START-8
「はぁ~あ、疲れた・・・・・・」
ミズタマンは自分の身体をパンパンっと叩く。
「お疲れ様」煌はそう声をかけながら、ガチャっと手錠をミズタマンの手に掛ける。
「どういう事?」説明を求めるミズタマン。
「そういう事よ」
「そ、そういう事ねぇ~」
ミズタマンはこうして外事X課に連行された。
「さ、ようやく貴方と話せる時がきたわね」
目の前に座るミズタマンにそう話し掛ける煌に「話したいことがあるなら、手錠なんて掛けないでよ」とミズタマンは答える。
「じゃ、本題に入るわよ。貴方の目的は何?」
「地球の平和を守るというのは、大げさだね。ご近所の平和を守るっていうのが俺の使命?」
「ふざけてるの?」
「いいや、大真面目さ。スパイダーマンも親愛なる隣人を売りにしてるでしょ? あれと同じだよ」
「あなたはスパイダーマンじゃないでしょ?」
「目指す先はアレだな。うん。いや、待てよ。スパイダーマンって、結構、不幸な目にあるんだよなぁ~」
「何の話をしてるの? あなた、悪さした宇宙人を捕まえてるでしょ?」
「捕まえてはいるな。でも、お宅らの邪魔はしていないつもりだけど」
「じゃあ、なんで今回の件に首を突っ込んでくるの?」
「仕事だから。ほら、俺、特命係長と一緒だから」
「特命係長? 何それ?」
「特命係長只野仁、知らない?」
「知らない。ん? なんかこの会話前にもしたような・・・・・・」
「ま、そんなことよりさ。あいつら、なんて言ってるの?」
ミズタマンは捕らえた地球人について質問をする。
「あなたに関係ない話よ」
「関係ないって。捕まえるのに手を貸したのにそれはないでしょ?」
「あなたが慈善的に逮捕に協力してくれただけだから。教えない」
「はぁ~ 参ったなぁ~」
「参ったのはこっちの台詞。のらりくらり人の話をはぐらかして」
「はぐらかしてなんかないさ。至って真面目だよ。マスクの中じゃ結構、真剣な顔をしてるんだから」
「それ、マスクなの?」
「マスクだよぉ~」
「脱ぎなさい」
「え?」
「だから、脱ぎなさいよ!」
煌はミズタマンのマスクを引っ張り、脱がそうとする。
「痛いよ。痛い!!」
「だったら、潔く脱ぎなさい!!」
「いやだよ。察しの悪い子だなぁ~」
「察しが悪い。どういう事?」
すると、ドアがノックされ「ちょっと」と煌の上司が煌を呼ぶ。
「どうして、釈放なんですか?」
「上からの追ったしだ・・・・・・」
「そんな。どうにかなりませんか?」
「どうにもならんよ。それより、彼と協力して今回の事件を解決しろとのことだ」
「どうして、あの不審者と」
「俺にも分からん。だが、そう言う命令だ。受け入れるしかないだろ」
「分かりました」
煌は渋々、了承してミズタマンを釈放することになった。




