START-11
「これが、どう相手を苛立たせるんですか?」
煌は呆れ返りながら、ネロに問う。
そう問われたネロの格好はと言うと、サンドイッチマンの出立で胸のパネルには“カモンぬ! 電脳剛三!! 俺はここだ!!!”と敵の本丸を名指しして、キバ堂本社前でただ突っ立っていた。
「この場で仕掛けて来なくとも、すぐに答えは出るよ」そう言った後に「ああ、電脳様、降臨したまえぇ〜」と天に祈り始める。
「あの、それは違うんじゃないですか?」
「え、そうなの?」
「そうだと思いますけど・・・・・・」
煌は参ったなみたいな顔をする。
そして、ネロの作戦は見事に外れた。
その日、サンドイッチマンをしたが結局、意味がなく敵も襲って来ることはなかった。
「ダメだったじゃないですか!」
帰宅の途につきながらネロを叱りつける煌。
「そうダメダメ言わないでよ・・・・・・・」結構、凹んでいるのだ。
「でも、ダメなものはダメなんですから」
「なんか、すいません・・・・・・・」
謝罪のため、頭を下げると目の前に見知らぬ靴が見えた。
「うん?」顔を上げると、覆面の男達が立っていた。
「忠告を聞かなかったのか?」
「そう言うってことは、この前の人とは違う人だね」
ネロがそう言うと「言っている場合ですか!」と煌に注意される。
「死ねっ!!」男は刀を振り回してきた。
「危ねっ!!!」間一髪避けたネロは一目散に逃げ出した。
「あ、また逃げた!!」言っている側から煌は攻撃をもらう。
これまた間一髪で避けた煌だったが、頬から血が滴る。
「クソッ!!」
動きから人間なので、拳銃を使うわけには行かなかった。銃弾がネックなのだ。人体への影響の観点から気安く使うわけには行かないのだ。
手の出しようがなく、困っているその時!
「パンパン、クラップでNo.1!!」と言う歌を口ずさみながら、ミズタマンが姿を現した。
「遅い!!」
「すいません」と助けに来たのに何で、怒られるのかと思うミズタマン。
「テメェか。噂のコスプレ野郎ってのは」
「どんな噂? ま、いいや。女の子相手に刀振り回すのは」
「うるせぇ!! 切り刻んでやるっ!!」
覆面の男は、キぇぇぇぇぇぇ!!! と掛け声と共に刀を振り下ろす。が、ミズタマンは真剣白刃取りで刀を受け止める。
そして、刃先をバキンっと言う音と共にへし折る。
「ま、マジかよ・・・・・・・ 真剣だぞ」
「真剣? シンケン・・・・・・ シンケンジャーって居たな。昔」
「そんなん良いから、捕まえなさい!!!」と言う煌の言葉「Sir. ボス」と言う返事と共にストレートパンチを浴びせてダウンさせる。
「ボス、やりました」
「ご苦労さん」煌は男の手に手錠をかけるのだった。