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有名侯爵騎士一族に転生したので実力を隠して親のスネかじって生きていこうとしたら魔法学園へ追放されちゃった  作者: すずと
二章

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第50話 ダンジョン試験は、凍らせた方が早いか、燃やした方が早いか論争

 筆記試験を終えたばかりだと言うのに、すぐにダンジョン試験だとさ。忙しないねぇ、アルバート魔法学園。試験、試験って……。もう少し肩の力を抜いたら良いのに。


 愚痴ってたって仕方なし。筆記試験は免除だが、ダンジョン試験は受けなければならない。


 というわけで、一年生全員が所定のダンジョンの入り口前に集まった。


「って、一組、二組合わせて三〇人しかいないぞ、おい」


 集まった人数にびっくり。一クラス分しか集まっていない。


「もう既に退学者が各クラス半分になってしまいましたね。やはり筆記試験はふるい落とす試験。随分と脱落者が出たみたいです」


 ヴィエルジュが視線をフーラに持っていくので、俺もつられてフーラを見た。


「や、やや。ちゃんと試験通ったから」


「後輩王族お姉ちゃん。というのも属性的にはアリよりのアリだったのですがね」


「そんなん絶対嫌よ。これからも耐えてやるもん」


 フーラのことは他人事じゃない。俺もいつふるい落とされるかわかったもんじゃない。


 アルバート魔法学園を退学になった場合、ステラシオン騎士学園に強制編入させられるだろう。父上に実力がバレてしまった+ステラシオン剣術大会で優勝しちまったんだ。あんな脳筋学園に編入なんかしちまったら、無事にステラシオン騎士団の前線に立たされる羽目になっちまう。


 あかん。そんなんあかん。騎士の前線とかえぐさ一〇〇%だから。まじで。あんな軍隊みたいなところごめんだ。目指せ子供部屋おじさんイン異世界を志す者として、それは絶対に避けたい。


 それならば、アルバート魔法学園の方が絶対にマシ。


 この試験はしっかりと単位を取らないといけないぞ。


「はーい、みなさーん。ちゅーもーく!」


 長い髪に愛らしい顔立ちの女性教諭が手を叩いた。


 二組の担任である、リブラ・タンカーヴィル先生だ。首元のマフラーが特徴的な先生だね。


「今からみなさんには、三人一組でダンジョンに入ってもらいます。好きな人と組んでくださいねー」


 リブラ先生の言葉の後に、ガシッと俺の両腕にじかみ付いてくれるロイヤル双子。


「ご主人様」


「リオンくん」


「「一緒に組みましょ♪♪」」


 そんなん答えは一択。


「ふたりとも、頑張ろうな」


「「はい♪♪」」


 語尾が、ルンっとした返事を二つ聞くと、ヴィエルジュが腰に付けた杖ホルダーに手を置いた。


「ご主人様から頂いたこれの出番です」


「きみ、杖は使わないでしょ?」


「付けているだけでご主人様の愛を感じるのです。まさに無尽蔵のバフ効果。これが愛……♡」


 ヴィエルジュが杖ホルダーを気に入ってくれたみたいで良かった。


「リオンくんから貰ったこれで無双できるね♪」


 フーラも腰に付けた杖ホルダーに手を置いてくれる。


「きみ、杖は使わないでしょ?」


「付けているだけでリオンくんの熱い想いが伝わるよ。これで私の力も無限大に暴上がりだよ♡」


 フーラが杖ホルダーを気に入ってくれたみたいで良かった。


 無尽蔵のバフと無限大に爆上がりの力のチートロイヤル双子と一緒なら、ダンジョン試験で単位取得など容易いだろう。この試験、もろたで。


『落ちこぼれめぇ』


『ハーレムしやがってぇ』


『こうなったら試験に講じてヤッちまうか』


 物騒なことばっか言われて怖いんですけども。


「みんな、組めたかなー?」


 三人十組のチームが完成すると、リブラ先生が今回の試験の詳細を教えてくれる。


「今回、みなさんに挑戦してもらうダンジョンは、アルバート魔法王国建国以前から存在する古代遺跡です。内部は石造りの迷宮になっていて、魔物も出現します」


 古代遺跡っていうだけあって、入り口から雰囲気あんなぁ。ロマンを感じる。


「目的は、ダンジョンにある『学術の杖』を持ち帰ること。中には魔物がいますので、十分に注意してください。無理だと思ったらすぐに救援の魔法を唱えてね。先生達が助けに行くから」


「無理するなよー。遠慮なく俺等を使えー。単位よりも命大事にだかんなー」


 チャラ男のカンセル先生は見た目に反して、生徒思いな発言をしてくれた。


 俺は救援の魔法なんて使えないが……ま、チートがふたりもいるから心配ないだろう。


 さいごにー! と先生は不敵に笑って見せた。


「杖は奪っちゃっても良いからねー。最終的にここまで持ち帰ったチームの勝ちだからー」


 おっと、バトルロワイヤル宣言。


 最後の最後に争いの火種を撒くリブラ先生は、杖を空に向けた。


「それじゃあ、試験スタート!」


 パンッ!!


 うおおおおおお──!!


 一斉にダンジョンに入って行く生徒達。まるで運動会の徒競走を彷彿とさせる。


 でも、鈍足共の集まりだから、ドタドタノロノロとみっともない走り方なんですけどね。


「最終的に持ち帰ったチームの勝ちなら急ぐ必要もなくない?」


 頑張って走っている連中の背中に投げるように呟くと、ヴィエルジュが俺の声を拾ってくれた。


「その通りです。というか、もっとも効率良く単位を取得する方法を思いつきました」


「流石は秀才のヴィエルジュ。して、その方法は?」


「今、全員が中に入りましたので、ダンジョンごと氷漬けにしましょう♪」


「かわいい顔してなんちゅうこと言ってんだ。おい、天才魔法使い。妹がどえらいこと言ってんぞ」


 フーラへ言ってやると、「もー」なんて呆れた声を出していた。


「ヴィエルジュ。そんなことしちゃダメだよー」


 フーラの右手から炎が巻き起こる。


「燃やした方が早いって」


「だめだこの双子。どちらに転んでも殺戮のエンディングしか望んでいやがらない」


 炎か氷か。どっちも地獄絵図に変わりなし。


「わかっていませんね。神秘なる氷の世界をご主人様と歩くというのがエモいのに」


「わかってないなー。私の気持ちと同様に熱い世界をリオンくんと歩くのが萌えるのに」


 むっとする双子の視線がこちらに向く。


「「ご主人様(リオンくん)どっちの世界が良い!?」


「どっちも嫌だわ!」


「「ガーン!!」」


 ロイヤル双子チートは項垂れた。


「おまえらー。さっさと行けー」


 俺達がいつまで経ってもダンジョンに入らないため、呆れたカンセル先生が野良犬を払うように、しっしっとしてくる。


「リオンくん、ヴィエルジュさん、フーラ様。先程も言いましたが、中には魔物がいますので、十分に気を付けてくださいね。危ないと思ったらすぐに救援の魔法。しつこいですが、これは大事なので、約束、守ってくださいね」


 リブラ先生が改めて優しく言ってくれるため、「はい」と答えてから俺達は素直にダンジョンの中へと潜って行った。


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― 新着の感想 ―
出待ちして奪うのが一番簡単そうだけど。でも合格が一組しかないということはないだろうから、過程も見るのかなあ。いずれにしろぶっちぎりそうですが
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