ゆきんこ
ゆきのこひとり はぐれてた
たかいおねから ころげおち
さとのこどもの いえのまえ
ころころころがり やってきた
しろいなみだが かわいそう
みっちゃんないて おっかあに
たぞうはみっちゃん たすけよと
となりどうしで かさかけた
ゆきのこないて よろこんだ
これでふぶきは こないよと
むらのちょうじゃは にやわらい
それでもめずらし あやかしは
うわさになって ひろまった
おしろのおひめの おとものこ
こもののこもの いやしいめ
みせろみせろと がやがやと
みっちゃんのうち おおさわぎ
ゆきのこふまれて しろいやま
こどもなはないて こものさり
よるのやまから まがおりる
うちのこどれだ ゆるすまじ
おどろおどろし あかいめめ
いつかおきてる しろいやま
よあけはまたず しろのうえ
やまはとどろき なだれおつ
どどどうどどう おちるゆき
すべてのみこみ しろのなか
しののめさせば こえひびく
みたかみたかよ われらがいのち
ゆきんこひとり おまえらぜんぶ
しあわせひとつ くらしのぜんぶ
さむいはころも ひえるねつ
このやまのした つちにねる
われらがいきて わがおどう
ひとだけでない やまのたみ