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悪夢の夏休み  作者: 電柱
2/10

1話 始まり

主人公たちは高校2年生です。

「心霊スポット行こうぜ!!」

「はぁ?」


夏休みを一週間前に控えた7月の今日、僕の隣に座っている中学卒からの親友、富崎 亮[とみざき りょう]が完璧に思いつきであろうことを提案してきた。


「だーかーらー、夏休み使って心霊スポット見に行こうぜ!」


「お前、そんなオカルト系に興味あったっけ?」

「ない!」

「ないのかよ。じゃあ、何でいきなり心霊スポット行こうって思ったんだよ、また思いきか?」

「おう!」

また思いつきでだった。

「何で高2の貴重な夏休みをオカルトに費やさなければならないんだよ、嫌だよ」

「え~、行こうぜ~。ほら、目閉じて想像してみろよ、青い海、緑の綺麗な山々、そしてそこである様々な心霊現しょ「絶対行きたくねぇ」


「ねぇ、何の話してるの?」

「まぜてよ~」

亮と話していると、良く知った女子2人が席に集まってきた。


一人は高村 理沙[たかむら りさ]。

彼女は学年でトップクラスに入るほどの学力を有しているにもかかわらず、運動神経が小学校高学年並みという、後少しで完璧女子なのにって感じの女子である。


もう一人は北川 美咲[きたがわ みさき]。

実は、僕と彼女は幼馴染みだったりする。まぁだからといって、今までにラブコメみたいなことは一度もなかったけど。

僕達4人はよくつるんでいる仲良し組って感じである。


あ、それと、説明するのを忘れていたが富崎 亮は高村 理沙とは全く真逆の、いわゆる馬鹿である。

「誰が馬鹿だって!?」

地の文を読まれた。

「で、男二人だけで何話してたの?」

「昼間から下衆な話は駄目だよ?」

「してねぇよ!」

「こいつがまた馬鹿なこと言い始めてさ」

「だから馬鹿じゃねえって!絶対面白いから!」


「……面白こと?」

しまった、美咲が反応した。

実を言うと、ぼくは美咲が来たときにしまったと思った。長い付き合いだから分かる。そう、美咲は……

「おう!名付けて[夏限定!心霊スポット巡りの旅!~この夏だけの経験をあなたに~]!」

「なにそれ!面白そう!!行く!!行きたい!!!参加する!!!!」

そう、美咲は面白そうなものには何でも参加する奴なのである。


『別に良いことじゃないの?』と思う人もいると思う。然し、彼女は見境なく参加する癖がある。普通男がするようなバイト、24時間耐久ミルクパズル大会、この間なんか夏が近いのにサウナ耐久大会なんてのにも出たらしい。このレベルまで来ると幼馴染みとして流石に心配する。


今回も、亮の提案を聞いたら100%、いや、120%参加すると言うだろうと予想していた。勿論、予想は的中した。…あのタイトルのどこに面白そうな要素があるのだろうか?いや、ある意味面白いが。


「美咲が行くなら私も行こうかな?ちょっと怖いけど面白そうだし」

理沙、お前もか。

「ほらほら~、二人とも行くってよ。お前はどうする?」

「い、行かねえよ。第一、どうやって行くんだよ?車も無理だし、バスや電車もまぁまあ金かかるだろ?」

「そこは大丈夫だ。俺の兄貴車運転出来るし、知り合いに旅館経営してる人もいるんだよ。」

そうだった、こいつには20代の兄さんがいたんだった。確か働いて……この先を言うのは止めておこう。

「で、でも高校生だけで危なくないか?」

「大丈夫だって!っていうかお前もしかして…幽霊が怖いとか?」

「そ、そんなことねぇよ!」

図星だった。

「そっかそっか~、いや、無理しなくて良いんだぜ~。それなら仕方ないな~、じゃあこっちは女の子達と行ってくるわ~(笑)」

「女の子達と」と言うところが、強調されているような気がする。

「怖くねぇって言ってるだろ!ああ、分かったよ、心霊スポットでも何でも行ってやるよ!!」

言ってしまった。然し、既に遅かった。

「よし、決まった!!じゃあ皆で行くぞー!!」

「楽しみだね~♪」

「夏休みが楽しみ~」

そんなこんなで口車に乗せられた僕は、夏休みに心霊スポット巡りに行く羽目になった。



ーーー

この後、僕は後悔することになる。

どうして、ここで止めたかったのだろう。

あんな恐怖が待ち構えているならちゃんと止めておくべきだった。

下らない口車に乗るんじゃなかった。


こうして、僕らの悪夢のような夏休みが始まろうとしていたーーー

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