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初体験

「君にはもううんざりだ」


屋上に呼び出された俺は思いもよらない一言を言われる。

一番の親友だと思っていた目の前の彼は俺にそう言い捨てた。

俺は何をしただろうか必死に考えた。だが、その時には・・・もう遅かった。



七月上旬。暑さが気になり始めていた頃、俺は学校の放課後でいつもの通学路を自転車で走っていた。いつも通り、ブレーキは錆び付いているためにかん高い音を上げる。

「今年の夏は暑いなぁ。何でこの学校にはプールがないんだろうな」

俺は片手で自分の顔を扇ぎながらそう呟く。俺は信号で止まり、前の籠から水の入ったペットボトルをとり、口に持っていく。そのときズボンの右ポケットで携帯が大きな音を鳴らした。

きっとあいつだろうな・・・なんて考えながら画面を見た。そこには知らない電話番号が出ていた。

俺はおそるおそる画面の通話ボタンを押して、その着信に出た。

「もしもし、上杉様ですか?」

聞いたことのない女性の声がした。

「あのー、どちらさまで」

「私は絵里。これから起こることを告げます。まずはあなたの大切な友達が消えます。そして次に」

プツリッ。

俺はなぜかきってしまった。バッテリーがきれたからでも、電波が悪くなったからでもない。無意識にだ。

「迷惑電話ってやつか?・・・ったく」

なんて少し震える右腕を押さえながら強がりを吐くと、俺は携帯の待受に書かれた言葉を心のなかで復唱すると前を見た。


「迷惑電話か・・・迷惑メールはよく聞くけどな」

次の日の昼休み。俺は一番の友達、鹿島と弁当を食いながら話していた。

「どうせ暇人どもが暇潰しにやってんだろ?本当にバカだな」

「暇人って・・・」

「あまり信じない方がいいよ、そういうのさ。そっちの方が心晴れるし。それに・・・友達が消えるってどういうことだ?」

「転校とかならまだ・・・ね」

「・・・ちょっと怖いこと考えてしまった」

鹿島は震える。

「何話してんの?」

そこに入ってきたのは佐伯だった。

佐伯 麗。このクラスの委員長で、このクラス以外の生徒や先輩や後輩や先生からも尊敬されていて、さらにはスタイル抜群、成績優秀、運動神経抜群で、噂ではこの学校に『佐伯ファンクラブ』というのがあるらしい。

そして俺もどこかひそかに好意を寄せていた。

「いや、上杉が昨日迷惑メールならぬ迷惑電話ってのをもらったって話だ」

「出たの?」

「出たけどすぐにきったんだってよ」

鹿島は笑いながら言った。

「電話番号がわかってるならこっちから相手に電話してみれば?」

「それはさすがに・・・」

そう言いながらも俺はポケットから携帯を出した。そして電話番号を見せる。さすがにそれだけで名前がわかるはずがない。

クラス全員の電話番号を持っている佐伯は自分の携帯に映し出された電話番号の集まりからそれと同じものを探す。だがそこに同じものは見つからない。

「クラスの人ではないみたいね。ごめんね、力になれなくて」

「い、いいよ!全然大丈夫!クラスの人じゃないことがわかったからさ」

思わず大きな声が出る。

「・・・しかし本当にその電話ってなんだったんだ?確か話によると相手は『絵里』と言っていたって言ったな。上杉の周りに絵里って名前の人はいるか?」

「いたら最初っからそいつのところに行ってるよ。中学生の頃、同じクラスに理恵はいたけどな」

「絵里・・・」

佐伯は少し考えると何か思い出したのか表情を変えた。新しい手掛かりだろうか。

「二年に絵里って名前の先輩がいるわ」

「本当か?」

「うん。でも」

「でも?」

「その先輩って確か携帯は持ってなかったような」


俺は放課後、佐伯にその先輩『山野絵里』のクラスを聞き、会いに行くことにした。

「確か2のBだよな・・・」

二年生教室前の廊下は初めて歩くため、少し緊張していた。そのせいか少し前屈みになる。

俺は二年B組の教室前に着くと、一度中を見て深呼吸をした。そしてドアを開けた。

「し、失礼します。こ、このクラスに山野先輩っていますか?」

「山野さん?山野さんならたぶん図書室にいると思うよ。いつも放課後は図書室に行ってるから」

「あ、ありがとうございます」

俺は一礼すると早足で教室から離れた。一難去ってまた一難、次は図書室に行かなければならない。

俺は頭の片隅で「佐伯を連れて来ればよかった」と思った。

俺は二年教室のある二階から図書室のある一階におりると一度消えた緊張がまた再発してきた。なぜなら一階は三年生教室や職員室があるからだ。

俺はあまり図書室や職員室に行ったりしないし、三年ともあまり話さないためこの階の廊下も初めてだ。

図書室前。汗が額から流れ落ちる。俺はポケットからハンカチを取りだし汗を拭うと、また一息落ち着かせるために深呼吸した。

図書室での約束の一つ『入室、退室前には一礼すること』を守り、図書室に入った。そして多くの空席のなか、一人座る山野先輩を見つけ、声をかけた。

佐伯の情報通り、髪は黒色の長髪で、眼鏡をかけている。

「あのー」

山野先輩は集中してるのか、こちらに一切視線を向けようとしない。そして何分か経って、ようやくこちらに気付いた。

「何?」

「えっと・・・昨日、俺に携帯で電話をかけましたか?」

「・・・どういうこと?それよりも君は誰?」

「俺は一年の上杉 蒼といいます」

「たぶん、人違いだわ。そもそも私は携帯なんてもの持ってないし、君の電話番号なんて知らないわ」

「そうですか・・・。集中してたところ、すみません・・・」

話が終わって山野はまた本を読み始めた。

それを見て、俺は静かに図書室から出た。


「上杉 蒼君か・・・」

山野はどこか懐かしそうに呟き、目の前の本に視線を戻した。


図書室から出て、廊下を曲がったところに跡をつけてきていたのか鹿島が立っていた。

「どうだった?」

「山野先輩ではなかったみたい。それと佐伯が言ってた携帯を持っていないってのは本当だったみたいだ」

「それについてだが、お前電話番号の数字の数を見て何もわからないのか?」

「え?どういうこと?」

「数字の数を数えてみ、わかるから」

俺は携帯に映し出された不明の電話番号の数字の数を数えた。数字の数は10個だった。

「え?10個だったけど・・・あ!」

「まずその番号は携帯の電話番号ではないって佐伯が言ってたぜ。残念だけど山野先輩が犯人の確率はまた出てきたな」

俺はそれを知ると、図書室に向かった。だがそこに山野先輩の姿はなかった。


はじめまして。赤神 火恋です。

今回が初めてなので誤字脱字や描写が下手なところがあると思います。

これから先はできるだけそういったことに注意しながら書いていきたいです。

よろしくお願いします。

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