ツンデレなんかじゃないんだからねッ!
第7話ツンデレなんかじゃないんだからねッ!
「今日は本当にいい日だった」
学校を終え、バイト先の焼肉屋へと向かう途中に今日食べた2人の弁当を思い出していた。
すると、
「ちょっと、あんた!」
そんな声がした。
おい、どこかのあんた。呼ばれてるぞ。
「あんたってば!」
そろそろ返事してやれよ、あんた。
「シカトすんな!」
その声の主は俺の前で仁王立ちした。
あ、あんたって俺のことか。
「ん?俺?」
「あんた以外周りにいないでしょ!」
「で、何の用だ?」
いきなり話しかけてきたその少女に問う。
「あんたって1年2組よね?」
「そうだけど、なんで知ってるの?」
「あたしも同じクラスだからよ!」
「へー、そうか。」
ハルとソフィ以外とは話してなかったから
クラスメイトの顔なんて覚えていない。
「なんであんたは入学早々から美少女2人を侍らせているわけ?」
「別に侍らせてるわけじゃねえだろ!
俺は2人の友人、ただそれだけだ」
「いきなり下の名前で呼び合うとか
羨ま…なんでもないわ!」
なにを言おうとしたんだ?
「教えてくれない?どうやったらあんたみたいにすぐ友達ができるのか」
「そうならそうと最初から言えよ。
でも、俺は分からない」
「どうしてよ」
「たまたま仲良くなった2人だからだ。」
そう、俺は仲良くなろうとしたんじゃない。
仲良くなるきっかけがあったからだ。
「お前もさ、そんなに可愛い顔してたら友人の1人や2人はすぐできるだろ」
「かかかか、可愛いって…
思ってもないことを言うのは失礼よ!」
「いや、普通に整ってるし、可愛い声なんだからさ。自分に自信持てよ」
そこに見るからにヤンキーって感じの柄悪い3人組が通りかかった。
「ほ、ほらあんた奴らと一緒よ!ばか!」
3人組を指さし叫ぶ。
「やめとけ、面倒事になる」
俺は面倒事を避けるために止めた。
が、遅かった。
「なになに〜お嬢さん、
あっしらに用かな〜」
「用がなきゃ指なんてささないよな?」
「お持ち帰りしてほしい、とかぁ?」
ほーら来た。
最悪だ。めんどくさい。
「あんたらみたいな奴に用なんてあるわけないじゃない!その鼻くそが詰まった様な目でこっちを見ないで!」
鼻くそって…
必死なのか、プライドが高いのか。
彼女は喧嘩を売っていた。
「なんだとこの糞ガキ」
一人の男が彼女を殴ろうとした時、
「しゃーねーな」
俺がそいつをぶっ飛ばしていた。
これでも毎日筋トレしてるんだ。
かなり効いただろう。
予想通り、その男は気を失った。
「こいつが失礼なことをしたのは悪かった。
俺に免じて消えてくれねえか?」
「は?他人の仲間殴っといて何言ってんの」
「舐めてんじゃねえ」
2人が同時に襲いかかってくる。
俺は元サッカークラブのエースだ。
四年前だけど…
人間とボールを入れ替えよう。
人間はボールだ(迷言)
俺は思い切り2人に蹴りを入れた。
「ふっ!」
ごすっと鈍い音がして、2人の男が同時に倒れる。
「初めてヤンキーと喧嘩したけど、案外弱いのな」
そこで彼女に向き直る。
「な、なによ?」
「もうあんな奴らに構うな。」
忠告をしておく。
「あんたに言われなくたって分かってるわよ」
そうですか。
「それより怪我はないか?」
「あんたが、その、助けてくれたから…」
「そうか、それは良かった」
でもなんでこんなとこにいるんだ。
「俺を待ってたわけでもないだろ?」
「う、うん。バイト行く途中でボーッとしてたらあんたがたまたま通りかかったから」
「なんのバイト行くんだ?」
俺と一緒で入学早々バイトか。
「この先の焼肉屋よ」
まじか、一緒やん。
この先に焼肉屋は1つしかない。
「俺も一緒のとこ…」
「まじ!?運命かもね」
何言ってんのこいつ。
「なにが運命だよ。」
「あたし、あんたのこと好きになっちゃったかも。助けられただけで好きなるなんて単純でしょ?なんとでも言いなさい」
へ?告白された?
人生2回目なんですけど〜
顔可愛いし、本当は良い奴そうだし
断る理由はない。
「いや、人を好きになるのに理由はいらないと思うぞ。でも今はまだそれに応えることはできない」
だが、まだ早い。
だから、友人として仲良くしよう。
「そっか、じゃあいつか応えなさいよ!」
「おう、せっかく知り合えたんだ。
名前を教えてくれないか?」
「あたしの名前は友江 奏衣よ」
「よろしくな、友江。俺は貴田 亮だ」
「べ、別に名前なんて聞いてないわ!
でもよろしくね、亮」
そして友人の作り方を2人で考えながら
バイト先へ向かった。
ここまで読んでくださりありがとうございます
650PVv(。・ω・。)ィェィ♪
感謝です。
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今回は新キャラです。
どんな感じでしたしょうか。