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種と不死者と少女の物語  作者: 狸森
1章 神種の運び手
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5話「アンドルフ先生と不安な診察」

前話に続き春ちゃん視点です。

わたしが別の世界から来たんじゃないかということを告げたあと、入ってきたサンディさんと一緒に廊下でなにか話していたシェルさん。

ドアの隙間から見えるシェルさんががっくりと項垂れているけど何を話してるんだろう?

すると1階のほうからレインさんの声が聞こえてきた。


「おーいアンドルフ先生がきたぞ。」

「はーい。2階に上がるように伝えて~。」


サンディさんから貰ったチューリパイを食べていると、廊下に出ていた2人と小柄なお爺ちゃんが部屋に入ってきた。

シェルさんはなんか表情が引き攣っている。どうしたんだろう?


「おぉ。美味そうなチューリパイじゃな。儂も一ついいか?」

「はいっ、どうぞっ。」


サンディさんのチューリパイはすごく美味しい。

中には赤くて甘いジャムとさくらんぼとりんごの間みたいな果実が程よく配置されていてシャクシャクした食感もすごく楽しい。多分このジャムも同じ果実から作ってあるんだろうなぁ。

わたしはお爺ちゃんに一切れお皿に取って渡すと。もう一切れに手を伸ばした。


「ハル・・・お前よく食うなぁ・・・。」

「はいっ、うちの家訓で『美味しいものは正義』って教わりましたのでっ。」

「・・・それって食べる量には関係あるのか?」

「まぁまぁいいじゃない~。うちも子供が産まれたらそういう風に教育しようかしら~?」

「・・・ハルみたいに食いまくられると、食費で破産するぞ・・・。」


うっなんかシェルさんにじとっと見られた・・・そんなに食べてたかなぁ?


もごもごとチューリパイを食べ終わったお爺さんが、わたしの方を見てにっこりと笑った。


「うむうむ。よく食べることは健康の秘訣じゃ。とは言え食べ過ぎると毒にもなるが、サンディとレインの作る料理じゃと美味すぎてそうもいかんのぉ~。」

「そうそうっ。サンディさんとレインさんの料理、すっごく美味しかったですっ!」

「ありがとっ。旦那も喜ぶわぁ~。ハルちゃんみたいな可愛い子にあんなに食べてもらって料理人冥利に尽きるものぉ~。」

「いやいや!可愛いだなんてそんなことないですよぉ~!こんなに太ってるのに~。」

「「えっ?」」


えっ?なんかわたし不味いこと言った?サンディさんとシェルさんが声を上げて固まっていた。


「おま・・・いやまてよ・・・サンディ。鏡持ってきてくれないか?」

「そうだね・・・ちょっと待ってて。」

「えっ?えっ?」


奥に行ったサンディさんが大きめの四角い鏡を持ってきて私の前に置いた。


肩まで伸ばした栗色の髪。ちょっとだけ寝癖がついてる。

前髪が目にかからないように真ん中で分けて、左右にヘアピンで止めてある。

そして大きな目と、ほっそりした顔と首筋。


え?誰?これ?

でもどこかで見た覚えが・・・


「ハルだよ・・・。」

「えっ?ええぇ~~~~~!!?」

「自分で気づいてなかったのね・・・。」


2人は、何か痛ましいものでも見るような視線でわたしを見ている。


「どっどういうことですか!?」

「それが知りたいからアンドルフ先生を呼んだんだよ。」

「ここに運ばれてきたときはぽっちゃりしてたんだけどねぇ。」


わたしは、死にそうになったときよりも大混乱をしていました。





「それでじゃな、特に体に違和感はないんじゃな?」

「はい。体が軽く感じるぐらいです・・・。」

「それだけ急激に痩せればそうなるのかもなぁ。」


わたしはアンドルフ先生の診察を受けていた。

服を脱いだりもするので、シェルさんは別室で待機してもらっている。


「そういえば・・・なんかいつもより食欲があって、空腹のせいかな~?なんて思ってたんですが・・・」

「ふむ?少しサーチしてみようかの。」


アンドルフ先生は白衣の袖をまくり、ぐいっとしわしわの腕を出した。


「サーチ?レントゲンみたいなものですか?」

「そのレントゲンがなにかはしらんが、体の中の《マナ》の流動を見て異常がないか調べるんじゃよ。」

「《マナ》?」

「そう、生命維持に必要なものじゃな。《魔力まりょく》とも言う。」

「へぇ~。」


この世界・・・って言ったらいいんだろうか。ファンタジーなゲームとか映画の世界みたいな感じなのね。


あれ?


ということは、さっき酒場に居たトカゲの着ぐるみさんは・・・本物?


そんなことを考えていると、わたしのお腹に手を置いたアンドルフ先生から何かが流れ込んできたように感じた。

先生の薄い頭もキラッと光る。


「む・・・むむぅ・・・」

「どうですか?先生。」

「こ、これは・・・むむ~~。」


汗をかきながら私から手を離した先生が肩で息をしている。

とっても疲れるのねこれ。

これ、というか魔法だよね今の・・・。

なんかアンドルフ先生、薄ら光ってたし・・・頭以外も・・・。

とか失礼なことを考えていると。


「確かに異常じゃな。」

「えっ!なにか病気なんですか?!」

「いや、そうじゃないのぅ。体のある地点に向かって魔力マナが収束されている感じじゃ。儂のサーチの魔力マナも吸われたわい。」

「吸われた?・・・」


どういうことなんだろう?よくわかんないや・・・


「つまりじゃ、嬢ちゃん。あんたの身体の中に何かが棲みついておる。」

「ええ~~~!何!何が棲んでるんですか!」


わたしは思わず、アンドルフ先生の両肩を掴んでぶんぶん揺すってしまう。


「おっ落ち着けっ言い方が悪かった!」

「これが落ち着いていられますか~~~~!」


サンディーさんに肩を掴まれてアンドルフ先生から引き剥がされてしまった。

でもなんか納得できないっ!

わたしの中に何が居るのよぉ~~~~!


「はぁはぁ・・・とりあえずじゃな・・・棲んでる、というより寄生されてる・・・と言った方がいいか・・・埋め込まれている、と言った方がいいか・・・」

「きせっ!・・・うめ!!?・・・」


アンドルフ先生が言う言葉は、どれも不穏な感じでわたしからの言葉が上手くでてこない。

うう~一体なんなのよぉ~・・・


「だが、儂の予想ではおそらく・・・」

「おそらく?・・・」




「《種》じゃな。」



やっと本編で重要なキーワードの『種』を出せました・・・


もっと早く出す予定が、春ちゃんの大食いシーンを書くのが楽しくなってつい・・・^^;


それと、プロローグ1話と2話をもちょい加筆しようかと・・・

かなり説明とか足りてない感じなのでいつになるかわかりませんが大幅に手を加えることになりそうです。

これからもちょくちょく修正が入ると思いますがよろしくおねがいします(ぺこり

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