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2.44 祝勝会

「リターンオン! イーデーズへ!」

 みんなでイーデーズへ帰りました。オルドも一緒です。というのも今夜はパーティーの予約を入れていたのです。


「それでは、オーガ討伐成功とヴァンの魔眼覚醒を祝して、乾杯!」

「「「「「カンパーイ!!!」」」」」

 隊長が乾杯の音頭を取ると参加者が一斉に唱和しました。


 今日は森の妖精亭を貸し切りにして任務達成のお祝いです。関係者としてギルマスとクランリーダーと職員たち、ついでにA君B君も招いています。ギルマスは上機嫌で「報酬の計算できたから明日は取りに来いよ」なんて言って、酔っ払ったA君B君がヴァンに絡んでいます。

「お前スゲエな!」

「どうやってあんなに強くなったんだ?」

「先生たちの修業のおかげだ」

 ヴァンはソフトドリンクですのでシラフです。と言ってもそんな気の利いたものはありませんので例の謎茶ですけど。元々大して飲まないやつだったのですけど、訓練が本格化してからは全然お酒を飲まなくなりました。


 隊長はとってもご機嫌でした。乾杯から続けざまに琥珀酒をあおってすっかり赤い顔をしています。

「オーガなんてのは王都なら騎士団が討伐するところだ。一体でもそうなのにそれが三体だ、殉職者が出るのも覚悟の出撃になるだろうな。それがどうだ、たった四人で一人も欠けることなく勝利したぞ! つまりこの四人で一個騎士団以上の戦力があるってことだ」

 そして隊長はボクの手を握ってブンブン振りました。

「まさか自分がこんなに強くなれるとは思ってもみなかった。リンスよ、ありがとうな。本当に感謝する」

 フフン、それほどでもありますけどね。指導者としても一流なボク……自分の才能が怖いです。


 隊長は今度はお酒のカップをヴァンに向けました。

「ヴァンよ、お前以上の剣士はもうどこの騎士団にもいないぞ。望むなら紹介状を書いてやる」

「いや、オレは冒険者でいいです」

「そうかそうか。でもその気になったら言えよ? いつでも推薦してやるからな!」

「うむ、本当に上達した。ワシももう教えることがなさそうだな」

 オルドが隊長に同意するとヴァンは首を横に振りました。

「いや、まだまだだってことは自分でよくわかってるんだ。そんなこと言わずにこれからもお願いします。剣の方も」

「これの代わりなぁ……。どうしようかの」

 オルドは後生大事に抱えていた剣を困り顔で眺めました。


 本当は剣を町の中に持ち込んではいけないのですけど、直接森の妖精亭の前に降りちゃいましたのでギルドに寄る暇がありませんでした。冒険者が持ってると一発アウトなのでオルドに預けています。なんでも鍛冶屋は特例で剣を持ち運んでもいいそうなのです。まあそうじゃないと町の中に工房を作れませんよね。

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