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姿と心

「鏡よ鏡、姿と心、美しいのはどちら?」




************




白姫はこぼれたジュースを拭き取り、転がり落ちて割れたガラスを、すべて家の裏の木の下に埋めました。


自分のコップに入っていたジュースも捨て、洗った後は、美味しいアップルパイを食べていきます。



すると、馬のひづめの音が聞こえてきました。


白姫はすぐさま雪姫のそばにいき、すすり泣き始めました。



「あのー、誰かいませんか?

......入りますよー。」


律儀な2回のノックと、呼びかけ。

扉を開けてきたのは、なんと隣の国の王子様でした。


「これは......一体どうされたのですか?」


「一緒にアップルパイを食べていたら...急に倒れてしまって....あぁ、雪!

どうして、あなたが....」


「雪...もしやあなたは、白姫では?

なぜ姫様がこのようなところに...」


王子は2人を見て驚いていましたが、すぐに雪姫を心配し始めました。


「まだ諦めてはならない、まだ望みはあります!」



そういって王子は、雪姫の真っ赤な唇に、キスをしました。


何も起こらない...やはり無理なのかと、王子が思った時です。


雪姫は、ゆっくりとまぶたを開けました。

生き返ったのです!



雪姫はもちろん、白姫も、王子にお礼を言いました。


白姫は、失敗した、と思いながら...



そして王子は、雪姫に一目惚れしました。

2人は結婚することになりました。




************




今日は、結婚式当日。


姉である白姫も、結婚式に呼ばれました。

雪姫が、白姫に綺麗な真っ赤な靴をすすめます。


「お姉さま、今日は来てくれて嬉しいです!

今までお姉さまに、あまり優しくできなかったお詫びとして、お姉さまにお似合いの靴を差し上げたいの!」


白姫は、まぁ、嬉しい! と言って、靴を履こうとしました。



ですが、靴に触れてすぐに、足を元の位置に戻しました。


「どうしましたの? お姉さま?

まさか、わたしからの贈り物なんて、いらないの...?」


「白姫様...いえ、お義姉さま、どうか履いてください。

雪姫は、ずっとあなたのことを気にかけていたんですよ。」


白姫は、恐怖を感じました。

雪姫の笑顔も、王子の笑顔でさえも、偽りだとわかったのです。



白姫は仕方なく、口を噛み締めながら、靴を履きました。


真っ赤で、綺麗で、とても熱く焼けた靴です。


白姫は、小さく叫んでいます。



「さぁ、お姉さま...一緒に踊りましょう?」




************




雪姫は、王子にこう言いました。


「お姉さまに殺されかけたの!」


ただその一言で、王子までもが狂いました。


そして結婚式当日、焼けるように熱い靴を履かせ、踊ってもらおうと決めたのでした。




************




『それは姿でございます、雪姫様。』

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