茶髪の美少女
第2話茶髪の美少女
入学式が終わり、マサと別れ真っ先に下校している途中、
開谷高校の制服を着た茶髪の女子に声をかけられた。
「あの〜、開谷高校ってどこですか?」
は?もう入学式終わってるんですけど…
「バカか?もう入学式終わったぞ」
「バカって言わないでよぉ…
私だって自覚してるんだから」
あ、 自覚してるんだ。
「でも周りの生徒に付いていけば良かったんじゃないか?」
「ちょっと登校中に用事ができて
迷っちゃったんです。ぅぅぅ〜」
顔を赤くして少女は俯いた。
よく見なくてもかなり可愛い。
「用事って、何してたんだよ…」
「おばあさんが重そうに荷物を持っていたから、荷物を持って届けたの。私バカだから助けて遅れちゃった。えへへ」
ひょっとして俺まずいことした?
彼女は悪くない。
もちろん遅れたことはいけない。が、人を助けていたことに変わりはない。
それなのに俺はいきなりバカ呼ばわり。
「すまん、初対面でいきなり失礼なことを言ってしまった」
「いや、遅れた私が悪いの」
「ちょっとついてきてくれ」
そうして彼女の手を取り学校へ向かった。
「キャッ。て、手繋がれてる」
彼女は顔をりんごのように赤くしていた。
「あ、ごめん、つい…。でもついてきてくれ」
この時俺の中では罪悪感が生まれていた。
担任のところに行って、どうにかしないと。
「別に1日欠席しただけなんだから大丈夫だよ。
気にしないで。」
彼女の言葉を無視して質問する。
「何組だ?」
「2組だったと思う」
同じクラスだったのか。
そういえば俺の前の席空いてたな。
バァン!
勢いよく職員室のドアを開く。
担任の元へと向かい、
「先生、この子、俺が気付かず落としてたシャープペンの芯を必死に拾っていて登校できなかったんです!」
「へ?」
そりゃそうだよな、俺自身も何言ってんのか分からない。
担任の山元アリサはポカーンとしていた。
「俺が悪いのでどうかこの子を出席扱いにさせてくれませんか?」
「貴田くん、急にそんなこと言われても…」
「お願いします!手伝いでも何でもしますから」
「ん~よくわかんないけど、良い感じの熱意だったからOK!」
ダメ元だったが山元先生は出席扱いにしてくれた。
話の通じる先生で何よりだ。
職員室を出て、茶髪の美少女と別れるとき、
「あ、あの貴田くん!今日は私の為にここまでしてくれてありがとう。良かったらクラスでも仲良くしてほしいな♪」
上目遣いやめろし。
そういうの勘違いしちゃうからさ。
「ああ、もちろんだ。これからもよろしくな!」
「うふふ、それにしてもシャープペンの芯はないよね〜」
「うっせ、俺のせいでお前が遅れた理由を考えるのが大変だったんだよ」
「ありがと♪ でもお前はやめて。
私の名前は桐野陽美だよ」
どっかで聞いたことあるような…
気のせいか。
「おう、桐野。俺は貴田 亮だ」
お互いに自己紹介を交わす。
女子の割に結構話しやすい。
美人だしスタイルいいし俺には勿体ない友人だ。
こんな幼馴染が俺にもいればなぁ…
なんて弱気なことは言ってられないな。自分の手で楽園を創るんだ。この美少女も候補に入れないと。もちろん、下心だけで接近したわけじゃないからな。
こうして俺と桐野は出逢った。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
ストーリーに対する要望、誤字脱字などの指摘があればお願いします。
初投稿なのに100PV近くいって嬉しかったです。毎日投稿していくつもりなので、
これからもよろしくお願いします!