Scene 3: 無理やりな護衛
「…ええええっ…でも……あぶないよ……」
レイムは、善意で同行を申し出てくれたニールを止めようと、焦りの表情を浮かべた。彼女は、マヨイ村の平和な少年を、危険な魔法探しの旅に巻き込みたくなかった。
しかし、ニールは胸を張って言った。
「何言ってるんだよ!僕だって戦士の端くれさ。ガリウス兄さんほどじゃないけど、そこそこやるんだよ!」
ニールは、力こぶを作って見せた。
「力(STR)だって130もあるんだから!そこのおかしなやつとレイムは魔法使いだろ?ましてレイムは魔法を落としてるんだし、前衛に僕が必要だろ!」
レイムは、その言葉に、胸が痛んだ。
「……でも……本当に……あぶないよ」
(私の力(STR)530……ニール、私の半分もない……)
レイムは、自分が前衛に立つ方がよほど安全であることを知っていたが、それをどう説明すればいいのか分からなかった。
リムは、そんなレイムの戸惑いを見逃さなかった。彼はそっとレイムに近づき、耳打ちした。
「いらないよな。圧倒的にお前のほうが強いぞ」
「そう……なんだけど……断りづらい」
リムは、レイムの断りづらいという性格を理解し、代わりに立ち上がった。
「いらん!」
リムは、ニールに向かってバッサリと言い放った。
「ここには怪力娘がいるから、お前のような貧弱な奴はいらない!」
「ああ……怪力じゃ……ないもん!」
レイムは、またその言葉を使われたことに、反射的に抗議した。
ニールは、当然ながらレイムの反論を受け入れた。
「おまえ何言ってんだ。レイムが怪力のわけないだろ、こんなにちびだし」
ニールは、リムの言葉を完全に無視し、レイムの小さな体を見て笑い飛ばした。
「俺が前衛やるって言ったらやるんだ!そして、ガリウス兄さんを助けるんだ!」
ニールは、瞳を輝かせた。彼の意志は固く、何を言っても聞きそうにない。
仕方なく、レイムとリムは、ニールとともに迷いの森へ向かうことになった。最強の力を持つ魔法使いは、最弱の前衛を連れて、次の落とし物を探しに行くのだった。




