冒険者始めました!
これからどうぞよろしくお願いします<(_ _)>
装備とレベルが人の力を決めるこの世界アルクベルグで15歳の成人を迎えた私は憧れの冒険者になる事にした。
「どっ、どどどどうも初めまして!わっ私の名前はに、ニーナ・クロイツェフと言います!ぼっ、冒険者になりたくてここに来たんですけど…」
「あら、可愛いお嬢ちゃん冒険者になりに来たの?」
ここは言わずもしれた冒険者が集まるギルドである。
そしてただいま絶賛受け付けのケモ耳のお姉さんにからかわれている。
「こっ、こう見えても私ちゃんと成人してます!」
ついつい勢いで少し声が大きくなってしまった。恥ずかしい…
「あらあらごめんなさいね。あまりに可愛かったものですから。それでは冒険者になるための手続きをしますのでこちらへ。」
受け付けのお姉さんに言われるがまま私はギルドの奥へと進んだ。
すると奥に1冊の本が置いてある。
「それでは今から適正を測りますのでその本に手をかざしてください。」
言われるがまま私は本に手をかざす。
すると急に本が開き文字が書き記されて行く。
ステータスである。
ニーナ・クロイツェフ
Lv1
攻撃力F
防御力F
素早さF
魔法適性
火属性F
水属性F
風属性F
光属性F
闇属性F
まさかのオールFランクである。
「な、なんですと!?」
これには受け付けのお姉さんも苦笑いである。
「この適正では冒険者は厳しいかと…」
まさかこんな事になるとは。
冒険者になれば私の力が解放されドババーッとステータスがすごいことになると思っていたのに…
泣きそうな私を見てお姉さんは言う。
「も、もしかするとレベルが上がれば強くなるかもしれないのでとりあえず冒険者になってみましょ!でもくれぐれもモンスターと戦わないように!」
そんな事を言っていると本に新たな文字が記された。
鍛冶適性あり
「あら、鍛冶適性があるじゃない!冒険者は辞めて鍛冶職でもいいんじゃない?この世界での鍛冶と言うのはとても重要なもので普通の鍛冶職人でもオリジナルの武器作成の依頼3ヶ月待ちとかあるんだからかなりの優良職よ!」
お姉さんはここぞとばかりに私に鍛治職を進めてくる。
「で、でも私は冒険者になるのが夢なんです!」
「はぁ、わかりました。ならとりあえず冒険者やって見ましょ。でも危なくなったらすぐ逃げること!あなた可愛いんだから。」
そう言って冒険の書と薬草探しの依頼を私にわたし送り出してくれた。
今の私のランクはFランク。
最低ランクである。
そして手持ちの武器はナイフだけである。
薬草はまだ攻略されていない未開のダンジョンの第1層の入口付近に生えているので依頼をこなすためニーナはダンジョンへと向かった。
これで晴れて私も冒険者だ!憧れのおじいちゃんみたいな凄い冒険者になるんだ!
それにしても私、初めて人とあんなに人と話せたかも。
ニーナはコミュ障であった。
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ニーナはダンジョンの中に入るとすぐに薬草の採取を始めた。
薬草採取はかなり単純作業で考え事ばかりしてしまう。
鍛治職かー、でも鍛治職ってハンマーが必要なのよね。しかもハンマーってものすごく高かった気が…
そんな事を考えながら薬草採取をしていると目の前にかなずちサイズの小汚いハンマーが落ちていた。
そのハンマーに触れた瞬間目の前にウィンドウが表示された。
「所有権は貴方に譲渡されました」
どうやらそのハンマーはニーナの物になったらしい。
「アワワワワ、触ったら私の物になっちゃった。いいのかな?」
困惑するも自分のモノになったみたいなので持ち帰るる事にした。
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ギルド
「お、お姉さん!薬草取ってきました!」
唯一ニーナが喋りかけられる人間とあってニーナは嬉しそうに薬草を渡す。
「あら、ちゃんと薬草取ってこれたじゃない!えらいえらい」
そう言って頭を撫でてくる。
「こ、こども扱いしないでください」
するとお姉さんが何かに気付く。
「あら、貴方ハンマー持ってるじゃない!鍛治職やる気になったの!?」
「やりません!」
即答だった。
「鍛治職ってそもそも人が少ないからハンマーも種類が決まってるのよね。どれお姉さんがそのハンマーのレアリティを見てあげようではないか!ここにハンマーを置いてみなさい。」
言われるがままニーナはハンマーを机に置いた。
「お、重た!貴方こんなの持ってたの!?ビクともしないじゃない!」
何とお姉さんがそのハンマーを持とうとするが持ち上がらない所かピクリとも動かない。
「そ、そんなはず…」
ニーナが持つとハンマーはすんなり持ち上げった。
「このハンマーは貴方にしか持てないようになってるみたいね。とりあえずステータスを見てみるは。」
ミョルニル
攻撃力?
防御力?
素早さ?
適性不明
「何これ見たことない名前だわ。しかも全て不明ってもしかしたらとんでもない代物なのかも!良かったじゃない!鍛治職やってみなよ!これあげるから。武器でも作ってみなさい!」
そう言って武器の素材を手渡された。
「わ、私は冒険者なので鍛治職人にはなりませんからね!」
素材を鞄に詰めてニーナは走ってギルドを出ていった。
「まだ、薬草の報酬渡してないのに…」
受け付けのお姉さんはニーナを見送るのであった。
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ニーナの家
「鍛冶と言ってもどうやって武器を作ればいいのだろう?」
ニーナがそんな事を考えると冒険の書が光だし目の前でページが開き始めた。
鍛冶のやり方。
まず指定の素材を集める。
素材が集まったらその素材に炎を灯す。
炎により素材が一つになり始めたら造形したい物を思い浮かべハンマーで叩くのみ。
すると思い浮かべた物が出来るであろう。
※必ずしも上手くいくとは限らない。
「ふむふむ、こうやって作るのか!物は試しやってみよう!」
ニーナは家の何故かある工場で素材を広げた。
「まずは炎を灯すと。」
そこでニーナは気付いた。
「私まだ魔法使えないじゃん!」
するとニーナの前にウィンドウが現れた。
「スキル ヘファイストスの火を所得しました。」
「おっ!なんだか分からないけど炎魔法を覚えたみたいだ!」
早速魔法を使ってみる。
「ヘファイストスの火!」
すると明らかに戦闘では使えないような小さな炎が浮かび上がった。
「こ、これがヘファイストスの火…しょぼい…」
そう言って素材に炎を灯した。
するとたちまち素材は一つになりハンマーで叩くのみとなった。
「アワワワワ、思ったより早い…」
ニーナはミョルニルで軽く3回ほど叩いて見たが何も起こらない。
という事で思い切り叩いてみる事にした。
「とりゃ!」
ズドーン!!!!
雷が落ちたかのような衝撃が素材に降りかかる。
「え!?何今の!力が…」
そう言ってニーナはその場で寝てしまった。
目が覚めると目の前にニーナが思い浮かべた通りのショートダガーが置いてあった。
「あれ、私寝ちゃってたのか…あ!ちゃんと武器できてる!」
自分で作った武器に大喜びのニーナであった。
「なんでこんな所で寝ちゃったんだろう…あっ確か素材を思いっきり叩いたら魔力が空っぽになっちゃったんだ…」
どうやらミョルニルで武器を作ると魔力が空になるらしい。
「それはさておき!お姉さんに見せてこよ!」
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「お姉さん!武器作りました!」
ニーナは受け付けのお姉さんの前に自分で作ったショートダガーを置いた。
「あら!よく出来てるじゃない!お姉さんがレアリティを見てあげようではないか!」
そう言ってショートダガーのステータスウィンドウを開いた。
至極のショートダガー
攻撃力B
冒険者B
素早さB
「な、なんですって!?し、至極のショートダガーですって!!!!???」
思わずお姉さんは叫んでしまった。
それもそうだショートダガーと言えば初期の武器ステータスで言っても精々Eに行けば良いレベルだ。しかしこれは稀にしか作られないという至極の名を持つ武器である。
「貴方今すぐ鍛治職人になりなさい!貴方は絶対こっちの才能があるは!」
「嫌です!誰になんと言われようと冒険者をやります!」
ニーナは断固として意志を曲げない曲げる気など到底ないのであった。
「はぁ、まぁ良かったじゃない!これで貴方はステータス面で戦えない面をカバーできるようになった事になるは!貴方のステータスと武器のステータスを合わせるとステータスDランクレベルで戦うことが出来るわ!ゴブリンや第1層モンスターくらいなら余裕ね」
そう、この世界は武器とレベルが力を決める世界武器や防具さえ強ければ補正がかかり強くなれるのだ。
「それなら冒険者としてちゃんと活動してもいいんですね!」
「うん!この依頼を上げるから冒険頑張ってきなさい!あとこれ昨日の薬草の報酬ね」
完全に昨日の報酬のこと忘れてた。
「あ、ありがとうございます!行ってきます!」
ニーナは走ってダンジョンへ向かった。
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「至極の武器か、これはいい話を聞いた」
そう言って男とそのパーティーは、ギルドを後にした。
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今後頑張れます。