ハーレム創造
第1話 ハーレム創造
「起きて、朝だよぉ〜」
綺麗な声が耳に入ってくる。
「起きてってば〜、遅刻しちゃうよ!」
朦朧とした意識の中、肩を揺すられ続ける。
俺はさすがに鬱陶しくなって、この無駄に顔が整った美少女の幼馴染みに
「もう起きた、良いからどけ」
と言った。
幼馴染みは頬をふくらませて、
「むぅ〜亮が起きないから起こしたのに〜」
と可愛い声でいじける。
こんな可愛い幼馴染みいたっけ。
まあ今ここにいるんだから現実だよな。
ドン!
鈍い音とともに俺は起きた。
悪い寝相のせいでベッドから落下したのだ。
「どっちが現実だ?まあこっちだよな…」
現実に引き戻され、俺の1日が始まった。
「おはよう、母さん、ばあちゃん、明日乃」
「いつも起きるの遅いのよ」
「おはよう」
「お兄ちゃん!遅刻しちゃいますよ」
いつも通りの光景だ。
現在時刻は7時55分
いつもより五分早いぜ。
可愛い妹にそう言ってやろうかと思ったが、怒られそうなのでやめておく。
なんで父親がいないかというとその答えは1つ。
母さんと離婚したからだ。
それでもこうやって何不自由なくどころか裕福な暮らしが出来ているのは死んだ祖父が社長だったため、かなりの遺産があるからだ。
と、家庭の事情は置いといて。
今日から俺、貴田亮は高校生。
そう!青春を謳歌する時期がやってきたんだ。
そこで、ここからの高校生活に目標を作った。
❮美少女を揃えたハーレムを創ろう!❯
である。
もちろん、この目標は誰にも言わない。
1人で成功させるためだ。
俺が今日から通う開谷高校は家から徒歩30分のところにある。
近くて便利だ。
道も大通りを真っ直ぐ行くだけで着いてしまう。
いつものように妹の明日乃と家を出る。
明日乃は中二だ。俺と同じ道の途中に中学がある。
可愛い妹と別れるのは辛いが、
「お兄ちゃん、高校生活楽しんでくださいね!」
キュートな笑顔でそう言われた。
お兄ちゃん頑張ります!
「おう!お前も新学年なんだから頑張れよ」
俺たちは手を振って別れた。
このやり取りだけで幸せ…
少し歩くと開谷高校が見えてきた。
予想以上に広く、意外と綺麗だ。
教室は2階の1年2組か。
教室のドアを開ける。
とても空気が重く、ほぼ全員の視線が俺に集まる。
新学年の時に味わうアレだな。
黒板に貼ってある席表を見て、自分の席へ向かう。
俺の隣は、THE真面目って感じの黒髪美少女だ。
後ろは運が良く、同じ中学の親友、堀間勝だ。
「よっ!亮と同じクラスで助かったわ」
「俺もマサと一緒になれてラッキーだ」
親友と挨拶を交わす。
こいつと意気投合した原因は、アニメ・ゲームである。
つまり俺たちはアニオタでありゲーマーだ。
その為中学の頃はだいぶ周りに引かれた。
アニメ好きなだけで引かれるというね…
趣味を否定するのは好ましくないことだ。
だから俺はこの高校生活では、他人の趣味を否定する人間とは極力関わらないことに決めた。
ぜってえハーレム創るぞぉぉぉぉぉおおおおおおお
心の中で叫ぶ。
そんな感じでアニオタな俺が夢を見始める。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
初投稿となります。
毎日深夜0時までに投稿しようと思っています。
誤字脱字などありましたら指摘お願いします。
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