないよ~~! 見た目も悪いし~。
KP:見た目は期待値ですよ。普通クラスです。体格は細い、もしくは低いなので財産と合わせればモテモテだと思いますよ~? それで、男性にします? 女性?
Dちゃん:この筋肉……ううぅ、男にする! それで可愛い女の子はべらすの、いっぱい!
KP:それじゃ、名前決めたらひとまず休憩ってことで。
Dちゃん:は~い! 名前はね~、タクミくんにする。よろしくね~ん!
KP:その口調でいいの(笑)?
Dちゃん:そんなわけないでしょ~! もう、いじわる! ……あ、そうだ、こんなに大金持ちなら、好みの女の子をオークションで買ったりとかもできるんじゃない?
KP:人身売買……。それは、犯罪ですよ。
Dちゃん:いいじゃん、お金で黙らせるもん! 裏のルートとか使ってさ~。そしたら可愛い幼女がたっくさんだよ~!! きひひひ、どんな幼女にしようかな~♪
KP:(ふむ。どうせ海の藻屑にする予定だから、まぁいいか。物語の舞台になる豪華客船はこいつか、こいつの親のもので決定だなぁ。万が一助かったら、警察にご厄介になるってことで)しょうがないなぁ。じゃあ、それでいいですよ。じゃあ、幼女のオークションには今から出かける予定、ということで。
Dちゃん:やったぁ~~!!
KP:持っている物や、得意なことは、おやつ食べてから決めていきましょうね。きっと、楽しいセッションになりますよ……。
あるぇ~、KPが黒い(笑)。
ま、まぁ、これでひとまずキャラメイクは終了ということで。
次回はクトゥルフTRPGの能力値紹介です。
2018.04.01追記
私がもらったオンライン・キャラ作成簡易システムでは財産の項を3D6で決めていましたが、おそらくクトゥルフ神話TRPG2010を参考にしているのではないかと思います。無印では1D10での決定となります。今回はこのまま書き直さず値を適用します。くれぐれもこのコラムを鵜呑みにせず、実際にプレイする際にはルールブックの購入をご検討ください。