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君の奏でる音色  作者: たかぽん
2/5

未知瑠先輩は容赦がない!

2


前回のあらすじ

テスト中のはずの未知瑠先輩が現れた!


未知瑠「ちぃーす皆頑張ってる〜?」

この人は神田未知瑠かんだみちる。3年1組所属の美人でツインテールのメガネっ子というよくアニメでありそうな設定キャラ。だが怒るとまじ怖い。


「先輩ノックぐらいしてくださいよ〜

先生と思ったじゃないですか〜」

未知瑠「先生だとまずいことでもあるの?」

「いやそういう訳では‥」

未知瑠「さっきから演奏が聞こえないのと関係があるのかな?」

「廊下で聞いてたんですか⁈」

未知瑠「いや違うけどなんとなくそう思っただけ。

あんたたち先輩がいなくて気が抜けるのは分かるけど遊びの予定の話は練習終わってからにしなさいね。」

「やっぱり聞いてたんじゃないないですか!」

未知瑠「まーね」


そんな笑顔で盗み聞きしてたこと認めても怖いよ。でも可愛いから許す。


智花「先輩今テスト期間中なのに来てよかったんですか?見つかったら怒られますよ?」

未知瑠「いいのいいの。見つかってもどうにかなるよ。」


未知瑠先輩は学年でトップを争う頭の持ち主だ。先輩は部活後塾にも通っていて今狙っている名門校も余裕でA判定貰ってるらしい。そんな先輩に教師達も一目置いてるためそこそこは融通が利くということだろう。


未知瑠「それより今回の自由曲『フクロウセクション』はあんた達の苦手なタンギングを使うところが沢山あるんだから休んでる暇なんてないのよ?小学生の時にやったからって全く油断できないわ!」


確かに先輩の言う通りだ。

フクロウセクションはテンポの良い曲調となめらかなメロディーの混ざった吹いてて心躍るような楽しい曲で2年前の小学生5年の時この曲で九州大会まで行ったことがある。九州大会まで行くような学校はあちこちで名が渡るため審査員からも顔や学校名も覚えられる。もし今回の大会の審査員が2年前と同じ人だったら確実に前回の演奏よりもレベルアップした演奏を期待してくるだろう。だから一度吹いた曲だからといって油断は全くできない。


「返す言葉もございません。」

未知瑠「ならしっかり練習しなさい。わたしが見てあげるから。」

清瀧・智花「はい!」


なんでそんな嬉しそうなんだよ。この人練習に対して容赦ないから嫌なんだよ。


未知瑠「雄馬返事は?」

「へい‥」


この後先輩による鬼練習が全体合奏ギリギリまで続いた。

ほんと容赦ないわ‥


「はぁ〜まじ疲れた‥あの人手加減なさすぎ」


先輩は指導が終わると帰って勉強するわと言い残しスタスタと帰っていった。


智花「仕方ないよ先輩にとっては中学最後のコンクールになるんだから。私だって先輩と同じ立場になったら同じことしてるかもよ?」

「うぅ‥」

智花「それに私たちが入ってきて先輩も嬉しいんだよ。多分‥」

「多分って確信はないのかよ。」

智花「うん‥」


相変わらず大事な所で自信がない。まあ違ったら勘違いも恥ずかしいけど。

ってか智花なんでそんなもじもじしてんの。可愛いんだけど。


清瀧「ま、来年は俺たちが後輩をビシバシ指導できるからいいじゃん。」

「ちょっと、2年の先輩の存在忘れてない?しれっと主導権握るのやめようね。それにこんな話聞かれたら後々面倒になるの俺だからね。」

清瀧「なら問題ないじゃん」

「こっちは大有りだよ!」


相変わらず他人をいじるのが好きな奴だ。でもホントは誰よりも友達想いなこと知ってるからあまりしつこく言わないけどからかうのはほんとやめてほしい。


「それよりいつまでもじもじしてんの?前世は芋虫かなんかなの?早く戻る準備しないと合奏遅れるよ?」

智花「芋虫って‥ゆーくんのアホー!ひとでなし!ろくでなし!人殺し!」

「しれっと人を殺人犯にすんな!怖いだろ!

‥ちょっと清瀧も人の手首掴んで時間とか読み上げなくていいからね。」

清瀧「あ、雄馬俺の譜面台よろしくね。」

「あいよ。」


清瀧のバリトンサックスは楽器を持つだけでも一苦労なので譜面台はいつも俺が運んでいる。

怒っている智花の相手をしつつ俺たちは被服室を後にした。

ってかいい加減譜面で頭を叩くのやめてね。

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