表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/43

番外編 反省会~メタ発言あります~

【あらすじ】

同人ゲームを作ろうとした壱人の前に、黒天使マイナマイナが現れ、ゲーム制作を後悔している10年後の壱人(イッQ)を連れてきた。

※現在、休載中。


【登場人物】

壱人    :同人ゲームを作ろうと思っている大学生。

イッQ   :ゲーム制作を挫折し続けて後悔している10年後の壱人。

マイナマイナ:イッQを10年前に連れてきた黒天使。

「では反省会を始めるのデスデス」


 黒天使のマイナマイナが仁王立(におうだ)ちになって口火(くちび)を切った。


「どうしたんですか、いきなり?」


 ローテーブルの(そば)に座るように言われた壱人は突然の展開に戸惑(とまど)った。すると横から美少女バーチャルアイドル・ミッQのフィギュアに憑依(ひょうい)しているイッQが補足する。


「ネット小説大賞運営チームのスタッフ様に感想を書いてもらったので、何か反応しようと思ったが、本編の更新は無理そうなんで、とりあえずメタ発言だらけの番外編で()(つくろ)う事にしたんだ」


※コンテスト応募時に「感想サービス」を希望すると、抽選で感想を書いてもらえるサービスです。


「それ7月の話じゃないか!今、11月だぞ?」


「色々やる事があったんだよ!」


 壱人のツッコミにイッQがひるむと、マイナマイナがすぐに本題へ戻した。


「そんなのは些細(ささい)な事なのデスデス!最後の更新から2年以上も経っているのデスデス。この機会に書けない原因を見つけ出し、解決策を考えるのデスデス!」


「そうだ、そして更新の再開を目指すんだ!」


 勢いに押され、壱人の口調(くちょう)は弱まる。


「でも今は、別の作品を完結させるのに集中してるんだろ?」


「だからと言って何もしないのは勿体無(もったいな)いだろ!出来る時にやっておいて(そん)は無い!」


 イッQはゲーム制作を挫折(ざせつ)し続けて後悔している10年後の壱人である。その自分の言葉に心を動かされた壱人は協力することにした。


「それで何が問題なんだ?」


 前向きに原因に向き合おうとする壱人に、マイナマイナはあっさりと言った。


「明白デスデス。それは壱人君、あなたデスデス!」


「え?俺????」


「そうだ、お前だ!」


 二人に断言されたものの、何の事か分からずに(くび)(かし)げる壱人に、マイナマイナはある事例を持ち出した。


「プニさんを見なさい。単独で主役の話が出来たばかりか、ツイッター小説として2年連続更新して、小説家になろうでも、もうすぐ100回目の更新デスデスよ!」


※別の小説の話です。よろしければ「プニプニ勇者」もご一読下さい。


 それを聞いてイッQは(くや)しがった。


「プニの奴、本来ならこっち(がわ)のくせに、あんなに活躍するなんて!」


「仕方が無いのデスデス。今が第一部なら、プニさんの出番は第二部。更新の気配(けはい)の無い一部が終わるのを待っていたら、いつまで経っても出番はやって来ないのデスデス!」


「自ら出番を勝ち取ったって訳か!」


 マイナマイナは更に衝撃(しょうげき)の事実を告げる。


「しかもまだ先の話デスデスが、プニさんは探偵の方にも出るつもりのようなのデスデス!」


本気(マジ)か!」


「あの世界観にどうやって溶け込むつもだ!?」


「それが出来るのデスデス。それがキャラが立っているという事なのデスデス!」


「俺はプニには勝てない。あいつは自由過ぎる!」


「プニに勝つ必要はないんだぞ。」


 弱音を()く壱人を、イッQがすぐにフォローする。そして(はげ)ますように言った。


「それに俺たちだってプニの話に出てるじゃないか?」


「そうだった!」


 イッQの言葉に壱人は(かお)を上げるが、マイナマイナの声は(きび)しい。


二人(ふたり)(いち)キャラのくせに、何を喜んでいるのデスデスか!キャラが弱いのを自ら公言しているようなものデスデス!」


 しかし二人にはプニの話に出ているという余裕があった。


「出てるだけ良いですよ」


「マイナマイナさんは、(くせ)が強すぎて出れなかったんでしたっけ?」


 そして逆にマイナマイナの心配をする。


「失礼な!ちゃんと出てるのデスデス」


「そのままだと上手くいかなかったから、俺たちとは逆に要素を分けて二人(ふたり)のキャラになってましたよね。」


 壱人の追加情報は置いておき、マイナマイナは話を進める。


「私が言いたいのは、キャラが立っていれば、キャラが勝手に話を生み出してくれるという事なのデスデス!」


 マイナマイナは(ひと)呼吸置くと言い切った。


「逆に、設定とストーリーラインだけ出来ていても、キャラが弱ければ話の中で動かずに途中で止まってしまうのデスデス!」


 それを聞いてイッQは何かを(さと)る。


「つまり、このままでは書く時間ができても更新はされない…って事か」


 そして焦燥感(しょうそうかん)に駆られて壱人に発言する。


「更新はお前のキャラの強さにかかってるという事だ!」


 しかし今まで聞いていただけの壱人は冷静な口調(くちょう)(さえぎ)り、イッQを見た。


「それなんだけど、言わせてもらっていい?」


「何だ?」


「俺だけキャラが弱いみたいな話になってるけど、それは違うんじゃないか?」


「どういう事だ?」


 不審気(ふしんげ)なイッQに、今度は壱人が断言する。


「イッQさん、あんたはバーチャル美少女のフィギュアに憑依(ひょうい)している自覚(じかく)が無さすぎる!」


「え?」


「今回だけみてもイッQさんがフィギュアに憑依(ひょうい)している意味が全く無い!」


「うっ…」


(しゃべ)り方も俺とイッQさんはほぼ同じだから、()の文で説明する必要があって、地味に面倒なんだよ!」


 壱人は更に強気で(せま)った。


「10年も経ってるんだから、もう少し変わっていても良いはずだろう!」


「10年くらいじゃ、人は変わらないんだよ!」


 イッQは(こころ)(そこ)から反論した。しかし壱人は(たた)み掛ける。


「そういう所がキャラの弱さなんだよ!語尾(ごび)を変えるとか工夫しないと!」


語尾(ごび)変えは私とキャラが(かぶ)るのでNG(エヌジー)なのデスデス。」


 マイナマイナから静かに(くぎ)()され、壱人はひるんだ。


「と、とにかく台詞だけでも工夫して、どっちが(しゃべ)ってるか判別できるようにして欲しい」


「…分かった。」


 イッQは壱人の言葉に素直に応じた。すると壱人はマイナマイナの方を向く。


「マイナマイナさんも設定を生かしきれてないと思います」


 マイナマイナにもダメ出しである。


「黒天使、美少女、辛辣(しんらつ)、ゲーム好きって設定なら、普通はもっと活躍してますよ!」


「自分が主役の話なら、もっと好き放題やるのデスデス。遠慮しているだけなのデスデス。」


 しかしマイナマイナは動じない。


「遠慮しなくて良いです。マイナマイナさんが率先(そっせん)して話を動かしても問題ありません!」


「少し考えてみるのデスデス」


 マイナマイナの説得も終わり、次は謎の生物、ピヤ(ごう)の番ある。


「ピヤ(ごう)はそのままで良いからな。」


<ピヤ!>


 ピヤ(ごう)には甘かった。


「最後に俺はどうしたらいいだろう?」


 壱人は自分のことも忘れてはいなかった。相談すると二人から意見が出る。


「もっと()を通した方がいいんじゃないか?今は(しん)が無くて話に流されてるからな。」


「本当なら、様々な問題に我武者羅(がむしゃら)に立ち向かって挫折(ざせつ)する感じだったのデスデス。」


「でも、それだと書くのが大変なんですよ。文字だけとはいえ、気持ちを高めないと書けないと言うか…」


「確かに無理して勢いを出している感じがあったのデスデス。」


「そのせいで書くのが億劫(おっくう)になっていったのか?」


 イッQはうーんと考えると(くち)を開いた。


「だったら日常系のように、のんびりしつつ挫折(ざせつ)とかどうだ?」


「のんびり挫折(ざせつ)!?」


「プニはそれで続いているからな。」


「話が無理なく進むスタイルを見つけるのは大切なのデスデス。」


「そうだな。少しスタイルを変えるのも良いかもしれない。」


 意見が出揃(でそろ)った所で壱人は(まと)める。


「良し!皆んなでキャラを強くして、自分達に合うスタイルを見つけて、再開を目指そう!!」


 まだ(まった)くキャラは立っていないが、それでも最後は主人公らしく()める壱人だった。

楽しみにしてくださっている皆様も、初めての方も、ご一読頂き、ありがとうございます!

気に入って頂けましたら、ブックマーク、評価、感想など頂けると嬉しいです。

少しでも反応があると励みになります。


次回があるように頑張りますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ