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1.75 こんにゃくバトル

元ネタは落語の演目『蒟蒻問答』です。

 翌日久しぶりに冒険者ギルドに顔を出しました。ドワーフと会うのは率直に言って嫌なのですけど、一応話だけはしてみようと思ったのです。

 ミラをお供にロビーの真ん中に陣取って待つことしばし……


「ぬおー!」「うおー!」


 厚い扉を通して暑苦しい声が飛び込んできました。直後にバーンと扉が開いて妙に距離感の近いドワーフ三体の花電車がホームインです。前のドワーフの肩に手をのせた一列縦隊でギルドにジェットストリームアタックを仕掛けています。

 汚い三連星はリズム感抜群音程最悪の音頭をがなり立てるような大声で歌っています。


「ハイホー! ハイホー! 俺たちゃスリー・ドワーブズ!」

「半月ぶりぶりぶっといウンコでアナルが裂けたよブッチッパ!」

「どうせ裂くならお前のチ〇ポで咲かせてくれよなでっかいローズ!」


 聞くに堪えません……。上品とか下品とかの基準が他種族とは根本的に違います。本当に趣味が合わないです。


「む……」

 先頭のドワーフと目が合いました。同時に短く唸り声を上げて立ち止まるとピッタリ息をそろえて後ろの二人も止まります。

「……」

「「「……」」」

 お互い無言で対峙します。三体のドワーフは間合いを保ちつつじりじりと移動してボクの前に一列横隊で立ちはだかりました。


 ──デュエル!


 オーケーサイン発動、一番左のドワーフが親指と人差し指で小さな輪を作りました。『エルフのチ〇ポはこんなもんだろ』と言うのです。ハァ? どこまでも下品な奴ですねこのファッキンバリネコドワーフは。ボクはそのドワーフが手首にハメている金の腕輪を指さしました。そのくらいはありますよごんぶとですよお前とは違うんですこの粗品ヤロー!

 次に真ん中のドワーフが両手の指を広げて前に突き出しました。『お前の胸は真っ平だ』と言うのです。ハァ? どこに目ん玉つけてやがりますかこの舐めダルマは、ボクは男ですよアッカンベー!

 すると今度は右側のドワーフが地面を指さしました。──『男ならヨツンヴァインになれよ、服脱げ尻出せアナル貸せ』ですって!? ハァ──! 失礼もここに極まれりというものです。ボクは頭の上で指を回しました。お前の頭はどこにある、です! とっととくたばるがいいですこのクルクルパー!


 すると三匹のドワーフは両手を床につけてガクーッとうなだれました。

「「「ま、負けた……」」」

 フッ、また勝ってしまいました。ボクってちょっと無敵すぎます。

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