START-16
「まさか、唐木田さんが裏切り者だったなんて・・・・・・」
煌はショックを隠し切れないでいた。
「煌ちゃん、そんな落ち込むことかね?」
「落ち込んでなんかいません」
「そう。なら、良かった」
「それより、ネロさんはいつも肝心な時に居ないんですね」とチクリ嫌味を言う煌。
「そう思うけど、俺も結構、頑張ってんだよぉ~」
「絶対、嘘」と一蹴する煌であった。
ミズタマンと煌の活躍により、橋井首相襲撃事件が失敗したことによりキバ堂の重役達は一斉に検挙され、電脳剛三の計画は失敗に終わった。
「電脳剛三は結局、逮捕できませんでした」
「そうか・・・・・・・」ネロは下唇を噛んで悔しがる。
「でも、キバ堂の重役達が逮捕できた事が幸運でした」
「幸運なのかねぇ~」
「幸運です」と煌は力説する。
「あ、そ」
「それよりも、ミズタマンの正体ですよ。結局、分からず仕舞い」
「それは分からなくても良いんじゃないかな」というネロの顔は引きつっていた。
「そう言う訳には行きません」
「そ、そうか」
「ネロさん、何か知っているんじゃないんですか?」
「俺は、何も。知らんっ、知らんっ!!」ネロは首を横に振って否定する。
「怪しい・・・・・・」
「何も怪しくなんかない。あ、俺、仕事しなきゃ」
ネロはそう言って、仕事に戻ろうとする。
「ちょっと、仕事でごまかさないでください!!」
煌はすぐにネロの後を追うのだった。
完