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ハンター参上!

「かかれ!」


 寝台。人体サイズのカプセル型装置。赤い液体が付着した巨大ミキサー。

 そこには退廃的な光景が広がっていた。


 違法サイボーグの工場。便利な機械の身体にすることを謳って商売をする闇ブローカーの拠点。


 その空間の主は部下と共に閃光弾・光線銃で蹂躙されていく。

 圧倒的な戦力の差が、彼らの一瞬での制圧を可能にした。


「観念しろ。俺たちは『ハンター』だ。

 詐欺罪、殺人罪、及び違法サイボーグの製造……省略する。とにかくお前ら犯罪者を連合警察につき渡す」


「そこをなんとかさぁ……単刀直入にいこうぜ。いくら欲しい?」


 猶予がないと見るや、露骨に金で交渉してくる悪党。


「お前らと取引する程、金には困ってねえよ。アンタらを引き渡せば金と信用が増え続けるからな」


「クソがぁ!」


 悪態を吐き捨てるその言動をよそに、ハンターたちは次の段取りを画策する。


「どうやら違法サイボーグが一体既にここを脱出しているようだ。こいつらから押収したこの小型装置からその個体を追跡した……移動速度は遅い。14時の方向に移動すれば10分で追いつく」


「それなら俺に任せな!」


「オリガ。

 ……ああ。俺たちは現場調べと、こいつらを船に連行する。頼む」


 追跡役を買ってでたハンターはパシ、と投げられた小型追跡装置を受け取る。


「ああ! またな」


 ◇


 反重力技術を用いた薄型浮遊ボードに乗り、高速で荒地を突き進む。

 このボードは戦闘時には向かないが、単純に移動するだけであれば携帯・機動性の面からベストだ。


 地球から見て月のさらに奥側にある星。

 この星に於いて夕日のような色が広がる空は半永久的のもの。

 それをバックにした荒野の風景はどこまでも続く。


「!」


 ようやくそのターゲットを見つける。そのサイボーグも気配に気づき、こちらを振り向いた。


 騙されてサイボーグ化させられた個体は武装はしていない。

 迎撃の心配はないだろう。


「止まれ!」


 銃で威嚇射撃する。

 ボードに乗りながらということもあり、狙いは命中しづらい。

 が数秒後、ミュン! と衝撃音が微かに鳴る。


「やっと当たった……!

 けどやっぱりレーザー銃ぐらいは耐えるかよ」


「あ……あ……あ……」


 その個体はまだサイボーグ化してからまだ数時間。

 機械の身体に慣れていない。

 ましてや、その個体からしてみれば、憧れの身体を手に入れて新たな人生に駆け出した中にいきなり襲撃されたという境遇だ。混乱しても無理はない。


 ダメージが皆無に等しいレーザー銃の衝撃にすらその個体はショックを受け、立ち止まった。


「だ、れ……?」


「ハンター、だ。知らないのか」


「ハンター!

 ブローカーの人が言ってた、悪い人たち……」


「オイオイ、俺たちを悪者みたいに言うなよ。むしろ非合法行為をしているのは、そっちなんだぜ?」


「ぼ、僕は悪くない!

 だって……地球あんなとこにいたくないからただ!」


「そうだな。だがこっちにはこっちなりのルールがある。違法サイボーグはな、狩られる運命なんだ。大人しく受け入れてくれ。あと俺たちの生活費のためにもな」


「やだよ!

 ここで……僕を殺すってこと、でしょ……?」


「これでもお前の為でもあるんだぜ?」


「どういう……こと?」

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