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あとがき

 お読み頂きありがとうございました。



 約一年四ヶ月かかりましたが、無事に最終回を迎える事が出来ました。

 これもひとえにお読みいただいていた皆様があってこそ……と言いたいところですが、感想がなければその実感もありません。はい。

 それは冗談として、今作は自分にとっては、相当な難産でした。もうね、途中でやめようかなって何回も思ったんだから。

 その理由は自分の中でキッチリと付いています。


 まず今作を書き始めるにあたり、細かく設定を突き詰めていなかったというのが一点。もうひとつが自分の体調がかなり悪化したという点。

 設定に関しては特にキャラについての設定が甘く、自分の中では声が付いていない状態で書き始めていました。そしてこれが大失敗。

 どうやら自分は声が入ってこそキャラクターが動く人間のようで、いわば画竜点睛を欠いていたという事になります。


 体調についてですが、数年前に軽度の脳梗塞をやらかしておりまして、医者曰く体には影響の出ない場所との事なんですが、実際には思いっきり影響出ています。

 特に終盤は一行書いてはベッドに倒れ込み、這い出ては書いて、また倒れ込み……という事を一日中繰り返していました。あ、ちなみにあとがきを執筆中の現在も絶不調です。まあ死にはしないんじゃないですか? 知らないけど。

 なので自身の体調もあり、最後を駆け足で終わらさせていただきました。



 ――本編中に立てた、未回収のフラグについて。

 一番大きいのはダンジョンと各種地下施設の正体。

 本編では火星人の仕掛けた殺戮兵器という結論ですが、実はこれは一度目のバッドエンドになった人類が、星の運命を変えるために仕掛けた装置のひとつです。善も悪もなく、とにかく何かしらを仕掛ける事で星の運命を変えようと模索していた、その名残です。

 本当ならばしっかりと書きたかったのですが、自身の体調から、それを書くと完結しないという結論になったので、非常に申し訳ないのですが、こちらでネタばらしとさせていただきます。


 次に犯人と勘違いされた火星人はどうなっているのかと言うと、本編中においては自分たちが生き残る事に必死で、地球がどうなってるかなんて知ったこっちゃない状態となっています。

 ではイリクスは何者だったのかというと、すごーく簡単に言えば過激派テログループの実行役、というだけだったりします。まー回りくどい事が好きなグループなんですね、きっと。

 ちなみにこの事は、最重要機密事項として後々にまで伏せられる事になります。この機密事項が公にされるのは、星のアルバムの一般公開と同時期です。


 海底都市東京の正体と、その後。

 あの海底都市、ガワは本物ですが中身は違います。折地彼方の部屋だけが特殊な空間であり、他は全て幻です。地球さん、面倒だからって二分間しか再現してないんだもん。

 そして役目を終えた幻は消え、コンクリートジャングルが今はお魚パラダイスです。

 本当ならば脱出時に波乱のひとつも起こしたかったんですが、これまた自分の体調が許さなかったので省略しました。


 逆に今作では、フラグに見えて実はなんでもないという部分も幾つか入れてあります。

 例えば四話序盤。アイシャと一旦別れたカナタを、茶色いフードに身を包む三人組が監視するように見ているのですが、これは「怪しい格好で通行人を不安にさせる遊び」なだけです。

 後にズー教団が出てきますが、こちらとは格好が違うので全く関係ありません。ついでに言えば今後の波乱を匂わせる、という意図もありません。本当にただの遊び。


 他、取りこぼしのフラグもあるとは思うんですが、それを探すのが大変なので勘弁してください。



 ――キャラクター設定、実は……?

 ・折地彼方

 変な名前ですよね。実はこれ「オリチカ・ナタ」と切って、オリジナル無しという意味だったりします。検索して出てきたスペイン語を変形させて当て字にしたんです。

 そのために作中では名前で「種無し」だの「甲斐性無し」だの「才能無し」だのと言われた、という設定があります。

 何故”オリジナル無し”なのかというのは、折地彼方がピンクダイヤから作られた存在であり、親のいない、つまり自身のオリジナルが存在しないという事を示しています。

 ちなみに前作の終盤にも同名のキャラクターが出てきますが、あの時点で今作を書く事を決めていた、という事でもあります。また前作の彼との関係性については、百十六話に答えがあります。

 ……実は、盛大なバッドエンドルートも選択肢にありました。二代目カナタはモンスターと同じく作られた存在ですから、覚醒して”全てを破壊する者”になっちゃうというシナリオです。でも折地彼方には似合わないので速攻ボツに。

 本編後は怒りの告白を実行、シアと子供たちと共にコロスの家を守っていましたが、全員が揃ったのを機にロム村へと移住し、ホワイトな農家を営んでいます。


 ・アイシャ・ロット

 合法ようじょ……にするはずが、どうしてこんな性格に育っちゃったかなぁ? と私自身首を傾げています。というか、このシナリオだったらこれくらいの性格じゃないとやっていけないのかな?

 アイシャは、一番最初の案では主役であり、ごく普通の身体能力を持つ、ごく普通の眼鏡っ子JKでした。現在その設定はレイアさんの元へ。

 主役……といえば今作でも一応主役ですが、最初はアイシャの一人称視点固定の予定だったんです。トム王から冗談で国の宝剣を渡されると、勇者にしか聞こえない声が聞こえちゃってアラ大変、という話だったのに……どうしてこうなった。

 ちなみに上記で”キャラに声を設定していない”という話をしましたが、アイシャだけは最後の最後まで声が付いていません。むしろ皆さんがどういう声を想像しているのか、こっちが聞きたいくらい。

 本編後は引退したトム王と一緒にロム村へと戻り、”ご近所さん”をいびり倒しながら畑いじりと勇者業を並行しています。子供はいつ作るんでしょ?


 ・プロトシア・マーレィ

 ポンコツ魔王さんですね。

 いきなりですがプロトシアというのは「裏切り」のギリシャ語、”プロドスィア”から来ています。

 当初の案では、シアは”魔族を裏切り平和を求めた魔王”という設定だったんです。その影響で本作においてはとても優しい性格になっています。

 そして実は、この魔王さん復活させる気はありませんでした。復活を決めたのが、カプレルチカ戦を書いている最中です。

 おかげでそこから先はかなり変わっちゃいました。だって、カナタは帰りの東京であっさりと復活するつもりだったんですから。それがこいつ復活しちゃったせいで使えなくなっちゃって……。

 本編後はカナタと、そして三人の子供たちと共に。それでも元魔王なので、たまには魔族領に顔を出しては故郷の復興を模索しています。


 ・フューラ

 最強装備のレベル1。

 名前の由来はスウェーデン語で54で、国鉄(現JR)に存在する忌み番に由来します。はい、私ちょっとだけ鉄です。

 フューラはいわゆるチートキャラとして設定してあります。もちろんそれに見合うだけの理由と過去を持ち、あくまでもメインの一人として突出しないように制限を設けてありますし、その制限がなくなる頃には周囲が充分強くなっているとして、バランスを取ったつもりです。

 そしてフューラだけは最初の最初から自分の中で姿も声も決まっていました。初登場五話の一番最初に声の話が出るのは、これを示しています。ちなみに脳内CVは秘密にしておきますが、某女の子と戦車アニメにも出演している方です。最終話で喋った時は驚きましたとも。

 本編後は確かに人間に戻り、大恋愛の末に幸せな家庭を持っています。


 ・リサさん

 物理以外のステータスMAXなので、本当ならばフューラをもしのぐチート……のはずが、今作で一番不遇。まあ天才王女様なので、その分マイナスにしたという事で。

 作中でも散々匂わせていますけど、チェリノス連合王国はロシア連邦が元ネタです。アリサ・ノスコーフという名前もちゃんとロシアの人名にあります。そして一度目の謝肉祭のオペラで、リサさんが内容を知っていたオペラというのも、ロシアオペラ「スペードの女王」でした。

 本編後は十話にて自身が拘束されていた町、ソラノハの領主になり、夫も見つけ、悠々自適な生活を送っています。


 ・ジリー・エイス

 物理ステータスが振り切ってます。でもリサさんと合わせてもアイシャには勝てないという。あいつどんだけ化け物なんだ。

 ジリーは元々かなりのしっかり者として設定してあり、カナタの不在時にはその代役を務められる強さを備えています。本編中ではシアが復活したせいで、そのしっかり部分が主に船長として発揮されましたが。

 唯一直系の火星人種であるものの、それを本人も、あの時代の人類も知りません。種族名の”N”というのは、全く捻りなく”New”です。

 本編後はご想像通り、モーリスと一緒に年上の王妃として尽力。モーリスが王になった後に子供を身篭り、現在は子沢山。公式に一番幸せを掴んだのがジリーです。


 ・モーリス

 予定外の途中参加キャラ。

 モーリスはドッボとの一件で仲間に入りましたが、そう決まったのは投稿ギリギリでした。というのも、キャラクター多過ぎだろうと思ったので。

 当初は呪いが解かれる事はなく、それでも王宮付きの執事になり、出世して次期グラティア国王にするつもりでした。つまり、どちらにしろ王になるんですよ、この子。

 次期グラティア王から次期魔族王へと着地点が変化した、最大の理由があの魔王様です。あれが復活しちゃったせいで本当に全部変わっちゃいました。

 それでも読心能力は書き手であるこちらからしても便利なもので、結構助かりました。

 本編終了後は、言わずもがな。しかしそれも皆がいてくれたからでしょう。



 ここまで恥ずかしげもなくキャラクターを語りましたが、モーリスが途中参加という事から、実は今作、最初はハーレム物だったんです。

 異世界転移+チート級に俺(以外)つえー+ハーレム。


 ……なのに、どうしてこうなった!


 というのが、全てを書き終えて一息ついた私の感想です。

 そして、しっかり書き終えられて、うちの子にちゃんとゴールと未来を与えられて、本当にほっとしています。


 私の体調ですが、どうも”死なない程度”で固定になりそうな予感がしています。

 なので執筆活動は今作を以って休止します。

 本当は書きたい話が既に五つくらいあるんですけど、それを書き終わるよりも先に死にそうで、そうなると作中の子たちの未来が閉ざされて、それはいくらなんでも可哀想なので。

 ……それでも投稿せずに書きそうな予感もしているんで、あえて休止と表現させていただきます。

 もしも投稿を再開した際には、「あ、死に損ないだ」と思っていただければ幸いです。


 最後に、素人の拙い作品ではありましたが、読んでいただいた方々には心からの感謝を致します。

 ありがとうございました。





 ――遥か年月後。A大陸某所。

 ピンポーン。

 「……見ない子供だな。なんだ?」

 「お庭にボールが入っちゃって。取らせてもらってもいいですかー?」

 「庭に? ……待ってなさい」


 「これか?」

 「あーそれそれ! あはは、ありがとーございまーっす。っと?」

 「いいか、私の家の近くでは遊ぶな! 分かったな!」

 「はぁーい……」


 ……見つけたよ。最後の一人……。



 完。



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