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ゆうくん。
「おはよう。ハルちゃん。」
「おはよう。ゆうくん。」
いつもの会話。
まわりからみたら、これがリア充に見えるらしい。
朝一緒に登校する?
そんなの普通。
お互いを下の名前で呼ぶ?
当たり前。
そんな環境で育った、私ハルと、幼馴染ゆうくん。
「ゆーうくんっ!昨日、クラスの里菜ちゃんに告白されたんだってー?」
「えっ…なんで知ってるの?」
「もー。そーゆーことは教えてよねーっ!!」
「うん…ごめんね?」
「で!!?返事は?OKしたの!!?」
「する訳…ないじゃん!」
いつもそうだった。
ゆうくんはかなりモテる。
なのに、誰からの告白も受けない。
そして、告白した人は
「わかってた。」
って必ず言う。
きっと、ゆうくんには好きな子がいるんだと思う。
皆は知ってて、私が知らない。
たったひとつのゆうくんの秘密。
「ねぇ、ゆうくん。なんで全部断っちゃうの?」
「!!ハルちゃんにはきっとわからないよ。」
「なんでっ!!?」
「ホラ、もう学校着いたよ?」
「あ!うん。また帰りねーっ♪」