楽園部合宿Ⅹ
第23話 楽園部合宿Ⅹ
また、とはなんのことだろう。
「ハル、またってなんだ?」
俺が聞くとハルはキョトンとした顔でこう言った。
「え?覚えてないの?」
幼稚園の頃の話だとしたら、俺はあまり覚えていない。
大事なことだったのだろうか。
「すまん、覚えてない。多分幼稚園の頃の話だろ?」
「うん、そうだよ。本当に覚えてないんだ~。
でもまだ教えません」
「な、教えてくれてもいいじゃないか」
「また今度ね~」
え~~~
ハルはヘアピンを丁寧に付けると、
ウィンクして戻って行ってしまった。
その後みんなにハルの無事を報告した。
とりあえず無事で良かった、とのこと。
ソフィの別荘へと戻るとみんなが待っていた。
「迷惑かけてごめんなさい」
ハルは申し訳なさそうに謝る。
そんなハルを怒る人間は誰もいなかった。
やっぱり優しいな。
必死になって探していたのに、原因が子犬だったと聞いても
怒るどころかみんな笑って許してくれた。
幼い頃からこんな人たちに囲まれて生きていたら、
俺も優しくなれたんだろうな。
そんなことを寝る前まで考えていたら
明日の予定を立てていないことに気が付いた。
「明日はなにをしようかな」
そうつぶやいて俺は眠りに落ちた。
翌朝、起きてから今日花火大会があることを思い出した。
「みんな!今日は近くの花火大会行かないか?」
花火を見るのが楽しみになって早速みんなに声をかける。
「夏といえば花火だもんね!」
「亮が行きたいなら私も行きたい」
「あたしも花火見たい…かも」
先生にも伝えに行く。
「先生、今日この近くで花火大会があるから行かない?」
「いいわね~。でもみんな浴衣持って来たの?」
「持ってきてないと思う」
「3人の浴衣見たくないのかしら?」
からかうように聞いてくる。
確かに見たい。だって絶対似合うもん。
「別に3人の浴衣が見たいからって理由で提案したんじゃない」
「本当に?じゃあ浴衣レンタルしなくていいね~」
含みのある言い方だな。
3人の浴衣姿は見たい。
見たいけど、あんなに可愛い女の子たちが花火大会の屋台やらを回っていて、
男たちに声をかけられないわけがないだろ?
俺はハル、ソフィ、奏衣を危険に晒したくない。
だからここは我慢だ。
「胸チラとかあったりすると思うんだけどな~」
「浴衣レンタル行きましょう!」
3人だって浴衣着たいかもしれないじゃん。
そう、これは3人の為を思ってのことだ。
決してやましい気持ちなどない。
「浴衣を借りに行かないか?
花火大会だから浴衣を着た方がいいと思うんだ」
「そうだね!久しぶりに着てみたいかも」
「私の浴衣姿…見たい…の?」
「花火と言えば浴衣よねッ!」
ソフィ、顔を赤らめて言うのはやめて。
こっちまで恥ずかしくなっちゃうから。
せっかくの機会なので、俺も浴衣レンタル店でみんなと一緒に借りることにした。
「着てみると結構いいもんだな~」
浴衣レンタル店の前でみんなを待っていると、
店の出入り口の方をみんなが見つめていて歓声を上げていた。
「おおおお~あの子たちめっちゃ可愛くね?」
「すごい美人、わたしもあんな顔が良かったな~」
「充分君は可愛いさ」
「やだ、もうッ!てつくんたら~♡♡♡」
リア充は爆発しろ!
周りの人の視線の先にはハル、ソフィ、奏衣がいた。
うおおおおおおおおお
めっちゃ綺麗やん!!!
ここまで読んでくださりありがとうございます
感想コメント待ってます!
誤字脱字などありましたら指摘お願いします。




