Scene 9: 水に沈んだ「水流斬」
承知いたしました。レイムが湖の底から拾った魔法を、初期魔法の「水流弾」ではなく、ケルピー戦で覚えた「水流斬」に変更して、Scene 9をリライトします。
第5話:湖畔の町と、水中の魔法
Scene 9: 水に沈んだ「水流斬」
レイムは、ストーウェオーユーエを瞬殺した後、何事もなかったかのように船に戻った。
「……援護……ありがとう」
お礼を言うレイムに対し、船上のリムとニールは、顔を見合わせた。
「いや、なんもしてない」二人は声を揃えた。
三人は船を漕ぎ、ケルピー討伐の時に訪れた島の祠へと向かった。
レイムは祠に入り、水の剣を三年前と同じ場所、石台のくぼみに刺し直した。
「これで……大丈夫……あとは魔法……」
レイムはそう言いながら、まずニールを、次いでリムを見た。その視線は、何かを言い出すのをためらっている。
レイムは、遠慮がちに尋ねた。
「二人……泳げる……よね?」
「まさか……」ニールは顔を曇らせた。
「潜って取ってこいっていうんじゃないだろうな!」リムは、レイムの意図を察して叫んだ。
「……泳げないから……魔法……無いし……」レイムは、申し訳なさそうに項垂れる。
「いやいや、結構広いし深いぞ!」リムは、巨大な湖を見渡す。
「無理だよ、諦めようよ」ニールは、現実的な意見を述べた。
「でも……」レイムは、その言葉を飲み込んだ。彼女にとって、魔法の回収は諦められない任務だ。
リムは、レイムの悲しそうな表情にため息をついた。
「あーもう!わかった、わかった、潜ってみるよ! 場所どの辺だよ?」
「あの辺……」レイムは、魔導書の地図と自分の記憶を照らし合わせ、船から湖面の特定の場所を指差した。
「あの辺だな!本当だな?行くぞ、ニール!」
「ええっ?僕も?」
「当たり前だ!男だろ!行くぞ!」
リムは、ニールを引っ張るようにして、二人で湖に飛び込んだ。
リムとニールは、冷たい湖水に潜っていく。水中で苦労すること数分、ニールが、水底から文字っぽいものを拾って上がってきた。
「ハァ……ハァ……これか……?」ニールは、震える手でレイムに文字を差し出した。
「あっ、それ……ありがとう……」
レイムは、濡れた魔法の文字を、急いで魔導書に戻す。
スッ、と文字は吸い込まれた。
「水流斬!」
取り戻したのは、三年前、ケルピーとの戦闘で一瞬だけ使えるようになった、強力な水属性魔法だった。
これで二つ目の魔法が戻った。レイムは、胸を撫で下ろし、心底からホッとするのだった。




