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【完結】俳優、女子中学生になる~殺された天才役者が名家の令嬢に憑依して芸能界に返り咲く!~  作者: 朱音ゆうひ@11/5受賞作が発売されます!
3章、人狼ゲームとシナリオバトル

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169、田中君って誰だっけ

 

 心霊写真の話題が出ると、何人かがチラチラとこっちを見る。あいつのクラスだ、って目だ。

 うん、その通り。


「うちのクラスだよー。お祓いしたよー。その後は何もないよー」


 私が言うと、アリサちゃんも「これだよ」と写真を出した。すぐ写真出せるのすごいな。

 集合したクラスメートの真ん中に置いた日本人形が黒くもやもやっとしてる写真は、いつ見てもオカルトだ。

 オカルトと言えば、指輪が溶ける動画送ったのに八町は反応を返してこなかったな。この写真も送ってやろうか。

 八町〜、現実には不思議な現象があるんだよ〜!


「うわー、ガチだ」

「祟られてる」

「田中じゃね?」

「おい、やめろ」


 写真を見てみんなが騒ぐ中、アリサちゃんはサッと別の写真を見せた。

 

「これね、家に帰って見せたらお兄ちゃんがお祓いしてくれた写真」


 アリサちゃんは隙あればお兄ちゃん語りだ。

 どれどれ?

 これは……高槻(たかつき)大吾(だいご)が神主さんっぽい衣装を着てお札を書いてる写真だ。

 さらに、完成したお札の写真……。お札には『アリサをよろしく』と書いてあった。うーん、この。


「ブラコン……」

「シスコンだ……」


 みんなが言ってるから私の感想は正しいようだ。

 高槻家に負けてはいられない。

 私も何かお家の写真を見せよう。何がいいかな。猫?


「見て見て。これ、うちの猫。ミーコだよ」

「猫だ~、可愛い」


 よし、みんな猫に釣られたな。次はママだ。

 

「こっちはペンライトをダーツだと言い張るママ」

「葉室、勉強始めるぞ。親離れしろ」


 二俣。まだ写真には続きがあるんだよ。次は兄の写真だったのに。女子が喜びそうなのがいっぱいあるのになあ。


「みんな、葉室に惑わされるな。後半戦を開始する」

「別に惑わしてないのに」

 

 勉強会の後半戦は、みんなよく集中していた。

 私も集中できたので、気づいたら試験範囲の問題集が終わってた。いいことだ。


「おつかれー」

「外が真っ暗~」


 来たときと同じように、みんなして車に乗り込んで相乗りで送られていく。

 私も、アリサちゃんやカナミちゃんと一緒の車だ。


「葉室王司ちゃん」

   

 車に乗る寸前で、声がかけられた。

 円城寺(えんじょうじ)(ほまれ)だ。仲間とわいわい過ごして、ちょっと元気が出たのかな? 表情が明るい。


「円城寺さん、今日はお疲れ様でした」


 自分でも無難すぎると思う挨拶をしたところ、円城寺はにっこりと微笑んだ。

 チョコレート色の髪が夜風にさらさらと靡いて、お姉さんが10人いたら9人が「可愛い」と褒めるような美少年ぶりだ。

 

「他の子に聞いたんだけど、僕のお父さんを励ましてくれたんだよね? ありがとう」 

「私は、二俣さんや円城寺さんが言ってたことを伝えただけですよ」


 事実をそのまま言うと、円城寺は眩しそうな目をした。


「葉室王司ちゃんって、謙虚だよね」


 おお、褒められた。謙虚かどうかはさておき、悪い気はしないな。

 

「葉室王司ちゃんは、褒められるのも好きだよね。可愛い。芸能人に向いてる子って感じがするよ」

「それは褒め言葉ですよね? ありがとうございます?」

「田中君のブログって見たことある?」


 田中君のブログ? なんだろう、と首をかしげていると、円城寺は小さなメモを渡してきた。

 ほう。リラックマか。好きなのか?


「URLを書いておいたよ。仲良しだったよね? 気が向いたら、どうぞ」

「ほう……? ありがとうございます?」


 田中君って誰だっけ。

 ブログ?


 よくわからないまま車に乗り込み、帰宅してから思い出した。

 田中たけし君――王司の友達だ。あの子、ブログやってたんだ……?



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