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第1羽 唐揚げ記念日

「いただきますっ!」


俺はこの時をかなり楽しみにしていた。そう、ランチタイム時の鳥ノ屋の唐揚げ定食。普段は30分並んでようやく席につけるが昼休みの休憩時間では移動込みでギリギリだ。そして量も半端ないので昼からは仕事にならない。だがしかし、俺は業務終了後の帰宅前を含め何度も通ったおかげで月間ゴールドパスをゲットした。

まぁ月間だが特典として…

1.優先客として専用エリアでお食事頂けます

2.お会計より10%割引します(ランチタイムを除く)

3.ランチタイム時に特製唐揚げをご注文できます

の3つだ。

正直な話し2はありがたいが夜専用なのであまり使えないが、1はランチタイムに並ぶ時間を短縮し、さらに3で特製唐揚げを注文できる。

そしていよいよそれを使って唐揚げ定食を頼んでいたところだ。優待客は5人ほどと少なくここまでの待ち時間も10分程度と非常に手際よく来てる。

そして何より楽しみなのが特製唐揚げを今日やっと食べれるってことだ。

俺は唐揚げ定食を食べ始めた。

「旨いっ!」

いつも食べてるのに今日は並び疲れてないせいか、午後の業務開始時間に余裕だからかいつもと違う感じだ。

そして10分ぐらいしてお待ちかねの特製唐揚げがきた…と思ったらこの店の店主がやってきた。

「お客さん…、非常に申し訳ないのですが特製唐揚げの方が品切れでして姉妹店の方でこれ渡して受け取ってもらえますか?」


「はっ?え、えっ…と、わ、分かりました。」

正直クレームを言うか悩んだもののそんな度胸もなく店主も強面だしその場は受け入れた。

とりあえず唐揚げ定食を食べたところでお腹一杯だったのでもういいかなと思ったけど会計時に店員のメガネっ娘から貰った地図が意外に近くだったので受け取りに行くことにした。

「てか、近くなら持ってこいよな」とか思ったがそこは全体的に気分がいいこの日は水に流すことにした。

歩いくこと5分程して着いたお店が鳥三昧という店だった。グルメ雑誌でも見かけたことが無い名前だが、店構えは普通で客はほとんどいないようだ。よく分からないが名前はあってるのでここでいいのだろう。

俺は臨戦態勢の状態で店に入った。すると若い女将が店の奥から出てきたので鳥ノ屋で受け取っていたクーポンを渡した。

「暫く座ってお待ち下さいね〜。ふふっ。」

そういうと女将は店の奥に消えていった。暇なので辺りを見渡す。客は3人か、一応普通の店になんだな。メニューも多そうだしまた今度来てみるか…。と思いつつ満腹と幸福感でつい居眠りをしてしまった。

「っ!」

俺は居眠りの姿勢制御に失敗したらしくイスから落ちてしまったようだ。

「おっと寝てたのか、恥ずかしい…。」と小声で囁いて辺りを見渡すと明らかに先ほどと違う店の風景に戸惑った。

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