START-2
「雫さん!?」
驚く煌に「ネロで良いよ」と言うので、煌は「ネロさん」と呼ぶことにした。
「ネロさん。どうして、ここに」
「それは、こっちの台詞だし。何か取られたの?」
「ええ、まぁ」
「ふーん」
「というか、私の質問に答えてください。どうして、ここに居るんですか?」
「どうしてって。なんか、刑事みたいだね」
「答えになっていないです」
「そうだよね。ごめん、ごめん。ま、残業かな?」
「残業ですか?」
煌の疑問は当然のことであった。煌が所属するのはaura社の経理部門である。しかも、社内の経費精算をする部署なので残業があると言っても社内で完結するもので霞が関にで残業するのはおかしいのだ。
「そう。残業」
「あの、今日、遅刻なさってましたよね?」
「ああ、そうね。深夜まで頑張ってたから」
「課長さんが呆れてましたよ」
「あ、そう。それよりか、取られた物、警察に届けた方が良いんじゃない?」
「大丈夫です!!」
こいつと話していてものらりくらりと話を逸らされてしまうので、煌はネロと別れることにした。
とはいえ、行く当てもないし、手詰まりの状態ではあったがここでそう易々と辞める訳には行かない。
煌はただ行く当てもなく霞が関を散歩する。
すると、目の前を例のマント男こと「ミズタマン」が走り抜けていった。
「ミズタマン!!」
煌はすぐにその後を追うが、ミズタマンの足は早くスカートを履いてきた事を後悔する。
ミズタマンはあるビルの前で立ち止まると、高さ50m以上もあるビルをひとッ飛びで飛んで屋上へと上がる。
「マジ!?」
驚いている暇はない。煌はすぐに後を追う為にビルへと入り屋上へと上がろうとする。
その屋上では・・・・・・
「お前か。ひったくり犯ってのは?」
ミズタマンは目の前にいる異形の形をした昆虫型宇宙人に話しかける
「jこあsdfじおうjhvっじゃおdjだそいじょpscfのpじょpsdkんぽkplk;l@;l@l@;:;@sl@dこpkそpどpvじょあpk」
「何、言ってるか。分かんない? 日本語で話せ。宇宙の公用語だぞ、日本語は」
「き、さ、ま、な、に、も、のだ?」
「偉い片言だな。俺は、何者なんだ?」と逆質問するミズタマン。
「じゃ、ま、を、す、る、な」
「そう言う訳にはいかんのよ。仕事だから」
「し、ご、と?」
「おいおい、マジか・・・・・・」
そう会話をしているとミズタマンの背後にあるビルの出入り口が開き、コルトガバメントM1911を構えた煌が屋上に入ってきた。
「二人共、動かないで!!」
「ああ、君。この人、日本語通じないから」
「マジ?」
「マジ」と答えるミズタマン。
「klssdぐはgふいふいふいあshじhじfげういghhsdがうjhgjhsd」
「なんて言っているの?」と煌がミズタマンに聞くと「分かんない」と情けない返答が返ってくる。
「あんた、宇宙人でしょ? 訳しなさいよ」
「無理だよ。分かんない言語訳せって、訳せるの? 君?」
「訳せない」
「だろ?」
「fふふsduhjkojhkjijdskoiikjisdjk」
「何をごちゃごちゃ言っている的な事、言っているんじゃない? 知らんけど」
ミズタマンは無責任な事を言ったその時、目の前の昆虫型宇宙人が襲い掛かってきた。
煌は咄嗟に、宇宙人の腕に向けて拳銃を発砲する。がこれを高速移動で避ける。
「ウソ!」
「ウソじゃない」ミズタマンはそう言いながら、左手首の◇のダイヤルを時計回りに三回回す。すると、右手首に銃が形成される。
ミズタマンはあらぬ方向に発砲すると、昆虫型宇宙人が姿を現した。
「すごぉ~い」
「言っている場合か!」昆虫型宇宙人はミズタマンに覆いかぶさるように飛びかかってきたがミズタマンは冷静に右腕を上げて銃を撃つ。
宇宙人の腹に弾があたり宇宙人は口らしき部分から泡を吹いて倒された。
「あ~ 疲れたぁ~」ミズタマンはそう言いながら、首をパキパキと鳴らすのだった。