Scene 2: 変わり果てたギルド
冒険者ギルドの前。
レイムとリムは、魔導書の地図が示す場所、ロウゼリアの冒険者ギルドの前に辿り着いた。
レイムはギルドの前に立ち、思わず立ち止まった。彼女が覚えている光景と、目の前の建物はあまりにも違っていた。
斜めに傾いた看板。あちこち崩れかけの壁。全体が薄汚れた感じで、まるでゴーストタウンの廃墟のようだ。そして何より――人けが一切無い。
「……あれ?こんな感じ……じゃなかった……はず」
レイムは、三年前の記憶をたどった。
*回想**
三年前、レイムたちが登録に訪れたとき。ギルドの中も外も、長蛇の列が続き、人がごった返していた。
「……人……多い……」レイムは、その熱気に圧倒されていた。
「なんか盛り上がってるな!」アレスは興奮していた。「こいつら全員、打倒魔王目指してんのか!?」
「同じ志の仲間であり、ライバルですね」ラザロは、誇らしげな笑みを浮かべていた。
そう、三年前、レイムがギルドに登録をしたときは、ギルドはびっくりするぐらい活気づいていた。
今や、その活気は見る影もない。
「どうした?行くぞ」
先に進んだリムが、レイムを振り返って促した。
「うっ、うん……」
レイムは、ギルドに一体何が起こったのか、不安に駆られながら、先を進むリムに恐る恐るついていくのだった。




