1、はじめに。TRPGとは何か。
はじめまして、私はテーブルトークロールプレイングゲームのゲームマスター経験のあるプレイヤー、天界音楽です。この遊びから離れて五年ほど、流行は追っていませんが基本的なことは変わらないと思い筆を取りました。
ここでは、まだこのジャンルのゲームを遊んだことのない方や、初心者なのでよく分からない部分を抱えているというプレイヤーのために、「気持ちよく遊んでもらうため」に少しだけ知っておいてほしいことを書いていきたいと思います。
もし、分からないことや、もっと詳しく知りたいと思ったことがございましたら、遠慮なく感想欄やメッセージにてお知らせくださいませ。私の知り得る範囲でお答えいたします。
まず、そもそもテーブルトークロールプレイングゲーム(以下、TRPG)とは何かということを、ざっくりと説明していきます。これは、ロールプレイングというジャンルのゲームを、机の上で行う大変アナログな遊びであります。卓上ロールプレイングとも言います。同じく卓上で遊ぶボードゲームをもう少し煩雑にしたもの、と言っても良いでしょう。
必要なのは紙とペン、自分のキャラクター用の駒、そして想像力。他の物はゲームマスター(以下、GM)が用意してくれます。何も分からない状態からでも大丈夫、GMに質問したり、または質問に答えたりしていくうちに楽しく遊べるようになります。
さて、皆さんは普段、どのようなゲームを遊ばれるのでしょうか。ソーシャルゲーム、それとも携帯ゲーム機で展開されているゲームでしょうか。小学生の頃などに、すごろくなどで遊んだ経験はありませんか?
『人生ゲーム』に代表されるようなボードゲームは、多人数でわいわい遊びますね。そこにはマスごとにびっくりするようなイベントや、落胆するようなハズレのイベントがあって、すごろくのようにサイコロを使ってその出目の結果に一喜一憂してしまいます。TRPGも、そんな要素を持っているんですよ。
TRPGでは、あなたは参加者のひとりであり、プレイヤー(以下、PL)と呼ばれることになります。主人公はあなたの分身とも言えるアバターキャラクターであったり、もしくはあなたとは性別も人種も、時に種族すら全く違うキャラクターだったりします。これをプレイヤーキャラクターと呼び、PCと表現します。実際のゲームでは、このPCはPLひとりにつきひとつ、持つことができます。以下、PCのこともひとりと表現していきたいと思います。
もちろん、PLの持つPCひとりひとりが主人公ですので、自分のキャラクターだけを優遇してもらおうとするのはいけません。協力したり、敵対したりしながらも、物語がエンディングを迎えられるよう、PLの誰かが不快な思いをしないよう、互いに気をつけて遊ぶのが理想です。
ところでTRPGですが、RPGという要素がどこで生きてくるのでしょう。ロールプレイングゲームとはすなわち、ロール(役割)を演じる(プレイング)ゲームということです。ロープレと略して呼ばれるゲームのジャンルがございますので、ご存知の方はそちらを思い浮かべていただけば、まず間違いないと思います。
ここで言う役割とは、例えば『ドラゴンクエスト』に代表されるファンタジーにおける職業のことである、というのがひとつの大まかな回答です。ゲームによって変わるのですが、職業を選ぶと「できること」と「できないこと」が決まることが多いです。ですので、職業を選ぶと、おのずと求められている役割がわかります。たとえば、戦士であれば武器を振るって敵と戦ったりしますね。僧侶であれば回復魔法を得ているかもしれません。
物語の場面によって「求められていること」があり、それに対して「できること」を持っている人が解決に当たる、それがロールプレイングゲームであります。家庭用のゲーム機械で遊ばれた方は、それをぜひ思い浮かべてみてください。GMがハードとソフトを兼任してくれるので、PLであるあなたはコントローラーの代わりにペンを持って、キャラクターを操るだけで良いのです。ルールの範囲内ではありますが、作ったキャラクターで思う存分にその世界を楽しんでください。
まとめますと、ゲームに参加するPLに必要なものは新しいものに挑戦する勇気です。GMや他のPLとの会話を楽しみ、そのゲームの世界やそこに住む人々、キャラクターが出会うであろう事件などを大いに楽しみましょう!
いかがでしたでしょうか。今回はTRPGとは何かについて語りました。
以下、基本的な用語について説明していきますので、そちらも見ていただけたら嬉しいです。
☆電源ゲーム:コンピュータゲームや家庭用ゲーム機、携帯ゲーム機などの総称。アナログゲームに対し呼称することが多い。
☆ソーシャルゲーム(ソシャゲ):ソーシャルネットワーキングサービス|(SNS)上で展開されるゲームのこと。
☆アナログ:TRPGやボードゲーム(略してボドゲ)、カードゲームなどの総称。ただし、特定のゲーム名やジャンル名で呼ばれることの方が多いため、会話の中にはおよそ出てこない。
★GM(ゲームマスター):電源ゲームにおける脚本、世界背景、その他の登場人物、ゲーム進行、ルールの裁定など、ゲームで遊ぶ人以外のすべてを用意し、司る人。この「ゲームの運用」を総称してマスタリングと呼ぶ。ゲームによってはGMの呼び名が変わる。
★PL(プレイヤー):ゲームの参加者。遊ぶ人。
★PC(プレイヤーキャラクター):プレイヤーの動かす駒、キャラクター。自分のキャラクターの行動は、自分が決める。ただし、それが「可能か」はGMが判断し、それが「成功したかどうか」はサイコロに委ねられる。
★NPC(ノン・プレイヤーキャラクター):基本的にはGMが用意した「その他の登場人物」であり、電源ゲームにおける村人Aであったりする。稀に、PCの持ち物がしゃべったりなどして、それをPLの演じるNPCにすることがあるが、あくまでGMが認めたら許される遊びである。
★キャラクターシート(キャラシー):PCのできること、状態、どんな人物なのかを書き表したもの。常に変わっていくので消して書き直せるもので記入するのが良いと思われる。
★ルールブック:るるぶ、と呼ぶ人が多い印象。これから遊ぶゲームのすべてが載っており、GMはこれを参照しながらゲームをする。PLの立場であれば、戦闘のルールなどには目を通しておきたいが、モンスターのページなどは見ない方がこれから先のセッションを楽しめるだろう。ルールブックはPLも持っておくのが望ましいが、そこそこ値段がはるので、一度だけ遊ぶという人はGMにお任せしても許されると作者は感じる。もちろん、これから同じメンバーで遊び始める、ということであれば、お金を出し合ってGMになる人に渡してあげるなどの配慮があって良いように思う。なぜなら、GMはとかく説明用の冊子やキャラシーなどの配布物にお金がかかるからである。
★卓(たく):GMが用意している場、ゲームができる環境のこと。GMが「ゲームしようよ」と言い、人数が集まってゲームができるようになることを「卓が成立する」と表現することが多い。よって、コンベンションなどのゲームを募集している場所では、GMがゲームを持って待っているところを「卓」と呼び、PLに「卓を選んでください」という言い方で呼びかける。
☆ダイス(サイコロ):サイコロは主に六面体を言い表すため、ゲームの中ではダイスと呼ばれることが多い。ちなみに単一ではダイと呼ぶが、ひとつだけ振るのは稀だ。
★セッション:TRPGにおけるゲームをする期間のこと。一回集ってゲームをすればそれが一セッションである。一日に二回や三回セッションする人もいる。もちろん、同じメンバーで同じゲームを二十四時間続けたとしたら、それは休憩を挟んだだけの一セッションだ。あたまがわるい(誉めてはないが貶してもないときに使う驚愕を表す言葉)。
★キャンペーン:セッションを何度も重ねることで真のエンディングを迎えるゲームのスタイル。その反対を「単発セッション」と言い、「単発」と略す。小説で言えばキャンペーンとは連載物であり、単発は読みきりである。
☆シナリオ:脚本のこと。TRPGであれば、シナリオとは物語の最初からの流れや分岐点、エンディング、敵、NPCなどすべてがひとつにまとまっているものを指す。
★サプリメント:追加要素のこと、またはそれらをまとめた物。ゲームをする際にこれを追加してプレイすることがあるが、GMが追加すると決めた部分だけがゲームに反映される。
★ハウスルール:GMとその仲間内でのみ通用するルール。もしもルールブックやサプリメントに載っていないルールでプレイされているなら、それはその場でだけ通用するものと思った方が良い。
★プレイヤーフレンドリー:GMがある判定について迷った際、基準になるもの。これは「遊んでいる人に有利に」ということであるが、あくまでルール通りに裁定してそれでも判断に迷ったときには、PLやPCに有利になる結果を採用するというものである。初心者がどのゲームに参加しようかと迷った際には、この言葉が書いてあるところ(卓)に参加するのが良いかもしれない。(類語:「初心者対応」)
☆コンベンション:様々なゲームにこういったコンベンションが設けられているが、TRPGもその例に漏れない。場所を借りて開催されるこうしたゲーム大会には、参加費がかかる場合が多い。ただし、TRPGは点数を競うゲームではないので、上位者に対する賞品や賞金はない。
★オンラインセッション:オンセ、おんせと略する場合が多い。インターネットを介してのセッションである。ダイスの結果を公正に反映するため、ネット上で代わりにダイスの数値をランダムで出してくれるアプリケーションを用いてプレイする。
☆TRPG以外でも使う用語
★TRPG用語