始まり
高揚感を沈めるため持っている拳銃に力を込め心を落ち着ける。自分の感覚が研ぎ澄まされていく。真正面から迫ってくる魔物を三体視界に入れる。幸いあまり邪魔になるような障害物は無い。そして走ってくる一番自分から距離の近い魔物に銃口を向け、眉間を狙う。見た目、体格などから弱点を推測し、銃に魔力を込める。魔物が跳びかかろうとしてきた瞬間に合わせ引き金を引く。ドンッ!という大きな衝撃と共に魔物は額を撃ち抜かれ絶命する。二体の魔物は少し動揺していた。ただの人間がこれほどの戦闘力を持っていることに対して。その瞬間を逃さず瞬時に残り二体にも順に銃口を向け、無慈悲に引き金を引く。二発の銃声が聞こえたあとは静寂が訪れた。倒した魔物から道具を漁っているとポケットに入っている通信機から音が鳴り出した。一旦漁るのをやめ通信機を耳に当てる。
「どうだいそっちは。こっちはノルマの30匹を倒したところだ」
気の強そうな女性の声が聞こえてくる。
「俺は今ので47匹目だ」
通信機の向こう側のメイラは呆れた様子でため息を吐く。
「何度も言っているけどいくら魔物だからって殺しすぎは良くないよ、レイ」
このまま小言を聞かされることになりそうだったので通信を切り、合流地点へ向かった。
メイラと合流し、約二ヶ月ほど滞在している近くの小さな村へ戻り、魔物討伐の依頼主の村長の家に向かう。ノックをするとすぐに村長が出てきて、俺たちを見て安心した顔をする。
「今日もありがとうございます。こんな小さな村のために」
村長に討伐した証拠を見せ報酬を受け取り宿へ向かった。宿屋の娘は俺たちを見ると笑顔でお辞儀をした。挨拶だけして部屋に入る。メイラは早速貰った報酬を確認し始めた。俺はその間に風呂に入る。魔物を殺していると嫌でも匂いがついてしまう。念入りに体を洗い、匂いを落とす。タオルで頭を拭きながら部屋に戻るとすでにメイラは眠りについていた。訪ねておきたいこともあったがわざわざ起こすほどのことでもないので俺もすぐにベッドに横になった。いつも以上に体を動かし魔力も使ったので一気に疲労感が襲ってきた。そして委ねるように瞼を閉じた。
初めて小説を投稿するすきやきという者です。拙い文章ですが最後まで読んでくれた方はありがとうございます。これからも気が向いたらどんどん投稿していきたいと思います!