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死の天使と盲目の少女

作者:
死の天使。
俺は死んだ者の魂を天界に持っていく役割を担っている。
人間には見えない存在でありながら、人間界へと魂を取りに行かなければならない。
見られないのだから、淡々と仕事をこなすことが出来る。
しかし、最近無駄足なことが増えてきた。

死を軽々しく考える者。
温い言葉でそれを引き留めようとする者。

忙しい中、そんな人間が増えてきていることに溜息。
この仕事も楽じゃないってのに。
そんな折に、またしても死を望む者が現れた。
確認をすれば、恐らく10代前半の女。
無駄足にならないことだけを願いつつ、彼女のもとへと向かう。

サヤという名の彼女は、盲目だった。

目が不自由な代わりに、心を読めてしまうという。
そんな彼女は、俺の姿も見透かしていて……。

「私の命はもうすぐ尽きてしまいます。それまで見守っていてください」


死の天使と盲目の少女の、とある短い物語。
死の天使
2019/10/26 09:02
少女のもとへ
2019/10/26 22:40
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