帰還
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2人が螺旋階段を登り始めて、既に半日がたったそんな頃、螺旋階段に終わりが見えてきた。
「半日……思ったより早かったと思うけど長過ぎこの階段……」
「でも半日ですんで良かったね!最初見た時は終わりがないかと思ったよ!」
終わりが見えたから良かったものの、今考えるとかなり無謀なことだったのかもしれないと我に返る2人だった。
螺旋階段を登り終え、周りを見渡すと見たことの無い神を祀った象などが建てられており、暖かな聖の気に包まれた空間が広がっている。
どうやらここは教会の中みたいだ。
「あれなんだろ?」
2人はその教会の机に置かれた1冊の本に気付く。
その本を開くが見たことない文字で書かれており読むことが出来ない。
「なんて書いてあるんだろ読めないね」
こういう時にファフがいてくれれば読めたかもしれないと2人は俯くのであった。
「もしかしたらファフが起きたら読めるかもしれないしその時の為に持って帰ろうか」
そう言って本をしまったのだった。
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2人が教会からおそらく外に通じているであろう扉を開けるとそこには見慣れた景色が広がっていた。
「第1層の入口付近?」
「でもここって元々何も無かったよね?」
2人は疑問に思うが第2層のBOSS部屋の扉が破壊されたのと第三層の隠しボスを倒した事によって現れたと考えれば2人は少し納得出来た。
「でもこれって凄いことなんじゃない?」
「ん?それはどういう事?」
「だってこの教会の螺旋階段を使えば半日で第三層のBOSS部屋そして第四層に行けるってことでしょ?大発見じゃないかな……」
考えて見ればそうである。
2人が頑張って第三層まで幾多のモンスターを倒しながら数日に渡って攻略したのに対し、この階段を使えばたたった半日で下まで行ける近道。
下層に行くのが安全にかつ簡単に行けるとあればかなりすごい事だ!
これでこのダンジョンの攻略も少しは楽になると言った所だろう。
「それじゃとりあえず報告に行こうか!」
「そうだね!」
2人はギルドへ向かったのであった。
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「お姉さん今戻りました!」
そう言ってお姉さんの前にガルムストレアのドロップアイテムを置く。
「ま、まさかほんとに二人で倒したの!?」
流石のお姉さんもビックリである。
「倒した事は倒したんだけど代償は大きかったよね……」
そう言って2人は俯く。
「何があったの?」
お姉さんにファフが睡眠状態に入った経緯を話した。
「そんなことがあったのね……それは申し訳ないことをしたわ……」
申し訳なく思ったお姉さんも俯いてしまった。
「でもいい事もあったよ」
「それは何があったのかな?」
「第1層の入口付近に教会が現れてそこの螺旋階段から半日で一気に第三層のBOSS部屋まで降りれるようになったの!」
「えっ!?えぇぇええ!!!!」
「私達それを使って上まで帰ってきたからホントだよ。それと通常のルートは第2層のBOSS部屋の入口が破壊されたことによってそこから進む事も戻る事も出来なくなってるわ」
「わっち達一歩間違ったら一生ダンジョンに閉じ込められるとこだったんだから!」
「確かにそれはかなり大変な思いをさせてしまったわね……とりあえずこの現状をギルドマスターに伝えてくるわ!」
そう言って奥へと走って行った。
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数分後2人はギルドの奥へと案内された。
そこには難いのいい大男がソファーに座っていた。
「良く来たな!まぁ座ってくれ」
2人は向かいのソファーに腰掛けた。
「まず試すような真似をして済まなかった」
その男は頭を下げてきた。
「俺の名前はフィールダーここのギルドマスターだ。今回の件なんだがあまりにも君達が凄い功績をぽんぽん上げるもんで不正を働いているかと思ったんだがそうじゃない事が今回でハッキリした。昔依頼をでっち上げてぽんぽん功績をあげたやつがいたもんで今回のような形で君達を試すようなことをしてしまった。ほんとに済まなかった」
フィールダーはもう一度深く頭を下げてきた。
「じ、事情はな、なんとなくわかりましたから、あ、頭を上げてください……」
相手が普通の人間となると完全にニーナはコミュ障を発揮してしまっている。
「お、おう」
流石のテンパリ具合にフィールダーも少し引いてしまっている。
「今回の依頼は特例中の特例であり君達はそれを達成した!そしてその功績を認め事前に伝えていた通り君達を飛び級でのB級冒険者昇格とする」
「「やった!」」
ニーナとメイコは顔を見合わせ喜びで抱き合ったのであった。
「それと今回の件でかなりのダンジョン攻略に進展があったと聞いている。だから今回の報酬なんだがこのくらいになっている」
ズシッ!
2人の目の前に重そうな袋が置かれた。
「事前に伝えていた報酬の3倍。金貨300枚だ」
「き、金貨300枚!?」
「え!?えぇぇええ!?」
あまりの額に2人は顔を見合わせ開いた口が塞がらない。
「おっ、なんだ不満か?」
「い、いえいえ、と、とんでもない!こ、こんなにも、貰ってもいいんですか……」
「当たり前だ!それだけの功績を上げたんだしっかり貰っとけ!」
「あ、ありがとうございます!」
報酬を受け取り2人はギルドを後にしたのであった。
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今後頑張れます。