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秒で夢実現

作者: ことり。

テレビの人たちが食レポの時に行く言うこれを僕は今日実現させようと思う。



「この出汁の中で泳ぎたーい!!」



ほんと口だけのやつばっかり!僕はやってやるぞ!



絶対口だけで終わらせない!



まず超巨大なプールを用意した。



まぁ学生の身分で買えるのはせいぜいビニールプールの大きいサイズだけど。



その中に入れるのは鰹節、干し椎茸、昆布、煮干しから取ったとびっきり美味しい出汁だ。



家にある大鍋に何百回沸かして作ったか分からないくらいだった。



朝8時から始めて出汁を作ってはプールに入れての作業をひたすら何時間も掛けて、もうくたくただった。



家族は今日は休日の為出掛けている。



その間にやってやろうと言うわけだ。



でもやる事に意味があると僕は思っている。



いや、確信している。



さぁ!もうすぐ、後もうすぐで泳げる水位になる。





そしてとうとうプールいっぱいの量になった。



何百回も鍋で湯を沸かし、何百回も出汁を取ったのでもう僕は出汁を取る事についてはプロ中のプロだろう!!

 



そして呼吸を整え、いざプールへ!!






ザッパーーーーーーンッ!!!







出汁の良い香りが体全体に行き渡る。。。。。



今まで香りを1番鼻だけで感じていたが、体全体で出汁を感じ、普段感じられなかった、分からなかった、見えなかったものが見えた気がした。



これは出汁からの僕へのご褒美だ。



ひとしきり出汁プールを楽しんだ後、もうすぐ家族が帰宅する時間だとようやく気づいた。



明日もこの出汁プールを楽しみたいところだがきっと腐ってしまうことだろう。



いや!それより家族にこのことがバレて怒られてしまうんじゃないか。



焦った僕はプールの出汁を捨てようと栓を抜こうとした。



その瞬間!!




「もっと色んな人に体験させてあげてー!」




と言う声が出汁プールから聞こえて来た。



確かに!!こんな体験なかなかできない!!



よーし!一日限定で出汁プールをみんなに体験してもらう!



しかも一回5百円とすれば、この出汁プールで掛かったお金も取り戻せるんじゃないか!



僕は大急ぎで看板を立て、SNSで呼びかけた。



瞬く間に人が集まり、出汁プールの前には大行列ができた。



YouTuberはもちろん、テレビまで来てしまう騒ぎとなった。



そしてその出汁が話題となり、僕は今では全国に多くお店を出せるまでとなった。



今でもあの時の、、出汁の妖精と呼ぼうか。



君の声があったからだと僕は本当に感謝している。







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