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有名侯爵騎士一族に転生したので実力を隠して親のスネかじって生きていこうとしたら魔法学園へ追放されちゃった  作者: すずと
二章

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第62話 爆誕☆☆☆メイド三銃士☆☆☆

 ステラシオン騎士団三番隊副隊長サーブタイ殺害。


 ルべリア王女誘拐。


 アルバート魔法学園へのテロ行為。


 それらの犯人は、ステラシオン王国騎士団三番隊隊長のバンベルガ・クロムウェルであった。という真実は瞬く間に、ステラシオン騎士王国、アルバート魔法王国に広まった。


 また、王女を救い出し、事件を解決したのがリオン・ヘイヴンだということも、あっという間に広まった。


 今回の事件は全て解決した。


 だけど、個人的な疑問はまだ残っている──


「「おかえりなさいませ♪♪ ご主人様♡♡」」


 学園の寮にいつも通り戻ると、ロイヤル双子メイドがお出迎え。


 もうすっかり慣れてしまった贅沢な光景の中に、一つの違和感と目が合う。


「おかえりなさい。マスター」


「ウルティムがメイド服を着ている件」


 ラベンダー色した長い髪をツインテールにして、ウルティムがヴィエルジュ達と同じメイド服を着ていた。正直いって凄く似合っているし、この子にマスター呼びされちゃったら性癖が歪む。


 それに──。


「意外とフーラよりあるんだな」


「ぷっ」


 俺の言葉にヴィエルジュが吹き出してしまう。


「リーオーンくーん?」


「あ、やば。ごめん。つい……」


「ついってどういう意味だあああ!!」


 フーラは華麗なるコブラツイストを披露してくれる。被写体は俺。


「ったああああああ! たいッ! いタイッ!」


「ほれほれぇ。フーラ姫のナイスバディが当たって幸せでしょ? でしょ!?」


「フーラの妹にされてたら幸せで逝ってたかもね(きりっ)」


「流石は英雄リオン様。まだまだ余裕がありますね……ふんっ!!」


「があああああ!! 熱い、熱い!!」


「私のリオンくんへの熱い思いの表れ」


「物理的に出てるのよ、炎がっ!! いや、魔法を物理的って言うのもどうなん!?」


「ご主人様。実はウルティム様なのですが──」


「ヴィエルジュ!! この状況で普通に説明しようとするなー!!」


 ♢


 いつつ……酷い目にあったぞ。ま、悪いのは一〇〇%俺なんだけども。


「それで、なんでウルティムもメイド服を着てんだ?」


「いつものノリ。どう? メイド三銃士♡」


 ドヤァと三人がポージングを取る。両翼のロイヤル双子を差し置いてセンターに立つ無表情メイド。うん。アイドルとしてデビューできるんじゃないかというくらいのヴィジュだね。


「最高の構図だな」


 率直な感想を一言放つと、両翼のメイドがきゃーきゃー騒ぎ出す。


「今、私にかわいいって言ったー♡」


「は? なにを言っているのですか? 私ですが?」


「違いますぅ!! 私に言ったんですぅ!! 私と目が合いましたぁ!!」


「私としか目が合ってませんが? 成績だけでなく、目もわるいのですか?」


「んだと、このアマぁぁ!!」


 なんでこいつらはアイドル側なのにファン側みたいな口喧嘩をしているのやら。


 いや、アイドルでもファンでもないんだけども。


「んで、そこのセンターはフーラんところで預かってもらっているはずだが。どうして俺の部屋にいる?」


 ウルティムが見つかったのはアルバート領のダンジョン。よってフーラが保護してアルバート城で面倒をみてくれることになった。


 ウルティムの話によると人間に危害を加える気はないとのことだが、世界最悪の剣、なんて異名が付いている女の子を手放しに信用はできない。


 ウルティムのことは俺達だけの秘密だ。こんなもんを世間に公開したらどうなるかわかったもんじゃない。


 警戒しつつ、俺とヴィエルジュもちょこちょこ城に顔を出していたが、城での様子は普通の女の子に見える。


「ウルティムがリオンくんに会いたいって言うから連れて来たよ」


 ここでようやくフーラが本題に入ってくれる。


 ウルティムはコクリとだけ頷いた。


「丁度良い。俺もお前に話があったんだ」


「なに?」


 ウルティムの反応は、先に俺からの質問を受け付けるって捉えて良いみたいだな。だったら、先にこちらから質問させてもらおう。


「ウルティムは俺のことをマスターって呼ぶが、それは俺がお前の封印を解いたというか……剣を抜いたからか?」


「そう、だと思う。おそらくぼくはマスターの魔力によって目覚めた、と思う」


「曖昧だな」


「あんましよくわかんない」


「なる、ほど」


 まだ封印を解いたばかりだからだろうか。寝起きで頭が回らないみたいな感じか?


 ただまぁ、十中八九俺の魔力が関係はしていることだろう。


 反射的に自分の手を眺めてしまう。太陽のバフと、魔人化を治す以外にも、世界最悪の剣の封印を解いちまうか、この魔力は……。


 まぁこの世界で転生者ってのに出会ったことはない。特別な能力ってのはわかっていた。面倒に巻き込まれるからあんまり能力を使いたくなかったんだけど……最近、ガンガン使ってるよなぁ……。


「ウルティムには世界最悪の剣って異名が付いているみたいだが、剣なのか? 魔法なのか? それとも人間なのか?」


「……ぼく、そんなださい異名、嫌」


「おっしゃる通り過ぎてぐぅの音も出んよ」


 俺だって口にするの恥ずかしいもんな。変なあだ名で呼ばれている感覚か。いやだよね、それ。


「ウルティム様の見た目は、どこからどう見ても人間の女の子ですものね。人間とは違う、剣や魔法にお見受けできません」


 ヴィエルジュの言葉にフーラも指を口元に持っていき声を発した。


「城にいる時も普通にご飯食べるし、普通に寝るし、人間となんら変わらないよ。城の部屋も自分で選んでたよね」


「あの部屋はウルトラ快適」


「人間味のある子だな」


 フーラがなにか閃いたみたいにパンと手を合わせる。


「記憶喪失なだけで、実は普通の女の子って可能性もあるよね」


「大樹に剣がぶっ刺さっていた奴を普通の女の子認定する辺りに、ステラシオン(脳筋)の片鱗が見えるぞ、フーラ」


「魔法学園で留年するくらいなら、ステラシオン騎士(脳筋)学園に編入なさってはいかがです? 安心してください。ご主人様とのイチャラブ学園生活物語のヒロインはヴィエルジュ一人で十分です」


「そうなったら全権力を使ってリオンくんをステラシオン(脳筋)に引き込んで、ステラシオンでイチャラブ生活するわよ」


「なんか汗臭そうなラブコメだな」


 いつも通りいじるといじけると思ったが、フーラは艶容な顔付で引っ付いてくる。


「そんなフーラの匂いが?」


「すっきぃぃぃぃぃぃ!!」


「いえええええええ!! ノリの良いリオンくん大好きぃ♡」


 パチンとハイタッチ。


 っと、しまった。話が脱線してしまった。


「なぁウルティム。自分の過去とか覚えてないのか?」


 聞くと、無表情のまま答えてくれる。


「さぁ……」


 他人事みたいな反応をされてしまう。


「でも、長いこ、と、眠ってい……た気が、す……ぅぅ……」


 そのまま瞼を閉じて寝ようとしている。


「──って、おおい!! 寝るなぁ!!」


「んぁ……寝てた?」


 マイペースな子だなぁ。


「ウルティムは自分の過去に興味とかある?」


「……大樹に剣がぶっ刺さって寝てたの、変?」


「普通じゃないな」


「じゃあ気になる」


 気になるポイントが少しズレている気がするが、本人が自分の過去に興味を示してくれたのなら良かったよ。


 これ以上ウルティムと関わると、またなにかに巻き込まれてしまう恐れがある。だけど、俺が勝手にウルティムを起こして、もう知りませぇん、なんてことはできん。俺は怠惰であっても無責任ではない。まぁ責任を負いたくないから怠惰全開だったんだけども……。やれって言われればやるタイプ。そして白黒ははっきりさせたい、〇か一〇〇の男。


「ヴィエルジュ。フーラ。ウルティムの過去を調べるから、手伝ってくれない?」


「「もちろんです!!」」


 即答してくれるの嬉しい。


「本当に世界最悪の剣なのか」


「それとも人間なのか気になるし」


「ょし。皆、手分けしてぼくの調査をしよう」


「急にウルティムが仕切り出したんだが」


「ぼくって場をまとめるのが得意じゃん」


 今までの会話の中でそんな片鱗は見えなかったが……。


「あ、そうだ。ウルティムは俺に会いたいって言って来たんだよな。なんの用だったんだ?」


 彼女の用件を聞くと「?」と心底意味がわからないと言わんとする顔をされる。


「いやいや。なんで俺が空振った感じを出してくんだよ。お前が俺に話があって会いに来たんじゃないの?」


「ぼくはただマスターに会いたかっただけだけど、きみに会いに行くのに理由がいるの?」


 え、ちょ……なんでこの子いきなり彼女みたいな感じ出してくるの?


 ほら両翼を見ろよ。凍てつく波動と、燃え盛る波動が見え隠れしているんだが。


「まさかここに来てステラシオン騎士(脳筋)以外にもライバル出現とは」


「負けない。このフローラルを超えしフーラは絶対に負けない」


「よくわからないけど、ぼくも負けない」


 メイド三銃士はなんともいえない波動を出していた。


「リオン兄様ぁ!! ──うわっ!? なに、この波動!!」


「ステラシオンへ戻ったはずの最高の妹がノックもせず乱入し、様々な波動に巻き込まれている件」


「ほんと、ステラシオンに帰ったのに、アルバートに来て、また帰らないといけないとか……どいつもこいつも妹使いが荒いよぉ」


 その言い草からリーフ兄さんか、ライオ兄さんにでも言われて俺のところに来たか。


「それで、どうした、最高の妹レーヴェよ。兄さん達の容体が良くなったから見舞いでも来いってか?」


「それもあるんだけど、それよりも大事なことがあるから、至急、ステラシオンに戻って」


「なんで?」


「ステラシオン王が呼んでる」


 まぁた王族からの呼び出しかよ。


 嫌な予感しかしねぇ。

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― 新着の感想 ―
妹が枠に入っていないだけ、良しとすべきかもしれないw
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