195、スキー・ザ・パパンと温泉旅館
動画は兄妹のコーチング風景を撮るらしい。
火臣家の動画に台本はない。全部リアルタイムそのまま一発撮りだ。カメラマンの撮影と編集の腕が良いので、なにをしてもエモい動画になる。安心して転ぼう。
「葉室さん。まず、緩やかな斜面で練習しましょう」
「はーい。よいしょー、わぁーっ」
返事をして、早速パタッと転ぶ。
我ながら可愛い転び方をしたぞ。
私は壊滅的にスキーが下手な役だ。どんどん転んでいこう。
「葉室さん。受け身が取れていて安全な転び方ですね」
コーチ役の恭彦は転び方を褒めてくれた。ふふん、何度でも再現できるよ。
ほーら、スキー板を揃えようとしてバランスが崩れちゃった。尻餅をつこう。パタッ。画角もいいよ。
起き上がろうとしたけど板が下を向いて滑って転んじゃう。ずるるっと滑って仰向けに倒れる。ぽふっ。
あ、粉雪がふわふわと降ってきた。きれいだな。
「葉室さん。なんか……もしかして、スキーを見映えよく転ぶスポーツだと思ってますか?」
「今ちょっとだけそう思ってました。よくわかりましたね」
カメラに手を振り、助け起こしてもらって、今度は転ばずにスキー板を横向きにして立ってみせる。
ずっと転んでいるだけだと編集でカットされちゃうかもしれない。成長していこう。
「葉室さん。ハの字で滑ってみましょう。ゆっくりと」
「ゆっくりって言ってもスピードは勝手に出るんです、恭彦お兄さん」
「ハの字でブレーキをかけましょう」
なかなか初心者の練習っぽい映像が撮れているのではないかな?
カメラマンのパトラッシュ瀬川に視線を向けると、カメラマンの指はチェアリフトに向けられた。雪山をのんびり登る椅子型のリフト――あれに挑めと言うのだな。
「葉室さん。リフト……乗れそうです?」
「乗りましょう、お兄さん。遭難しても大丈夫です。方位磁針持ってます! ポケットにはチョコもありますよ!」
高槻大吾からクリスマス前に贈られた方位磁針を見せると、恭彦は何かを思い出した様子で手を顎に当てた。どした?
「『少年とテントウムシ』に出てくる方位磁針に似てますね」
『少年とテントウムシ』?
10年以上前に八町が脚本を書いた黒歴史系ドラマじゃないか。江良が出演していない作品だ。
確か、西園寺麗華と姉ヶ崎いずみが出てたかな?
二人とも主人公の友だち役で、「女子二人、休憩中も仲良し!」って話題になってたんだよね。
「葉室さん。リフトの順番が来ましたよ」
「お兄さん、どうしてそんなに心配そうなんですか? リフトに乗るくらい、できますって」
リフト乗り場で転んだりすると順番待ちしてるスキーヤーに迷惑かけちゃうからな。ここは上手に乗ろうではないか。
ちょこんと乗ってみせると、隣で緊張気味だった恭彦がホッとした顔になった。
「葉室さん。落ちないようにしっかり掴まってくださいね。下はあまり見ない方が怖くないかもしれません」
「はーい。わー、高いなー。あ、あの人、上手だなー! 手振ってる〜」
「葉室さん。あれは親父ですね。ほら、手を振り返されて喜んでます」
「時間を巻き戻してスルーしたい……」
リフトが上に登っていく。
真っ白な斜面をスキーヤーが滑っている光景を眺めていると、ゲレンデに好きな曲が流れ出した。
「葉室さん。あまり身を乗り出さないでください。危ないです。安全バーを掴んでいてください。安全なので」
「はーい。あっ。ノコさんの歌だ」
わあ~、ノコさんの歌声を聞きながら滑れるんだ。スキーに来てよかった。
「そういえば恭彦お兄さん、『少年とテントウムシ』観てたんですか? 当時、たぶん7歳くらいですよね」
「我が家は映像作品は必修教養科目扱いなので」
「あっ、そうでしたね」
「葉室さん。あのドラマって、野沢温泉で撮影してたんですよ。俺、撮影を見学してました。なんか、方位磁針で思い出しました。今朝、ドラマ監督の訃報を見た影響もあるかもしれません?」
「えっ、監督、お亡くなりになったんですか?」
ドラマ『少年とテントウムシ』の監督は問題行動で炎上して、いわゆる「表舞台から消えた」状態で何年も経過していた。
そうか、亡くなったのか。
「お兄さん。私、ちょっと黙祷します」
「そろそろリフトが着きますが……葉室さん、降り方はわかりますか。落ち着いて立ちましょう、まっすぐ滑っていきましょう。行けそうですか」
「なんかすみません、ご心配をおかけしてて。バッチリできるので、安心してください! リフト得意です!」
「立つのもおぼつかなかったのに」
リフトが着いたので降りると、先回りして待っていたパトラッシュ瀬川が「上手っすよ!」と褒めてくれた。
「王司ちゃんは上達が早いっす! さすが、何をしても天才っすね!」
リフトから降りただけで天才呼びとは、大袈裟だな。
このへんで一回転んでおこう。べしゃっ。
「ひゃっ。今、褒められて調子に乗りました!」
「あはは! いい絵が撮れたっすー!」
カメラが下から寄ってくる。恭彦はアングルを意識した立ち位置で自然に手を差し伸べ、起き上がるのを手伝ってくれた。
日常的に撮られている生活だから映りのいい角度を自然に選べるのは、強みだな。
たぶん無意識レベルにしているんだろう。
すごいなあ。
こういうのを英才教育の賜物というのか。歪んだ教育だが。
「葉室さん。旅館に戻ったら、『少年とテントウムシ』の展示を見に行きませんか? 当時のセットが一部飾られているんです」
「おお。いいですね」
「では、下まで滑りましょうか。俺がゆっくり先行しますから、ハの字で付いてきてくださいね」
「はーい」
恭彦は後ろ向きに滑りながら誘導するという器用な芸当を見せた。止まっては少し滑り、滑っては転び、というのんびりした道のりだ。
私たちの横をカメラを持ったパトラッシュ瀬川が速度を調整しながら滑っている。先回りしたり追い越させたり、転ぶときに寄ったり……だいぶ器用だ。
青空と真っ白な斜面が広がる視界は、開放感がある。
速度を出したくなってくる……けど、ここは演技を徹底しよう。どんどん転ぶぞー。
どてっと転んで「えへへ、転んだ~!」と笑った瞬間、遠くから聞き慣れた声が響いた。
「王司ちゃんっ! 大丈夫か?」
げっ。この声は。
振り返ると、黒髪をオールバックにした『父』、火臣打犬が颯爽と滑り降りてくる。
「大丈夫だ! パパが今行く!」
さてはタイミングを見計らっていたな。こいつはそういう奴だよ。
風を切る音がはっきり聞こえるほどのスピードだ。
スキー板が雪面を正確に捉え、滑らかにカーブを描いて進む姿には無駄がない。
まるで映画のワンシーンのようにスタイリッシュ――そんな目立つ姿に、周囲から黄色い声が上がる。
「キャー! なんかいるー! やだー!」
「本物だ! かっこいい!」
上がる悲鳴のニュアンスがゴキブリを見たときの嫌悪とヒーローを見たときの興奮が入り乱れているのがすごい。
打犬はそんなカオスな反応に慣れた様子で、変な決めセリフを響かせた。
「パパはいつでも本物だ! 油断すると振り返ればパパがいる! そう、俺がパパなのさ! 毎日が最新バージョン! それが俺! ゲレンデの救助ヒーロー、スキー・ザ・パパン!」
すっごい意味不明。
でも頭上を通過していったリフトに乗った小さな子供が「なんかヒーローいるぅー」って喜んでる。
こんなヒーローいないよ、騙されないで。
シャッ!
鋭い音と共に打犬が急停止する。
スキー板で跳ね上げられた雪がきらきらと空中に舞い上がり、陽光を反射して輝くのが無駄に美しい。
「ふっ……」
彼は片膝を軽く曲げたスタイリッシュな姿勢で、完全に静止していた。無駄に格好いいのがむかつくなぁ。
「王司ちゃん。救助ヒーローのスキー・ザ・パパンが来たよ。さあ、一緒に降りようか」
ん?
打犬はスッと腰を落とし、手際よく私のスキー板を外した。
そして、私の体をひょいと抱き上げた。
「ひえっ!?」
驚きのあまり思わず声を上げると、打犬は自信満々の笑みを浮かべた。
「このまま下まで滑るぞ、スキーのプリンセス。しっかりつかまっていてね、王司ちゃん!」
「ちょ、やめ――スキーのプリンセスってなに?」
抗議を聞く間もなく、彼は滑り出した。
現実味の薄いことに、人ひとりをお姫様抱っこしているのに、かなり安定したフォームだ。
速度もそこそこ出ているのに、全く危なげない。
周囲のスキーヤーたちから拍手と歓声が上がった。
「すげえ、なにあれ!」
「撮影してるの?」
「ヒュー!」
撮影は、してまぁす……!
後方からは、ノリノリのカメラマン・パトラッシュ瀬川が私たちを追いかけながら滑ってくる。
恭彦の叫び声がする。
「お、親父ー! なにやってんだ親父ー! スキー・ザ・パパンってなんだよー!」
「恭彦! お前もスキープリンスにバージョンアップしてパパに付いてこい!」
「意味わかんねえー!」
ああ、目立ちまくってる。
しかし、注目している周囲の景色もどんどんと後ろに流れていく。結構な速度で滑ってるから。
「これ神映像っすよ! バズり間違いなしっすっ!」
パトラッシュ瀬川が嬉しそうだ。
たまに思うのだが、この人はバズの快感に取り憑かれていないか? 大丈夫?
「ゴール!」
やがて、滑走は終わりを迎えた。
打犬は謎のゴール宣言をしてゆっくりと止まり、優雅に私を雪の上に下ろした。
ああ、キラキラした満面の笑み。腹立たしいこの笑顔。
「どうだい王司ちゃん。スキーは楽しいかい」
「自分で滑りたかったです」
「はあ~、自立してるんだ、俺の娘ちゃんは。なんって偉いんだろう。パパ感動した」
「今のは誘拐未遂です。通報されるといいと思う」
「そうだな。君の心を誘拐しかけてしまった。これイイな。キャッチフレーズにしよう。俺はゲレンデで君のハートを誘拐する怪盗パパン……」
「おまわりさーん」
おまわりさんは来なかったが、後ろから少し遅れて恭彦が追い付いてきた。
スキー板を持ってきてくれたんだ、ありがとう。
恭彦は少し息を切らしながら、打犬に向かって文句を言った。
「親父、あれじゃ練習にならない。自分で滑らないと上達しないんだ」
「恭彦。一回くらいいいじゃないか。パパ、このあとは引っ込んでいるからさ」
そのあと、リフトに乗って自力で降りること数回。スキー撮影は無事に終わった。
果たしてどんな動画が公開されるのか、気になって仕方ない。
◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆
旅館に戻り、夕食の時間を迎えた私たちは、食事会場でひとつのテーブルを囲んだ。
スキーの間、温泉街をぶらついたり温泉を楽しんだりしていたというママは、パトラッシュ瀬川から未編集の動画を見せてもらってはしゃいでいる。
「まあ可愛い転び方。転ぶだけでも絵になるなんて、うちの子ってすごいわ。おほほほ。こっちはお兄さんとリフトに乗るところね。あら……火臣さん? このお姫様抱っこはなんですの? ……これはだめよ火臣さん。許しません。訴えますわ。絶対に許さない」
ママが弁護士に相談する準備をする中、火臣家の親子は日常茶飯事といった顔で会席料理を食べていた。
慣れを感じる……。
会席料理は見た目からして豪華だ。
まずは牛肉の陶板焼き。
口に入れると脂の甘みがとろけ、噛むたびに旨味が広がるやわらかな絶品だ。肉って感じだ。美味しい。
続く鰻と海老の茶碗蒸しは、だしの香りとぷりぷりの海老、ほろほろの鰻が滑らかな卵と絡み合っている。
上品な銀杏と三つ葉がいいアクセントだ。上品で美味しい。
箸休めの野沢菜炒めの笹寿司もさっぱりとした味で、酢飯と野沢菜の組み合わせが心地よい。
締めの竹の子汁は、優しい味噌仕立てで心が温まる。
そして姿蟹は新鮮そのもので、甘い身が海の幸を感じさせる一品だった。うーん。至福。
「ごちそうさまでした!」
あとは、お酒が飲めたらなあ。
「葉室さん。それは日本酒です」
うん、知ってる。
飲まないよ……オレンジジュースをありがとう。
「葉室さん。温泉のあと、展示室で待ち合わせしましょう」
「はーい」
温泉旅館といえば、やっぱり温泉だよね。
ここの大浴場は、『霊泉真湯』の名でも呼ばれるかけ流し湯で、湯の色はその日の気象条件によって変わるらしく、今日は淡い乳白色だった。
展望風呂は温泉街を一望できる。
夜の灯りが揺らめく街並みはいつまでも眺めていられる。
あ~、お湯があったかい。浮力を感じる。
一緒に入っているママが身じろぎするのに合わせて、ゆらりとお湯が動くのが心地いい。
「いいお湯ね、王司」
「うん。気持ちいいね」
体の芯までぽかぽかになるよ。
二人で温もっていると、ママが現地で知り合ったというおばちゃんたちが親戚みたいな顔で話しかけてきた。
「動画が公開されるのが楽しみねえ!」
「王司ちゃん、ラウンジにある雑誌に載ってたわよ」
「露天風呂はもう行った?」
「まだ中学生なのにお仕事してて偉いねえ」
たぶんみんな旅行者だと思う。一期一会の共同体って感じだ。
この即席コミュニティを作り上げたのが、我が家のママなのだなぁ。さすがだなぁ。
「おほほほ! ありがとう存じます。うちの子は体が弱くて、お正月は芸能界のお仕事のお休みをたっぷりいただいてますの」
「ママ、私、露天風呂見てくる~」
露天風呂を見にいくと、湯気がすごいことになっていた。
視界、真っ白。
湯に沈んだ肩から下は暖かいけど、顔にひゅうひゅうとぶつかる冷たい冬の風の温度差がやばい。
気持ちいいけど、ヒートショックが心配になるかもしれない。大丈夫かな?
「早めに上がりなさい、王司。長湯すると具合が悪くなるわよ」
「うん。今、早めに切り上げた方がいいかもって思ってたところ」
お風呂から上がって浴衣姿でラウンジに寄ると、おばちゃんたちが言っていた雑誌コーナーがあった。
新しめの雑誌も置いてあって、知っている放送作家さんのインタビューや、西園寺麗華と姉ヶ崎いずみのドラマ共演の話題が掲載されていた。
私もばっちり載ってるや――『悲劇のヒロイン? わがままお嬢様? 謎多き天才少女の素顔に迫る!』――マザコンとかピーナッツ親子って書かれてる。ちょっと恥ずかしいぞ。
あ、恭彦の記事もある。イケメン二世ルーキーだって。意欲的にショートドラマに挑戦……?
「葉室さん……」
呼ばれて顔を上げると、恭彦がいた。
雑誌に掲載されているのと同じイケメンの姿で浴衣に身を包んだ兄は、モナカアイスをくれた。美味しい。
「約束、忘れてたりします?」
「はっ……いえ。ひと休みしたら行くつもりだったんです。そうそう、お兄さん。この雑誌に載ってましたよ。ほら、褒められてますよ」
「へえ……本当だ。わがままお嬢様……」
納得顔をするな。可愛い妹だろ。むすっとして睨むと、恭彦は空気を察した様子で雑誌を閉じた。
ラウンジを後にする私たちの後ろから、シャッター音が聞こえた。撮られてる、撮られてる。
◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆
――【西園寺麗華視点】
:変態兄妹が浴衣でアイス食べてた! かわいいー!
西園寺麗華は SNSを見て目を細めた。
「へえー、いつの間にかすっかり仲良くなったのねえ。あ、雑誌見てる」
ライバルが休んでいる間も、麗華は仕事をこなし、営業に勤しんでいる。
年末は映画撮影。
大晦日から生放送の特番と江良組の宴会配信をはしごして、自分のチャンネル用のあけおめワンカップ動画も公開した。
今は自宅で台本を手にホッと一息ついているところだ。
「あの雑誌、モモちゃんのインタビューも載ってるのよね。確かぁ~……このへんに……あった」
SNSの写真に映っている雑誌と手元の雑誌を見比べて、麗華は「あ」と呟いた。
「この旅館、懐かしい。『少年とテントウムシ』のロケで宿泊した旅館じゃない」
「ドラマの監督が亡くなった」という知らせを思い出し、麗華は少ししんみりとした。
不祥事を起こした監督は、麗華にとっては優しいおじさん監督だった。当時、初心者で10代前半の少女だった麗華と姉ヶ崎いずみに、「のびのびと演じてごらん。このドラマは脚本がいいから、安心して芝居を楽しもう」と笑いかけてくれた思い出がある。
彼は、名前を出すことも憚られる空気のまま業界を何年も干されていた。
そして、再び日の目を見ることなく、去っていった。
「臆病もののチキン女ね、私。訃報にコメントすることもできずにいる……」
パラパラと雑誌をめくると、親友であり放送作家でもあるモモが西園寺麗華について好意全開で絶賛してくれているインタビュー記事が目に付く。
何度も読み返しては嬉しい気持ちになっている記事だ。
それを見ていると、複雑な現実社会での立ち位置に気を使って窮屈に縮こまった心が安らぐ。
スマホの通知が鳴ったのは、そんなタイミングだった。
後輩からのメッセージが届いたらしい。
火臣恭彦:先輩。妹とスキーをしていて思い出したのですが
火臣恭彦:俺、少年とテントウムシの撮影中に偶然同じ旅館に宿泊してて、先輩たちと話していたかも
火臣恭彦:先輩、ロケ地の旅館で変なことしてませんでしたっけ
「うん……?」
西園寺麗華:ごめん、お姉さん覚えてないわ
西園寺麗華:君、もしかして今お姉さんのこと、口説いてる? きゃっ♡(照れるスタンプ)
火臣恭彦:口説いてないです
西園寺麗華:あ、そう……
火臣恭彦:前言撤回。口説いてます。好きです麗華お姉さん
西園寺麗華:お父さんにスマホ取られた?
火臣恭彦:妹でした
旅館にいる二人の後輩を想像して、麗華は微笑ましい気分になった。
西園寺麗華:旅行、楽しんでね。ファミリー動画、楽しみにしてるわ
ドラマの撮影中は共演者の姉ヶ崎いずみと姉妹のように遊んでいた。楽しかった――麗華は当時を思い出しながら、亡くなった監督に黙とうを捧げた。