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MIZUTAMAN  作者: 飛鳥 進
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「はぁ~あ、疲れた・・・・・・」


 ミズタマンは自分の身体をパンパンっと叩く。


「お疲れ様」煌はそう声をかけながら、ガチャっと手錠をミズタマンの手に掛ける。


「どういう事?」説明を求めるミズタマン。


「そういう事よ」


「そ、そういう事ねぇ~」


 ミズタマンはこうして外事X課に連行された。


「さ、ようやく貴方と話せる時がきたわね」


 目の前に座るミズタマンにそう話し掛ける煌に「話したいことがあるなら、手錠なんて掛けないでよ」とミズタマンは答える。


「じゃ、本題に入るわよ。貴方の目的は何?」


「地球の平和を守るというのは、大げさだね。ご近所の平和を守るっていうのが俺の使命?」


「ふざけてるの?」


「いいや、大真面目さ。スパイダーマンも親愛なる隣人を売りにしてるでしょ? あれと同じだよ」


「あなたはスパイダーマンじゃないでしょ?」


「目指す先はアレだな。うん。いや、待てよ。スパイダーマンって、結構、不幸な目にあるんだよなぁ~」


「何の話をしてるの? あなた、悪さした宇宙人を捕まえてるでしょ?」


「捕まえてはいるな。でも、お宅らの邪魔はしていないつもりだけど」


「じゃあ、なんで今回の件に首を突っ込んでくるの?」


「仕事だから。ほら、俺、特命係長と一緒だから」


「特命係長? 何それ?」


「特命係長只野仁、知らない?」


「知らない。ん? なんかこの会話前にもしたような・・・・・・」


「ま、そんなことよりさ。あいつら、なんて言ってるの?」


 ミズタマンは捕らえた地球人について質問をする。


「あなたに関係ない話よ」


「関係ないって。捕まえるのに手を貸したのにそれはないでしょ?」


「あなたが慈善的に逮捕に協力してくれただけだから。教えない」


「はぁ~ 参ったなぁ~」


「参ったのはこっちの台詞。のらりくらり人の話をはぐらかして」


「はぐらかしてなんかないさ。至って真面目だよ。マスクの中じゃ結構、真剣な顔をしてるんだから」


「それ、マスクなの?」


「マスクだよぉ~」


「脱ぎなさい」


「え?」


「だから、脱ぎなさいよ!」


 煌はミズタマンのマスクを引っ張り、脱がそうとする。


「痛いよ。痛い!!」


「だったら、潔く脱ぎなさい!!」


「いやだよ。察しの悪い子だなぁ~」


「察しが悪い。どういう事?」


 すると、ドアがノックされ「ちょっと」と煌の上司が煌を呼ぶ。


「どうして、釈放なんですか?」


「上からの追ったしだ・・・・・・」


「そんな。どうにかなりませんか?」


「どうにもならんよ。それより、彼と協力して今回の事件を解決しろとのことだ」


「どうして、あの不審者と」


「俺にも分からん。だが、そう言う命令だ。受け入れるしかないだろ」


「分かりました」


 煌は渋々、了承してミズタマンを釈放することになった。

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