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MIZUTAMAN  作者: 飛鳥 進
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START-14

「その議員を警護しろ。と」


 上司の言葉に「はい」そう自身満々に答える煌。


「でもな、その議員は常に警護されているんだよ」


「どういう事ですか?」


「総理大臣だよ」


 その言葉に煌は口をあんぐりと開けるのだった。


 そんな会話をしている頃、ネロはというと・・・・・・


「国のトップを狙うだって?」

 スケさんはそう言いながら、焼き鳥を頬張る。


「俺だったら、そうするかな。しかも、宇宙人を使ってさ」ネロはビールをグッと飲み干す。


「成程。そのタイミングで宇宙人を大平にして、ヘイトを集めようという作戦か・・・・・・」


「それが電脳剛三の狙いじゃないかな?」


「成程。一理あるわけだが、僕は煌ちゃんの推理に一票だな」


 そんな会話をしながら、二人は飲み明かすのだった。


 翌日、二日酔いの頭痛と戦うネロの姿があった。


「あ~ 頭痛て」


「だったら、休めば良いじゃないですか?」


 今日は休日で、ネロと煌は休日出勤していた。


「いやぁ~ こういう絶え間ない努力が、事件を解決に導くんだよ」


「そうなんですか」

 愚痴に付き合わされるこっちの身にもなって欲しい。そう思う煌。


「で、警察はどうするの? 煌ちゃんの推理通りに動くの?」


「動きません。というか、言いだしっぺの議員、誰だと思います?」


「誰?」


橋井(はしい)総理です」


「マジ!?」


「マジです。ですから、SPが付いているのでこれ以上の護衛は意味ないです」


「でも、総理が狙われるってただ事じゃないよね? 良いの?」


「あの総理、急に決まった後釜じゃないですか? それに昨今の政府批判は凄まじいものですから」


「だから、放っておいても良い訳ね」


「そう言うことではないですけど・・・・・・」


「事実、そうじゃない。不人気だから、殺されても構わない。俺にはそう聞こえるね」


「そんな事・・・・・・」


 煌はそれ以上の言葉が出てこなかった。


「ま、これ以上このことについて議論しても仕方ないや」

 ネロはそう言うと、席を立つ。


「どこ行くんですか?」


「うん? ちょっと、トイレ」


 ネロはそのまま会社を出て、首相官邸へと向かった。


 ネットで首相のスケジュールを見たら、イベントに出席する予定はなく居そうな場所として官邸だと思い、こうして、来たのだ。


 だが、そう簡単に入れるわけもなく、只、周辺を散策する危ない人になるしかなかった。


 どうやって、近づこうか考えていると「やっぱり、ここだと思った」煌が立っていた。


「見つかったかぁ~」


「はい、これ」煌はそう言って、ネロに警察手帳を手渡す。


「何これ?」


「見ての通り、警察手帳です。これから私達は総理の警護を任されたSPとして潜入することになりましたから。肌身離さず持ってくださいね。無くすのも厳禁ですから」


「分かった」そう言いながら、ネロは警察手帳を開くと警察官の制服を着た自分が居た。


「階級は、巡査かよ。煌ちゃんは?」


「巡査部長です」


 斯くして、二人は官邸内へと潜入することができた。


「あの、ネロさん。宇宙人はどうやって狙ってくるんでしょうか?」


「さぁ?」とだけ言って首を傾げるネロ。


「君たちが新しく赴任したSPか?」


 そう声を掛けてきたのは、主任の唐木田(からきだ)であった。


「はい。本日より、赴任した須田煌ですっ!」


「雫ネロです」と敬礼しながら挨拶をするネロ。


「ま、畏まらないで。危険と隣り合わせだが、気を引き締めてやるように」


「はっ!!」敬礼をしたネロの手を下げさせ、唐木田は去っていった。


「さ、俺達も自分の仕事をしようか」


「はいっ!!」


 二人は橋井首相の警護をすることになった。

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