ダウト
側近「これは一体どういう事です王様?どちらが本物なんですか?」
男A「私が本物だ。見れば分かるだろう?」
男B「いや、私が本物だ。そいつは偽物だ」
側近「申し訳ありません、王様。この私にも違いが分かりません。見た目はお二人とも、王様と瓜二つでございますし・・・」
男A「やれやれ、本物と影武者も見分けられぬとは、お前はそれでも私の側近か?」
側近「も、申し訳ございません」
男B「気にする事はないぞ。そいつは偽物なのだから」
男A「貴様、後で打ち首だぞ。覚悟しておけ!」
側近「お、お待ちください。王様と影武者を区別する方法を、思いつきました」
男B「その方法とはなんだ?」
側近「それは、犬に調べさせるのです。王様のペットとして飼われている猟犬でしたら、判断も出来ましょう」
男A「くだらん。犬のいいなりになれというのか?」
男B「見破られるのが怖いのか?偽物め」
男A「面白い。お前が影武者だと、犬に教えてもらおうか」
側近「畏まりました。では王様の猟犬をお連れします」
男A「逃げるなら今のうちだぞ」
男B「私が本物だ。何故逃げ出さなくてはならないのか分からない。お前こそ逃げた方が身のためだぞ」
男A「面白い。後悔はするなよ」
男B「くたばれ偽物め」
側近「さあ、連れて参りました。王様ではない者の喉元に噛みつくよう、教えておきました。では、いきます」
男B「な、なんだ?!ぐわぁああぁぎゃあぁああっっっ!」
男A「ははは!見たか!私が本物だ!くたばれ・・・な、おい、ま、待て。や、止め・・・ひぎゃあぁああぁああぬぐわっっああああぁ!」
側近「なるほど、二人とも王様ではなかったのですね。ですが、本物の王様はどこにいってしまわれたのでしょう。致し方ありません。暫くの間、私が王様としてこの国を統治致しましょう」