萌えるメリーさん短編集
この小説に出てくるのは「俺」と「メリーさん」です。4つ全て別モノだと考えてください。
萌えるメリーさんその1
朝、テストがあるのを思い出した俺は、携帯の電源を切った。切る直前、携帯のバイブが鳴った気がしたが、直前だったからすぐ切ってしまった。
夕方、家に帰ってきた俺は、携帯の電源を切りっぱなしだったのを思い出し、電源を入れた。
そこには留守番電話が20件もあった。
〈(プー)私、メリーさん。今駅にいるの〉
・・・メリーさん?俺にそんな友達はいない。ましてや女子の友達なんていない。
〈(プー)私、メリーさん。今バス停にいるの〉
なんかどんどん近付いてきてるな。
〈(プー)私、メリーさん。今あなたの家の前にいるの。・・・そろそろ電話に出てほしいな・・・〉
・・・この時俺家でる直前だったな。なんか寂しげだが・・・?
〈(プー)私、メリーさん。今あなたの後ろにいるの・・・。お願い・・・電話に出て・・・〉
あ、バス乗った頃かな?
〈(プー)私、メリーさん。あなたの後ろにいるのに・・・気付いてくれないのが・・・寂しいよぉ・・・〉
・・・かなり精神的に参ってるみたい。
そして終わりがけの方になると。
〈(プー)ぐすっ、ひっく、わたっ、ぐすっ、めりっ、くすん、おねがっ、でんわ、でて、くださっ・・・〉
・・・泣いてる。・・・思いっきり泣いてる。なんか罪悪感。そして最後の留守電を聞いたら。
〈(プー)ふえぇぇぇぇぇ・・・おねがいだから・・・でんわにでてよぉ・・・ふえぇぇぇぇ・・・〉
・・・ついに名乗らず号泣していた。・・・なんか誰かいる気がしたから後ろを見たら・・・
「ぐすっ・・・うっく・・・くすん・・・ひっく・・・」
いた。
とりあえず謝っておいた。
萌えるメリーさんその2
部屋でごろごろ寝転がって本を読んでいたら、携帯のバイブが鳴った。
「もしもし」
〈私、メリーさん。今、あなたの隣にいられてすごく幸せなの。えへへっ♪〉
寝転がったまま横を見ると、そんな俺を幸せそうな顔をする少女が俺を見ていた。見ているこっちも幸せな気分になった・・・訳がない。寧ろ怖かった。なんでいるのこの子?
萌えるメリーさんその3
朝、家を出ようとしたら、携帯が鳴った。
「もしもし」
〈私、メリーさん。今駅にいるの。あなたに会いたくて来ちゃった〉
・・・こりゃ大変だ。俺にはメリーという名前の知り合いなんていないのに。
萌えるメリーさんその4
学校帰りの途中、携帯のバイブが鳴った。
「もしもし」
〈私、メリーさん。今あなたの家でご飯を作って待ってるの。早く帰ってきてくれないと寂しいよ〉
・・・俺は通話の切れた携帯を持ち直して、番号を押す。そして繋がったその時言った。
「もしもし警察ですか?家に不審者がいるので捕まえてください」
好評だったらデレデ霊編でも書こうかな、なんて考えてます。